家電製品ミニレビュー
パナソニック「ナノケア EH-NA91」
パナソニック「EH-NA91」 |
「ドライヤーは髪に悪い」という時代はどうやら完全に終わったらしい。各社のドライヤーには揃って“イオン”が搭載され「髪の潤いを守る」とか「髪の内部まで水分を浸透させる」といった効果を謳っている。その中でも人気があるのが、今回取り上げるパナソニックの“ナノイー”イオンを搭載したドライヤーだ。
ほぼ毎年のようにリニューアルしているこのシリーズ。今年は髪の水分保持時間を長くするため、放出するイオンを新しくしている。このシリーズの製品を愛用している私としても、新しい機能がどう違うのか気になる――というわけでさっそく新製品「ナノケア EH-NA91」を購入した。
メーカー | パナソニック |
製品名 | ナノケア EH-NA91 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 12,000円 |
EH-NA91が変わった点を説明する前に、そもそもこの製品はどのようなものかということを先にご説明したい。“ナノイー”イオン搭載で髪の潤いを守るってどういうことなのかという話しだ。
ナノイーとは、同社が独自に開発したイオンの一種で、水分に高電圧をかけて作り出すイオン。従来のマイナスイオンに比べて、水分量は約1,000倍、約6倍の長寿命であることが特徴だ。また一般的な水蒸気と比べると大きさが約10億分の1と、小さいため髪や肌に付着しやすいという特性もある。同社ではナノイーイオンを空気中に放出することによって、肌や髪への保湿効果や、消臭、除菌効果などが期待できるとしており、ドライヤー以外にもエアコン、空気清浄機や洗濯機、冷蔵庫など様々な製品に搭載している。
ナノイーについてもっと詳しく知りたいという人は、パナソニックのナノイーについてのページをご参照いただきたい。
話しを戻すと、パナソニックのドライヤーでは、ナノイーを放出することで、髪の水分バランスを整えるといったような効果を謳っているのだ。今回のEH-NA91では、水分保持の効果を長くするために、従来のナノイーイオンに加えて、プラチナマイナスイオンを新たに搭載している点が特徴となる
プラチナマイナスイオンは弱酸性のイオンで、髪の表面に付着しやすい性質があるため、ナノイーイオンで髪の内部まで浸透した水分をより長時間保つ効果があるという。
付属の説明書でもナノイーについて説明されている | イオンの放出は目に見えずわかりにくいため、効果についても詳細に説明されている | ナノイーを使った、独自の使い方も説明されている |
■本体は大きめ
と、一通りナノイーについて説明したところで、次に本体を見ていこう。
本体を見てみると、まずはその大きさに目がいく。サイズは104×211×231mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は580g。イオンが搭載されていないタイプのドライヤーを使っている人には、かなり大きく感じるサイズだ。
本体を手にもったところ | 製品本体 | 本体側面は特徴的な曲線で構成されている |
持ち手部分はナノイー chargeとなっている。これは髪にナノイーが付着しやすいように手から放電するためのもの | 使用時はナノイー chargeを握る。とはいえ、自然に握れる場所に設置されているので特に意識する必要はない | ナノイー放出中は、イオン吹き出し口部分が青く光る |
吹き出し口とは逆側のフィルタ部分 | 付属のセットノズル | 本体の吹き出し口に取り付けて使用する |
外観で次に目がいくのは、吹き出し口の上に搭載されている2つのイオン吹き出し口。プラチナマイナスイオンとナノイーイオンはそれぞれ別の吹き出し口から発生する。
操作については、特に迷うことはない。普通のドライヤー同様に持ち手部分のレバーでTURBO/DRY/SET/OFFを操作する。送風の温度については、その別にレバーが設けられているので、そこでHOT/COLDを選択する。普通のドライヤーと違うのは、さらに本体にナノイー発生のON/OFFスイッチが設けられていることだ。
ナノイーイオンは、髪がしっとりした仕上がりになるため、その仕上がりを避けたいという男性などはここのスイッチをOFFにして使う。
