家電製品ミニレビュー
忙しい朝でも約1分で適温のみそ汁を楽しめる「椀ショット 極」
by 中野 信二(2014/3/13 07:00)
今回は、ボタンを1回押すだけで、1杯分のみそ汁を自動で作れる家庭用みそ汁サーバー「椀ショット 極」を紹介する。家庭用や業務用のみそを製造する会社として知られるマルコメが発売した製品だ。今回は自宅で試してみた。
メーカー | マルコメ |
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製品名 | 椀ショット 極 |
希望小売価格 | 9,800円 |
購入場所 | マルコメ通販 |
購入価格 | 9,800円 |
「椀ショット 極」では、調理ボタンを押してから約1分間でみそ汁が1杯分(約150ml)作れる。しかも、みそ汁の本来の風味や香りが感じられる温度とされる、約75℃で抽出する。
使えるみそは専用の「液みそ」だが、「手早く美味しい熟成味噌」や「絶品の味」、さらに3月に発売された「貝だし」など、みそをブレンドしたり、だしにこだわったものが合計で8種類も用意されているのが嬉しいところ。飽きることもなさそうだ。いずれも直販/通販/市販で購入でき、容量は各430g。
具材は、椀ショット専用ですべて直販で購入する。「油あげ・わかめ」「助けて! しじみちゃん」「小腹満たし隊キノコ's」など、ユニークなネーミングのものを含め計6種類で、「ねぎ・わかめ」「油あげ・わかめ」「とうふ・わかめ」の3種類をセットにした「3種アソート」も用意されている。
今回は、椀ショット 極の本体と、専用の液みそ、具材、具材を保管する「具ッドケース」がセットになった「椀ショット 極 スターターキット」を購入した。液みそは、椀ショット専用のだしで溶いた「椀ショットボトル オリジナル」が2本、具材は「油あげ・わかめ」と「とうふ・わかめ」の2つが入っていた。
最初と保管後に椀ショット 極を使う前の準備として、「本体内部をすすぐ」「ボトルアタッチメントを液みそボトルに取り付ける」「ボトルアタッチメントを本体に取り付ける」「水タンクに給水する」の4つの手順を行なう必要がある。ただ、取扱説明書(以下取説)を読めばできると思うので、あとで簡単に説明する。早速、みそ汁を入れてみよう。
調理ボタンを押すだけでちょうど良い塩梅のみそ汁ができあがる
みそ汁の調理はまったく手間がかからない。電源を入れると予熱が始まるので、調理ボタンが緑色に変わるまで待つ。あとは、具材を入れたお椀を目皿に置いて調理ボタンを押すだけだ。これで、お椀一杯分、約150mlのみそ汁が適温でできあがる。
約150mlのみそ汁ができるのは、お湯の量や中身(液みそ)の量を工場出荷時の設定「標準」のままにしているからだ。個人的には標準でちょうど良いが、好みの味に仕上げたい時は、本体上部の調整ボタンを使って、量を調整するといいだろう。調整ボタンは、お湯の量、液みその量ともに、左向きの三角形のボタンと、丸いボタンが備えられている。
三角形のボタンでは、お湯と液みそが出る量を、多め/標準/少なめの3段階で調整できる。お湯の量は、多めで約180ml、標準で約150ml、少なめで約120mlと決まっているが、液みその量はいずれも、お湯の量に合わせて出てくる量が調整される。例えば、お湯の量が標準の約150mlだと、液みそは、多めで約20g、標準で約18g、少なめで約16gが出てくるという具合だ。
丸いボタンは、お湯と液みそを継ぎ足すときに使う。できあがったみそ汁を飲んで、濃いと思ったらお湯足しボタンを長めに押し、薄いと感じたら液みそ足しボタンを長押しする。それぞれ1回で、約25mlのお湯と約2gの液みそを継ぎ足せる。
みそ汁をベースにリゾットや担々麺、茶碗蒸しを作る
いつもは枠役的な存在のみそ汁だが、今回は主役にするべく、作ったみそ汁をベースにして、リゾットや担々麺、茶碗蒸しを作ってみた。いずれも、お湯の量とみその量は少なめだ。
このように、アレンジメニューを作るのも面白い。みそ汁は、椀ショット 極が1分程度で作ってくれるので、あらかじめ何を作るか考えておき、食材を下ごしらえしておくといいだろう。
