LED電球、どれを買う?

ユニティ「Luminoa E17口金小型電球タイプ」

~明るいE17口金のLED電球は、寿命5万時間で調光器にも対応
by 藤原 大蔵

明るさ“業界最高水準”のE17口金LED電球。密閉器具と調光器にも対応

 当連載では今年、明るさや光の広がりなどで進化しているE26口金のLED電球を中心に取り上げてきた。しかし、E17口金の“小型電球形”のLED電球についても、明るさなどで進化を遂げている製品が出てきている。

 今回取り上げる、ユニティの「Luminoa(ルミノア)シリーズ」も、その中のひとつだ。ユニティといえば、全光束が1,000lm以上で“世界最光”を謳うE26口金のLED電球「XLEDIA(エクスレディア)」シリーズをこれまで発売してきたが、自社ブランドとなったルミノアについても、やはり明るさが特徴。昼白色相当の「LDA8L-H-E17/D」は、白熱電球50W相当となる650lm。電球色タイプの「LDA8N-H-E17/D」でも500lmと、E26口金タイプ並み、あるいはそれ以上の明るさを備えている。同社では、昼白色タイプについて“業界最高水準”の明るさとしている。

ユニティ「Luminoa(ルミノア) E17口金 小型電球形LED電球 LDA8L-H-E17/D 電球色相当」全光束は500lmこちらは昼白色相当の「LDA8N-H-E17/D」。全光束は650lmで“業界最高水準の明るさ”を謳っている

 これに加えて、定格寿命は50,000時間。一般的なLED電球の寿命よりもさらに10,000時間も長い。一日に8時間点灯するならば、なんと17年以上も長持ちする計算となる。さらに、調光器や密閉型器具にも対応。明るさ以外のスペック的も充実している。

 というわけで今回は、このスペックの充実したE17口金のLED電球について、実際の使用感を見ていこう。なお、通常は白熱電球からの取り替えをテーマにしているため、電球色のみの紹介となっているが、今回は“業界最高水準の明るさ”の実力が気になるため、昼白色タイプも紹介させていただく。


メーカー名ユニティ
シリーズ名Luminoa (ルミノア)
品番LDA8L-H-E17/DLDA8N-H-E17/D
全光束500lm650lm
定格消費電力8.2W
口金タイプE17
光色電球色相当昼白色相当
平均演色評価数Ra80Ra70
小型白熱電球と比較した光量40W形相当50W形相当
定格寿命50,000時間
調光器対応
密閉器具対応
配光角度125度
サイズ(高さx直径)81×40mm
重量70g
実売価格4,980円
※ミニクリプトン電球はパナソニックの「LDS100V54WWK」「LDS100V36WWK」(いずれも250円で購入)を使用
※比較用の電球形蛍光灯は、NECライティング「コスモボール・ミニ」を使用
※E26口金の照明器具では、E17口金の変換アダプタを使用

 



【基本スペック編】

サイズ比較

 全体的に見れば、とても電球らしいデザインだ。放熱部はフィンがあるが、白色でフィンのフチが丸く処理されており、ゴツゴツ感は抑えられている。LED素子を覆う樹脂製のカバーも半透明で電球に近く、素子はほとんど透けて見えない。よほど小さな器具でない限り、さほどの違和感なく取り付けられるだろう。

 サイズは実測で81×40mm(高さ×直径)で、ミニクリプトン電球(E17口金の小型電球)よりも14mm背が高く、直径も5mm大きい。しかし、口金に向かって細くなる"くびれ"があり、口金付近の太さは20mmと、ミニクリプトン電球(19mm)よりもたった1mm太い程度だった。電球形蛍光灯よりは背が低い。

【ルミノア電球色・昼白色】
高さは81mm(中央)で、60/40Wタイプのミニクリプトン電球(左)よりも14mm背が高く、電球形蛍光灯より6mm背が低い。重量は52gと、小型LED電球の中でもは重めだ
【ルミノア電球色・昼白色】
直径は40mm(中央)。ミニクリプトン電球(左)よりも5mm大きい。光源部分は半透明な樹脂製だが、LED素子はほとんど透けて見えない

 重量は実測で52g。小型電球形LED電球の中では重い方ではある。しかし、実際の器具に取り付けて、器具が傾くようなことは全く起こらなかった。取り立てて気にする重さではなさそうだ。


