家電製品ミニレビュー

上下ルーバーで、スリムながらも自由に送風できるタワーファン

上下ルーバータワーファン

 オーソドックスな形状の扇風機に比べて省スペース性とインテリア性の高さが人気のタワーファン。しかし、一般的な首振りタイプの扇風機に比べると、風向きの自由度が低いものが多い。

 今回紹介する「上下ルーバータワーファン TFL-80」は、左右だけでなく上下にも風向きを変えられるタワーファンだ。

メーカー名アイリスオーヤマ
製品名上下ルーバータワーファン TFL-80 ホワイト
購入場所Amazon.co.jp
購入価格13,715円

 サイズは182×196×881mm(幅×奥行き×高さ)で、ベース部の直径は273mm。タワーファンとしては大きめだが、十分な高さがあるため広範囲に送風できる。なお、はじめはベースと本体が分かれているため、まずベースの前後を連結させた上で、本体と3本のネジで固定する。

 操作ボタンは上部に集中しており、「電源」「風量」「左右首ふり」「切タイマー」「モード切り替え」の5つがある。

上下ルーバーを搭載
操作ボタン

 また、リモコンにも同様に5つの操作ボタンが搭載されている。リモコンの操作距離は、上部の信号受信部に対して約4m以内。電池はボタン電池(CR2026)を使用する。本体背面にはリモコンを収納できるくぼみがあり、リモコンを横向きに差し込んで固定できる。

 表示部は本体上部の前面にあり、「風量表示」「切タイマー時間表示」「おやすみ風/リズム風の切り替え表示」の3つ。

リモコン
リモコンは背面に収納可能
表示部

 この製品の一番の売りである上下ルーバーは、上側と下側各8枚ずつ装備されている。ルーバーは手で動かすことで調節可能。それぞれ別方向に向けられる。

 上・下の角度はかなり自由度が高く、これなら汗だくになって帰ってきて、近くに寄って顔に思い切り風を浴びたいときなども、自分の背丈に合わせて自由に方向を変えられる。

 風量は弱・中・強の3段階で、最大の「強」にするとかなり強力。また、設定した時間が経過したときに自動的に運転を停止する切タイマーも便利で、切タイマー設定ボタンを押すごとに0.5時間→1時間→2時間→4時間→解除と切り替わる。設定後は、時間の経過とともに表示が切り替わり、残り運転時間の目安が表示されるので便利だ。

上下ルーバー
ルーバーを上に向けた状態
ルーバーを下に向けた状態

 また、左右に首ふりさせる場合は「左右首ふり」ボタンを押すと、そのたびに首ふり動作が「入」「切」に切り替わる。この首ふり動作の設定は、タイマー設定時も含めてすべての運転モードに反映される。

 動作音については、このサイズのタワーファンとしては標準的といったところ。「強」にするとそれなりに大きな風切音が発生するが、「弱」ならば個人的にはほとんど気にはならなかった。なお、消費電力(50Hzの場合)は「弱」で20W、「中」で27W、「強」で31W。

首振りが右に向いた状態
首振りが左に向いた状態

 モード切り替えのボタンを押すと、連続風→リズム風→おやすみ風→連続風と3つのモードが順に切り替わる。「リズム風」とは、設定した風量を基準にして風量に変化をつけた風を送るモードだ。自然風に似たマイルドな風で、弱に設定した上でこのモードを使うと、ファンを回していることをいつのまにか忘れてしまうくらい自然で心地いい。強い風が苦手な人は、このモードを使うといいだろう。

 「おやすみ風」は、設定した風量から、時間の経過とともに風量を減少させたリズム風を送るというモードで、最後は弱風の連続風となる。今の季節だと、寝るときに「暑いけど、クーラーを入れるほどではない」という微妙な気温のときがよくあるが、そのようなときに何度かこのモードを使って寝てみたところ、快適に眠りにつくことができた。

 なお、吸込口カバーを取り外す場合はカバーのネジを1つ外し、カバーを下にずらしてから取り外せる。この状態でフィルターを掃除機で掃除するだけで簡単にメンテナンスできる。

背面の吸込口
フィルターを取り外してメンテナンスできる
フィルターを取り外すとファンが見える

 タワーファンというと左右の首振りしかできないイメージが強いが、このTFL-80ならばルーバーが上下に動くため、かなり自由度の高い送風が可能。一般的なリビング扇を使っていた人も、違和感なく乗り換えられると思う。

 もちろん、タワーファンの買い替えを考えている人にもおすすめだ。

片岡 義明