吹き出し口の上に設けられているイオン吹き出し口。右からプラチナマイナスイオン、左からナノイーがそれぞれ噴出される | 持ち手部分の操作レバー | 本体側面のナノイー発生のON/OFFスイッチ |
そのほか、本体には専用の置き台と風の送風口に取り付けて使う専用の「セットノズル」が付属する。
■ボブヘアーなら5分程度でしっかり乾く
使ってみてまず驚いたのが風量の強さ。髪が上に舞い上がるくらいのパワーで、どんどん髪が乾いていく。実は、私が初めてナノイー搭載のドライヤーを使った時は、イオンのしっとり感ゆえなのか、髪が乾くのがやや遅いという印象だった。その点、EH-NA91では、とにかくパワーがスゴイ。特にセットノズルを取り付けると、風が集中されるため、パワーは段違いになる。肩上辺りのボブヘアーの私の場合、5分もかからずに髪がすっかり乾いてしまった。
特に夏場の場合、お風呂上がりのドライヤーは汗だくになりがちだが、風量が強く、短時間で乾かせるため、それほど暑さを感じることなく、サラッと髪を乾かすことができた。
使用している様子 | 風量がかなり強く、髪が舞い上がるほどだ | EH-NA91では、「髪を乾かす」という用途だけでなく「ナノイーで髪に水分を与える」使い方もできる。説明書では「髪の乾燥が終わる前に、頭頂部付近からナノイーの風を当てる」といった使い方も紹介されている |
速乾という特性は女性だけでなく男性も嬉しいものだ | 置き台を利用して収納すれば、場所をわざわざ作る必要がない | また本体を折り曲げれば、マンション造り付けの小さい洗面台でも収納できた |
■湿気、紫外線に強く、夏の髪に効果絶大
さて、肝心の効果はどうだろう。EH-NA91では、プラチナ「ナノイー」搭載による効果として「うねりを抑える」、「UVケア」の2点を挙げている。
まずは髪のうねりについて。これについては、はっきりいって効果絶大だ。この時期は、湿気が高く、特に1年の中でも特にヘアスタイルに気を使う季節だが、今年に限っては髪がうねる、ヘアスタイルが決まらないといった不満は全くといっていいほどなかった。
私の場合、EH-NA91を使い始めてから、ほとんどスタイリング剤を使わなくなったくらいだ。単なるしっとり感だけではなく、髪の“まとまり感”が全然違うのだ。ボブ特有の毛先のハネや、頭頂部の寝癖が改善されただけでなく、さらさら感は保ちつつ、髪全体のまとまり感が出る。
髪を乾かさずに寝た日の翌朝。髪が絡まってヒドイ状態だ | EH-NA91で髪を乾かした日の翌朝。何もしなくても髪がまとまっている。ちなみにこれはブラシもスタイリング剤も使用していない状態だ |
髪の水分を保持できるという意味では、紫外線についても一定の効果を感じている。
実は、先日友人の結婚式で沖縄に出かける機会があった。梅雨明けした沖縄の強い紫外線を浴びて髪は瞬く間にパサパサで、見るからに水分が足りていない状態になってしまった。それが、帰宅してドライヤーをかけたら、あっという間に改善されたのだ。
ホコリの溜まりやすいフィルタ部分は取り外し可能 | 付属のお手入れブラシ | ブラシでフィルタの網目までしっかり掃除できる |
イオン放出口は綿棒でお手入れする | 風の吹き出し口もホコリが溜まったら綿棒を使う |
EH-NA91のスゴイところは、とにかく効果をすぐに実感できるところ。他のドライヤーとの差をすぐに感じられる。1回使い始めると、ほかのドライヤーが使えなくなるというくらいだ。効果を感じられるから使い続けたくなる。
正直、私はめんどくさがり屋の性格ゆえ、髪にあまり気を使うタイプの女性ではなかった。仕事の時は結わえたままだし、美容院に行くのも半年に1回くらい……という有様だった。それがナノイー搭載のドライヤーを使い始めてからは、髪がキレイになっていくのが嬉しくて、髪に自信が持てるようになった。
美容院にマメに行くだとか、トリートメントによるスペシャルケアをするなど、女性の髪をきれいに保つためにはとにかくお金がかかる。EH-NA91が安いとは決していえないが、数分で終わるケアを毎日できる。しかも効果が目に見えてわかると考えると一概に高いとも言えない。疲れているときでも髪が早く乾く、さらに朝のスタイリングの時間も短縮できる。特に働く女性には強くお勧めしたい製品だ。
2009年7月9日 00:00