器具に取り付けたようす

 シェード(傘)が深いタイプの器具に取り付けた場合、器具からはみ出すことなく収まった。若干放熱部が見えてしまうものの、通常の使い方ならそれほどの違和感はないレベルだろう。ペンダントタイプ、電球を真下に向けて取り付けるダウンライトには問題なく取り付けられそうだ。

【ミニクリプトン電球:60/40W】
電球の球体部が見える角度から撮影。60W形も40W形も見え方は全く同じだ
【電球形蛍光灯】
らせん状の蛍光管がかなり目立つが、器具内には収まっている
【ルミノア電球色・昼白色】
ミニクリプトン電球よりは大きいが、電球の先は器具内に収まっている


光の広がりかたと配光性

 光の広がりは、光源部を中心に、ほぼ球形に拡散する。ただ、ソケット方向や横方向には、強い直接光は届かない。

【ミニクリプトン電球】
ソケットぎりぎりまで明るい。電球を中心に床面に近いところから光が広がっている
【電球形蛍光灯】
ソケット付近にもかなり光が届いている。しかし遠くまでは光が届かない印象だ
【ルミノア電球色・昼白色】
ほぼ球形に光が拡散している。ソケット付近と側面への光の回り込みは弱いが、光が遠くまで力強く届くようだ

 直下に強いタイプのLED電球だけに、電気スタンド型の器具にはあまり向かない。光はシェードの上方に偏ってしまい、漏れる光の明るさが上下で大きく異なってしまう。だが、配光角度は125度と、一般的なLED電球よりも5度広がるためか、真下にも若干直接光が届く。シェードも半分以上は輝くので、インテリアライトとしてなら活用できそうである。

【ミニクリプトン電球】
シェードは中心からまんべんなく光り、シェードの上下からほぼ同じ明るさの光が漏れる
【電球形蛍光灯】
ミニクリプトン電球と遜色なく、シェードのほぼ中心からまんべんなく光る。シェードの上下からもほぼ同じ明るさの光が漏れる
【ルミノア電球色】
シェードの上方向はとても明るい。下方向に強い光は届いていないが、半分以上は輝いているので、インテリアライトならOKだろう
【ルミノア昼白色】
電球色と同じような印象だった


明るさ(55cm直下の照度)

 電球色の直下照度は525lxだった。この値は、40W形ミニクリプトン電球よりも大幅に明るく、写真でも肉眼でも、スペックに記されている「白熱電球40W形相当」を軽く超える明るさになった。また光色についても、白熱電球にとても近いのが印象的だ。

 昼白色はもっと明るく、685lxだった。数値的には60W形ミニクリプトン電球の明るさには及ばないので、「小型白熱電球50W形相当」というのは正しい。しかし、照らされた実際の印象は、60W形ミニクリプトン電球と遜色ない明るさが感じられた。光色もニュートラルな白色だ。

【ミニクリプトン電球:60W 785lx】
光源を55mm上方にセットし、直下照度を計測した
【ミニクリプトン電球:40W 467lx】【電球形蛍光灯 328lx】
【ルミノア電球色: 525lx】
40W形ミニクリプトン電球・蛍光灯よりも確実に明るい。比較しなければ、60W形に近い明るさが感じられる
【ルミノア昼白色: 685lx】
数値的には60W形ミニクリプトン電球より低いが、見た目の明るさはミニクリプトン電球よりも明るい印象だった

調光機能

 調光すると、明るさはスムーズに変化する。光を最小に絞っても電球は完全に消えず、どちらも10lx以下のほのかな明るさまで自由にコントロールできた。

 しかし、調光器で点灯すると、100%時の明るさが、調光器無しの時よりも暗くなってしまった。調光器無しの電球色は525lxだったが、調光器を通すと100%でも最大400lxとなり、昼白色も685lxが533lxと暗くなってしまう。並べて比較しなければ、実使用上ではほとんど気づかない差で、「調光器に対応した明るいLED電球」という事実は変わらないものの、もったいない感がある。

【ルミノア電球色: 調光時】
100%時の明るさは400lx(高さ55cm直下)と、調光器無しの時よりも明るさが落ちてしまったが、それでもまだまだ明るく感じられた。10lx以下のほのかな明るさまで調節できた
【ルミノア昼白色: 調光時】
電球色同様に、100%時の明るさは533lxと、数値的には落ちてしまう。調光はこちらも10lx以下まで消えずに絞り込める

