家電製品ミニレビュー

三洋「リビング扇風機 EF-30THF6」

~“マジックルーバー”で好みの風が選べる扇風機
by 清水 理史

猛暑だからこそ高機能な扇風機を

三洋電機のリビング扇風機「EF-30THF6」。猛暑を乗り切るために、ぜひエアコンと組み合わせて利用したい製品の1つ

 いやはや、夏ってこんなに暑かったんでしょうか?

 個人的には、30℃を超えると相当に暑いイメージがあったのだが、7月を過ぎてからの気温が35℃を超えることも、もはや当たり前。気になって気象庁のWebページで、直近の東京の最高気温を調べてみたところ37.6℃(練馬)となっており、「気温>体温」というのも、さほど珍しいことではないのかと実感させられたところだ。もはや何らかの「猛暑対策」をしないと、健康にも影響が出かねないだろう。

 というわけで、今年の夏、ぜひ使いたいのが扇風機だ。

 夏の空調機器と言えばエアコンが主力であることは間違いないが、こう暑いとエアコンだけで今年の夏を乗り切るのは難しい。エアコンと扇風機、この組み合わせで効率的に部屋を冷やそうというわけだ。

 最近では、エアコンと組み合わせることを考慮した小型のサーキュレーターなども増えてきているが、今回、取り上げる扇風機は、三洋電機の「EF-30THF6」で、いわゆるリビング扇風機と呼ばれる高機能タイプだ。


メーカー三洋電機
製品名リビング扇風機
品番EF-30THF6
希望小売価格オープンプライス
購入店舗楽天市場
購入価格9,980円

 単体でも十分に涼をとることもできるが、エアコンと組み合わせたときの用途の幅が広いため、猛暑対策としていろいろな使い方ができるようになっている。早速、その使い心地をチェックしていこう。

「マジックルーバー」で風をコントロール

 三洋電機の「EF-30THF6」は、そのデザインが、実に涼しげで良い印象の扇風機だ。

 台座から姿勢良くスッと伸びたスタンド、細めでスマートな前面のガード、半透明の羽と、置いてあるだけで、いかにも涼しそうな感じがしてくるが、さらに羽の手前にルーバーが設置されており、いかにも風をコントロールしてくれそうな印象を受ける。

正面側面高さは最大105cmまで伸ばすことができる

 この第2の羽根は「マジックルーバー」と呼ばれ、ガード中央部にあるダイヤルで向きを変えることで、風の強さを調整できる。「EF-30THF6」ならではの特長的な機能だ。

 最近では、エアコンの直風を避けるために吹き出し口前にガードが設置されるケースをよく見かけるが、これと同じように、マジックルーバーを羽と水平方向の「ワイド」にすることで、風を広範囲に広げてよりソフトにしたり、垂直方向の「スポット」にすることで勢いのある風を送ったりと、風の強さを調整できるようになっている。

前面のダイヤルでマジックルーバーの角度を調整可能写真は、ソフトな風になる「ワイド」遠くまで風を届けることができる「スポット」

 もちろん、羽の回転数をソフト/弱/強の三段階に変更することで風の強さを変更することもできるのだが、このルーバーによる調整は、単純な風の強さというより、肌に感じる風の当たり方や部屋全体の風の流れを変更することができるのが特長だ。

 実際、使ってみると、その感覚がよくわかる。ルーバーを水平方向にして風をさえぎるようにすると、風がとてもやわらかく感じられるようになる。直風が体に当たると、肌から体温が奪われるような寒さを感じることがあるが、そういったイヤな感覚がなく、涼しい風につつまれるようなイメージだ。

 一方、ルーバーを垂直方向に立てると、今度はイメージが一変し、肌に風が「当たる」という感覚になる。もちろん、同じ強さの設定でも、明らかに勢いがあり、遠くまで風が届いているのが実感できる。