ボトルアタッチメントは日頃のお手入れが肝心
毎日、美味しいみそ汁を飲めるようにするために、各部品のお手入れはこまめにやりたいところ。特に、液みそを出すボトルアタッチメントは管に液みそが残っているかもしれないので、その日の最後に使ったあと洗っておきたい。なお、40℃以上のお湯や食器洗浄機で洗浄すると、変形や故障の原因になるそうなので注意して欲しい。
ボトルアタッチメントは、液みそボトルから外し、30℃~40℃以下のぬるま湯を入れたボウルの中で洗う。液みそが出る管を上下する部品をつまんで、押したり引いたりして洗う。
すると、細い管の内部に残ったみそが排出されるので、みそが完全に排出されなくなるまで繰り返す。もっときれいにしたいときは、ぬるま湯に食器用洗剤を少量たらして、ボトルアタッチメントをしばらくつけておくといいだろう。
水タンク、目皿、滴受けは、食器用洗剤をつけたスポンジで水洗いすれば良いが、正直、ボトルアタッチメントの管に残ったみそを洗い流すのは大変だ。部品をつまんで管を往復させるのが、思いの外、力を使う。液みそボトルが1本なくなるまで、ボトルアタッチメントをつけたまま冷蔵庫で保管しておくと、お手入れの段階で苦労するかもしれない。
また、しばらく使う予定がなくて本体を保管するときは、本体内部に残った水を排水する。排水処理は、水タンクを外して電源を入れ、目皿にお椀をのせてお湯足しボタンを約2秒押し続けると始まる。
椀ショット 極を使う前に行なう4つの手順
それでは、最初に使うときと久しぶりに使うとき、椀ショット 極を稼働させる前に行なう4つの手順とコツを簡単に説明しよう。もし、取説を読んだだけでは理解できない部分があった人は参考にして欲しい。
1. 本体内部をすすぐ
水タンクに給水して電源を入れると予熱が始まる。約1分後に、調理ボタンの色が緑に変わり予熱が終わるので、器を目皿の上に置いて調理ボタンを押しお湯を排出させて本体内部をすすぐ。これを3回繰り返せばすすぎは終了だ。
なお、台所の作りが、本体から出てくるお湯を直接シンクに流せるようなら、滴受けを取り付けずにそのまま流す方が楽だ。
2. ボトルアタッチメントを液みそボトルに取り付ける
ボトルアタッチメントを取り付ける前に、液みそボトルは良く振ってからフタの中栓を外し、ボトルアタッチメントは2つの固定用アームを広げておく。
ボトルアタッチメントは、液みそボトルのフタの方に、ボトルアタッチメントのキリカキ部(組み合わせるために細長く切り取った溝状の部分)を向けてはめ込む。あとは、液みそボトルのフタをボトルアタッチメントの丸い枠にはめて、固定用アームを短い方から順に閉めるだけだ。固定用アームは、短いアームの外側の出っ張りに、長いアームの内側の突起をひっかけてしっかり固定すること。
液みそボトルのフタが、ボトルアタッチメントの丸い枠にしっかりはまらないことがある。ただ、実際には少し浮いていても、ボトルアタッチメントを本体に取り付けられるので気にしなくて良い。
3、4. ボトルアタッチメントを本体に取り付ける、水タンクに給水する
ボトルアタッチメントは、本体右側の開閉ボタンを押しながらボトルドアを開けて、本体の「←」とボトルアタッチメントの「→」の高さを合わせて取り付ける。
あとは、水タンクに水を入れて本体に装着すれば、みそ汁を作る準備は終了だ。
ボタンを押して1分後に適温のみそ汁が飲める
本体サイズは130×330×270mm(幅×奥行き×高さ)で、コンロとシンクに挟まれた狭い作業スペースに置いたままにするには、奥行きが気になる。本体重量は2.8kgと軽いので、使い終わった後、邪魔にならない場所へ楽に移動させられるが、スペースがあるならリビングやダイニングのテーブルに置いたままにするのが良いだろう。
とにかく、調理ボタンを1回押すだけで、約1分後に適温のみそ汁ができあがるのが嬉しい。やり方を教えれば、子供にもできるだろう。寝坊して遅刻しそうなときでも、起きた時に調理ボタンを押せば、目覚まし代わりの1杯を飲むことができる。1杯のみそ汁が身近になりそうな一品だ。