【実使用編】

 ここからは実際の生活シーンに取り付けて、実際の使用に基づいた実力を探っていこう。密閉型器具に対応しているので、浴室や密閉型のインテリアライトにも使用した。

玄関

 玄関の使用にはとても向いている。どちらも40W形ミニクリプトン電球以上の明るさが得られ、人を迎え入れる場所に必要な、快適な明るさ、光色が感じられた。

 電球色は床面まで明るく、60W形ミニクリプトン電球と取り替えても遜色ないと言って良いほどの明るさが得られた。光色はミニクリプトン電球にとても近く、温かみのある自然な印象が魅力的だ。

 昼白色は、先ほど60W形ミニクリプトン電球よりも照度が低いことを指摘したが、実使用ではもっと明るい印象になった。ニュートラルな昼白色で、LED特有の色の偏りも感じられなかった。明るく清々しい印象の玄関が演出できるだろう。

【ミニクリプトン電球:60W】
床面まで光が届き、十分な明るさがある
【ミニクリプトン電球:40W】
玄関としては、もうすこし明るさが欲しいか
【電球形蛍光灯】
40W形のミニクリプトン電球とほぼ同じ明るさが感じられる
【ルミノア電球色】
床面までしっかり明るく、60W形ミニクリプトン電球と取り替えても遜色ない明るさが得られた。光色も電球に近く暖かな印象が玄関に相応しい
【ルミノア昼白色】
昼白色は60W形ミニクリプトン電球よりももっと明るくなった。明るく清々しい印象の玄関が演出できるだろう

浴室

 どちらも密閉器具に対応しており、浴室での使用が可能。いずれも十分に明るく、実使用でも問題ない感じられる結果が得られた。さすがに全方向に光が放たれる60W形ミニクリプトン電球の明るさには及ばないが、どちらも40W形ミニクリプトン電球よりも明るい。好みや季節、浴室の色に応じて選ぶと良いだろう。

【ミニクリプトン電球:60W】
浴室全体に光が行き渡り、快適な明るさがある
【ミニクリプトン電球:40W】
少し物足りない明るさだが、十分に明るい
【電球形蛍光灯】
蛍光灯は器具に閉じ込めると明るさがずいぶん落ちる印象だ。浴室の明るさとしては物足りない
【ルミノア電球色】
密閉器具に電球が完全に覆われてしまうと明るさはどうしても落ちる。それでも40W形ミニクリプトン電球よりも明るく、光色も電球らしい
【ルミノア昼白色】
こちらも40W形ミニクリプトン電球よりも明るく使用に現実的だ

トイレ

 トイレにも向いている。電球色は電球らしい自然な色合いで落ち着いた印象。昼白色は清々しく、暑苦しくない光色が狭い空間にも合っている。どちらも十分に明るく清潔感があるので、こちらも好みで選ぶと良いだろう。

【ミニクリプトン電球:60W】
明るく気持ちよく過ごせる
【ミニクリプトン電球:40W】
少し暗いが、トイレは狭いので、まだまだ明るさは十分に感じる
【ルミノア電球色】
60W形ミニクリプトン電球と取り替えても遜色ない明るさが得られた。光色も電球と遜色なく、清潔感は全く損なわれない
【ルミノア昼白色】
昼白色はさらに明るく、狭い空間でも暑苦しさを感じない清々しい雰囲気が演出できる

 なお、トイレは点滅頻度が高いため、点滅回数が寿命に影響する電球形蛍光灯の写真は割愛する。

廊下

 E17口金は廊下のダウンライトとして使用されることが多いので、廊下のシーンも紹介しよう。ただ、我が家は廊下がないので、マンションの共有廊下に使用した。天井の高さは2.3m、床の幅は1.6mなので、一般家庭の廊下よりも広めな点は予めご理解いただきたい。

 光はどちらも床面までしっかり届いており、十分に明るい。特に昼白色は、60W形ミニクリプトン電球よりもさらに明るくなり、親しみやすい雰囲気がさらに向上する印象だ。電球色も、40W形ミニクリプトン電球の上を行く明るさが廊下全体に広がり、十分に明るい。60W形との取り替えも現実的だろう。

【ミニクリプトン電球:60W】
広めの廊下でも60W形ミニクリプトン電球は十分に明るい
【ミニクリプトン電球:40W】
少々薄暗い印象になり、少し物足りない
【電球形蛍光灯】
壁面は明るいが、床面は40W形ミニクリプトン電球並みに明るさが落ちてしまう
【ルミノア電球色】
全体的に十分明るく、40W形ミニクリプトン電球よりも良い親しみのある印象になった
【ルミノア昼白色】
昼白色は60W形ミニクリプトン電球よりもしっかり明るくなるぶん、親しみやすさも向上した印象になった