 このため、風の強さとルーバーの組み合わせによって、いろいろなシーンで「EF-30THF6」を活用することができる。

 たとえば、普段、リビングで使うときはワイドのやわらかい風にしておくのが心地良い。特にエアコンと併用するときは、ワイドにすることで、エアコンの冷たい風がソフトに肌に当たるようになり、効率よく涼むことができる。

ルーバーをスポットにすればサーキュレーター的な使い方も可能。筆者宅では階段の踊り場に熱がたまりやすいため、ここに風を送るとかなり涼しい

 サーキュレーター的に使いたいなら、ルーバーをスポットにすると良い。エアコンの風が届きにくい場所に向けて、EF-30THF6を使えば、効率的にエアコンの風を送り込んだり、部屋の空気を循環させることができる。リビングとつながっている和室にも風を送りたいなどといったときに活用すると便利だろう。

 個人的には、普段はワイド、風呂上がりはスポットという使い方がお気に入りだ。普段は風が直接肌に当たるのは避けたいが、風呂上がりなど体が熱いときは、スポットで肌に強く風を当てることで短時間で涼むことができる。

 もちろん、風の強さを組み合わせることもできるので、3段階の強さと2つの風の感覚の組み合わせで、合計6通りの風を場所やシーンによって楽しむことができるというわけだ。


風の強さは前面のスイッチで3段階に切り替え可能。ルーバーと組み合わせれば多彩な風の種類を選べる付属のリモコンでも操作可。ON/OFFと風量調節、タイマーなどを設定できるシンプルなタイプ


エアコンとの併用に便利な温度センサー運転

台座部分に温度を感知するセンサーを搭載。ここで感知した温度によって、動作モードを自動的に切り替えることができる

 このようなマジックルーバーだけでなく、賢い温度センサー運転ができることも、EF-30THF6がエアコンとの併用に向いている理由の1つだ。

 具体的には、本体の「温度センサー運転」ボタンを押して電源を入れると、温度に合わせて、運転と停止を自動的に繰り返させることができる。設定温度の違いによって低/中/高の3つのモードを選べるが、たとえば「高」なら29度以下で停止、29~32度でソフト運転、32度以上で弱運転で動作させることができる。

 このため、エアコンと併用した場合、エアコンが十分に効いているときは、EF-30THF6を停止させておき、ちょっと温度が上がってきたらソフトや弱運転で部屋の空気を対流させてエアコンをフォロー、再び適温になったら停止と、エアコンの動作に合わせてEF-30THF6を自動的に併用することができる。

 エアコンを利用中、ときどき寒くなってエアコンを止める場合などにも重宝する。エアコンのみだと、停止するとあっという間にまた部屋が暑くなり、結果的に頻繁にオンとオフを繰り返すことがよくある。しかし、EF-30THF6を温度センサー運転で併用すれば、エアコン停止後、少し暑くなってきたタイミングで、ちょうど風が送られてくるため、しばらくはエアコンなしで過ごすことができる。

温度センサーとエアコンを組み合わせると、寝苦しい夜も快適
 寝るときも、就寝前にエアコンを「1時間切」に設定し、EF-30THF6を温度センサー運転にしておけば、エアコンが切れてから、しばらくすると扇風機へと切り替わるという二段階の備えで寝ることができる。

 就寝中も、ルーバーをワイドにして、直風が当たらない向きに調節してけば、やわらかな風で心地よく寝ることもできる。こういった使いやすさというのは、やはり高機能な扇風機ならではのメリットだろう。


消費電力も少なくお得

 実際に使ってみたが、全体的にいえば、ルーバーによる風の調整ができる点、賢い温度センサー運転ができる点など、かなり使いやすい扇風機になっている。

 一般的な扇風機に比べて消費電力も少なく、弱では20W前後、強運転でも30W前後となっている(一般的な扇風機は強で45W前後)。この電力でも、ルーバーをスポットにすれば、強力な風を送ることもできるので、電気代も少なくて済む。まさにエアコンとの併用に最適な扇風機だ。

 この夏を乗り切るためのアイテムとしておすすめしたい製品だ。





2010年7月27日 00:00