テーブルランプ

 テーブルランプに取り付けて、どちらも60W形ミニクリプトン電球から取り替えて、遜色ない明るさが得られた。しかも器具が顔の近くにあっても熱さが感じられず快適だった。

 光色はどちらも自然な色合いが得られて申し分ない。十分に明るいので、仕事や勉強、読書の灯りとしてはもちろん、調光器対応を活かして、ベッドサイドの明かりとしても良いだろう。

【ミニクリプトン電球:60W(参考)】
本までの距離は40cmしか離れていないので、明るすぎる。ちなみに、この照明器具は40W形までしか使えないため、あくまでも参考としていただきたい
【ミニクリプトン電球:40W】
十分に明るく、細かな文字もしっかり読める
【電球形蛍光灯】
蛍光灯も明るさは十分。ただし、色味はミニクリプトン電球と比べ全体的に劣る
【ルミノア電球色】
60W形ミニクリプトン電球と同様にかなりの明るさが得られる。しかし調光器で明るさを調節できるので、勉強の明かりからベッドサイドの明かりとしても活用できる
【ルミノア昼白色】
テーブルライトとしては明るすぎるかもしれない。しかし光色はスッキリとし、勉強や仕事の明かりとして、手元をしっかり明るくしたい場合にはいいだろう。もちろん調光器に対応している

リビングルーム

 どちらも60W形ミニクリプトン電球にひけをとらない明るさがあるので、変換アダプターを用いて、E26口金のレビューと同じように、リビングルームの全体照明としても使用した。

 透過タイプの器具と合わせた場合、リビングルームで過ごすだけの十分な明るさが得られた。全方向タイプのように部屋全体が明るくなるわけではないが、全体の雰囲気は蛍光灯よりも格段に良い印象だ。落ち着いた暖かみのある雰囲気を重視するなら電球色、家族や友人と賑やかに、そして活気ある雰囲気にしたいならば昼白色が似合うだろう。調光器にも対応しているので、メインの明るさを抑えて、他の照明器具と組み合わせて、明かりのバリエーションを楽しむのも良さそうだ。

【ミニクリプトン電球:60W×2 透過タイプのシェード】
光が部屋全体に行き渡り、十分な明るさがある
【電球形蛍光灯×2 透過タイプのシェード】
ミニクリプトン電球のようには明るさが広がらず、全体的に暗くなってしまった。色被り(余計な色が加わること)も起こり全体的にくすんで見えてしまう
【ルミノア電球色×2 透過タイプのシェード】
60W形ミニクリプトン電球よりは全体の明るさは落ちてしまうが、全体的に電球形蛍光灯よりも明るい。リビングルームに相応しい自然な電球色が落ち着いた雰囲気になった
【ルミノア昼白色×2 透過タイプのシェード】
テーブル面の明るさは60W形ミニクリプトン電球とほとんどかわらない。光色に活気があり家族や友人と賑やかに過ごすのがメインなら、この光色もいいだろう

 非透過タイプも同様に印象も良かった。天井からの反射光は60W形ミニクリプトン電球には及ばないが、その分、部屋全体の明るさのバランスはむしろまとまった印象になる。電球色はテーブル面が60W形ミニクリプトン電球とさほど変わらないが、昼白色はさらに明るくなり、リビングルームでありながらシャープでスッキリとした印象が演出できる。リビングルームの過ごし方に合わせて、どちらも魅力的に映る。

【ミニクリプトン電球:60W形×2 非透過タイプのシェード】
十分な明るさが得られ、コントラストのある空間になっている
【電球形蛍光灯×2 非透過タイプのシェード】
白熱電球のように上部へも光が広がるが、透過タイプと同様、色がいまひとつ
【ルミノア電球色×2 非透過タイプのシェード】
部屋全体の明るさのバランスはミニクリプトン電球よりも整理された印象だ。テーブル面の明るさは十分
【ルミノア昼白色×2 非透過タイプのシェード】
電球色よりも明るく、印象はずいぶん変わる。しかし光色からスッキリとした涼しげな印象のリビングルームが演出できる。日中に多く使うなら外光との相性はむしろ自然に映るだろう

リビングルーム(インテリア照明)

 密閉型のインテリア照明には、調光できるというのが本製品の強み。どちらもそのままでは40W形ミニクリプトン電球の明るさを超えるため、直視するには明るすぎる。しかし、調光器で自在に明るさが変えられるので、全体照明を担う一つの明かりとして、調光すれば部屋の雰囲気に味付けを加える、眩しさを抑えたアクセント照明としても利用できる。

 さらに、ほのかな明るさまで光が絞り込めるので、就寝時の妨げにならない常夜灯として活用するのもいいだろう。直下に強いタイプの電球ではあるが、器具に浮き上がる光のムラもさほど気にならなかった。

【ミニクリプトン電球:40W】
正直、明るすぎる。直視すると不快な眩しさを感じてしまう
【電球形蛍光灯】
電球形蛍光灯も明るすぎて眩しかった
【ルミノア電球色】
100%点灯の場合(左)だと、アクセント照明としては明るすぎる。しかし、調光器が使えるので明るさの調節は自在(右)。全体照明からアクセント照明、さらに常夜灯まで幅広く使えるだろう。器具の明るさのムラもさほど気にならない
【ルミノア昼白色】
電球色同様に、全体照明として使える明るさからほのかな明るさまで調光器を使えば応用範囲は広がるだろう

食事の風景

 色味が重要な食事のシーンでは、どちらもとても良い結果が得られた。色の偏りがほとんど感じられず、食べ物はすべておいしそうに新鮮に映える。食器の材質による白さの違い、モスグリーンのランチョンマットの微妙な色合い、テーブルの木目の自然な色合いも再現されていた。

 電球色はRa80という演色性の良さが実感でき、Ra70の昼白色でも色合いのバランスがとても良かった。どちらも一灯で十分な明るさが感じられ、調光が自在にできるのも、食卓を彩る明かりとして魅力的だろう。

【ミニクリプトン電球:60/40W】
全体的においしそうに見える。しかし、モスグリーンのランチョンマットは茶色に見えてしまっている
【電球形蛍光灯】
光色の良さに定評のあるNECの電球形蛍光灯だが、ミニクリプトン電球と並べると全体的に発色が悪く見えてしまう
【ルミノア電球色】
ミニクリプトン電球とさほど変わらない、高い演色性が得られる。食べ物全体は新鮮でおいしそうに見え、微妙な色合いの違いも再現されている。LED電球特有の色被りもほとんど無い
【ルミノア昼白色】
電球色とは異なるが、食べ物全体のおいしそうに見える印象は変わらない。ニュートラルな白色の光は落ち着きよりも活気のある雰囲気が楽しめる


60W形ミニクリプトン電球との交換が現実的なLED電球は、1/8近い節電ができる

 消費電力は、どちらも実測値で7Wだった。60W形ミニクリプトン電球の消費電力が54Wだから、取り替えれば1/8近い節電が可能ということになる。調光すればさらに電力は抑えられるので、節電効果はさらに向上する。

【ミニクリプトン電球:60W】
消費電力は54W。消費電力1Wあたりの発光効率は、15lm/Wになる
【ミニクリプトン電球:40W】
消費電力35W。発光効率は14lm/W
【電球形蛍光灯】
消費電力7W。発光効率は46lm/W

【ルミノア電球色】
消費電力は7W。発光効率は71.43lm/Wと電球形蛍光灯よりもさらに効率が良い
【ルミノア電球色:調光時】
調光に応じて消費電力も下がる。最小時電球は消えていないが、ワットチェッカーで測定できないほど消費電力は低くなった
【ルミノア昼白色】
消費電力は7W。発光効率は92.86lm/Wと電球色よりもさらに良い結果が得られた
【ルミノア昼白色:調光時】
電球色同様に、明るさと共に消費電力も下がる

 電球代が回収できるのは、60Wミニクリプトン電球では、計算上は使い始めてから1年5カ月ということとなる(1日8時間使用した場合で試算)。1年以上掛かってしまうが、これは初期購入費は4,980円と、低価格が進むLED電球の中では高価な点が大きい。しかし、定格寿命はLED電球の中でも特に長い50,000時間で、さらに15年以上も使い続けられるので、購入時は確かにハードルは高いものの、電球代は必ず回収できるだろう。

 なお、40W形ミニクリプトン電球と比較した場合、消費電力は1/5抑えられる。電球代の回収には2年3カ月と、60W形よりも期間は延びてしまうが、それでも回収してから15年近く使い続けられ、どちらも大幅に明るさがアップする点は大きい。

 一方で、電球形蛍光灯からの取り替えは現実的ではない。なぜなら、電球代が回収できるのは、定格寿命の半年前の16年7カ月とあまりにも時間がかかるからだ。原因は、電球形蛍光灯の6.4倍近くも高価で、消費電力に差が無いことによる。現在、小型電球形の蛍光灯で満足しているのであれば、急いで取り替える必要は無いだろう。

【従来の光源と比較した“いつになったら元が取れるか”試算】
使用期間消費電力
(実測)
1カ月3カ月半年
(6カ月)
1年1年
5カ月
2年2年
3カ月
4年8年16年
7カ月
ルミノアE17
電球/昼白色
7W5,017円5,092円5,205円5,429円5,616円5,878円5,990円6,776円8,572円12,425円
ミニクリプトン
電球:60W
54W539円1,117円1,984円3,968円5,662円7,685円8,802円15,370円30,740円-
ミニクリプトン
電球:40W
35W436円807円1,363円2,727円3,904円5,203円6,010円10,406円20,812円-
電球形
蛍光灯
7W817円890円999円1,218円1,401円1,656円1,766円3,312円5,844円12,724円

※表中の値段は、電球代と電気代をプラスした「維持費」  ※1日の使用時間は8時間と仮定
※白熱電球は8カ月ごと、電球形蛍光灯は2年9 カ月ごと電球代を加算する (切れた電球代の購入費として)
※電気代は1kWh=22円で計算



生活の中心となる全体照明の明かりとして、どちらも魅力的

 どちらも共通するのは、全体照明から手元の明かりとして、家中の多くの場所で使える点だ。電球色は60W形ミニクリプトン電球と取り替えて、実使用ではほとんど気にならない明るさが得られ、しかも光色、演色性ともに満足いくものだった。昼白色はさらに明るく、しかも色味が濁らずにスッキリとした白色のあかりが得られる。また、密閉器具、調光器に対応しており、しかも50,000時間の長寿命と、スペック面でも非常に優れている。

 使い分けとしては、電球色は演色性の良さを活かし、リビングルームや、食卓の真上など、色味が重要で、人が長時間くつろいで過ごす場所に向いている。昼白色も演色性は良好だが、明るさを優先するような場所が良いだろう。具体的には玄関、廊下、洗面所や洗濯場など。自然光に近い昼白色は、色の違いがわかりやすいので、仕事場やダイニングキッチンの全体照明にも向いている。

 マイナス面では、ミニクリプトン電球よりも大きく、調光器で少し暗くなる点が挙げられる。また、肉眼では全く気にならないが、撮影時、カメラを通すとチラツキが確認されたので、動画撮影には向かないだろう。しかし、それらを払拭するだけの明るさと、消費電力の低さ、使い勝手の良さを備えている。AMラジオの側で本製品を点灯しても、受信障害は特に起こらなかった。

 電球色、昼白色とも、60W形ミニクリプトン電球に本格的に取り替えられるLED電球としてお勧めしたい。



ユニティ「Luminoa 小型電球形」はこんなLED電球

-共通する特徴-

・全体照明にも使える明るさがある

・密閉器具、調光器にも対応

・60W形ミニクリプトン電球と交換した場合、1年5カ月で電球代が回収できる
(1日8時間使用)

-電球色-

・60W形ミニクリプトン電球の取り替えも可能。多くの全体照明に使える

・自然な電球色で、高い演色性が得られる。食事のシーンや色味が重要なシーンも

-昼白色-

・実使用では60W形ミニクリプトン電球よりも明るい

・光色は自然。明るさを重視する場所や日中の補助光としても遜色ない




 なおルミノアシリーズには、照らしたい場所を集中的に照らす「ハロゲン電球タイプ」のE11口金LED電球もラインアップされている。こちらもとても明るい上に、調光器にも対応している。いわゆる“ダイクロハロゲン”と呼ばれる電球からの取り替えが現実的なものだ。

 E11口金の器具は一般家庭ではメジャーではないが、いくつか写真を撮ったので、紹介しておこう。LED電球の守備範囲の拡大が実感できる。

E11口金用の「Luminoa E11口金 ハロゲン電球代替タイプ LDR6L-M-E11/D」。電球色相当で、全光束は400lm。定格寿命は50,000時間とこちらも長い。ビーム角は36度の“広角”タイプで、このほか20度の“中角”タイプもある【ダイクロハロゲン 広角35度】
こちらは従来光源。やや暗い印象になってしまった。明るさも中央に偏りがちだ
【ルミノアE11 広角36度】
光のムラが少なく、しかも余計なところには光が漏れていない。ハロゲン電球よりもスッキリした印象になった





2011年12月26日 00:00