家電製品ミニレビュー
メリタ「Cremio MJ-121」
~どんなミルクもツノが立つほどフワフワになるミルクフォーマー
by すずまり(2013/1/22 00:00)
ホットミルクからクリーミーな泡まで、温冷いずれも対応
昨年暮れに、「ネスカフェ ドルチェグスト ジュニオ プレミアム」を手に入れた。ドルチェグストは、カプセル式のコーヒーメーカーで「CAPPUCCINO」や「LATTE MACCHIATO」など、あらかじめミルクがセットになったものもあり、カフェの味が簡単に楽しめる。朝のコーヒーに始まり、食後、休憩時間と何度も手が伸びるお気に入りの製品だ。
カプセルにはもちろんシンプルなレギュラーコーヒーもあるが、飲んでいるうちに、これらもアレンジしたくなってきた。となると、冷蔵庫の牛乳の出番だ。もともと自宅で飲むコーヒーといえば、フレンチプレスかドリップ、もしくはインスタントに牛乳を注ぐのが定番。あたためた牛乳を、乾電池式のミルクフォーマーで簡単に泡立てて、コーヒーに注ぎ入れるのである。ただ、泡立てに失敗してこぼしやすいのと、きめの粗さが少々気になっていた。
そこで、どうせならもっと本格的なものを、と探し求めた結果見つけたのが、メリタジャパンのミルクフォーマー「Cremio(クレミオ)」である。ホットミルクが最大約400ml、ミルクフォームが最大約200ml(最低100ml)作れるマシンで、ポット風の本体に泡立て棒のついたふた、電源台、3種類のアタッチメントで構成されている。
メーカー | メリタ |
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製品名 | Cremio MJ-121 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 7,227円 |
操作は簡単で、本体に牛乳を入れてふたをしたら、電源台にセットし、本体についたホット用ボタン、またはコールド用ボタンを押すだけである。牛乳が泡立つと、自動的に運転が停止するが、「リフトスイッチオフ機能」がついているので、本体を電源台から持ち上げても停止できる。
アタッチメントはカプチーノ用、ラテ用、ホットミルク用の3種類があり、泡立て棒の先にとりつけることで、ホットミルク、カプチーノ用ミルクフォーム、ラテ用ミルクフォームを作り分けられる。しかも、本体にはホット用ボタンとコールド用ボタンがあり、温冷どちらでも対応できるのである。
その泡がとにかくクリーミーなのだ。しかも、低脂肪乳や無脂肪乳、豆乳でももっちりとした泡を作り出してくれるので驚かされた。
まずはホットミルク用のアタッチメントをチェック
まずはホットミルクを作ってみよう。本体に冷蔵庫から取り出した冷たいままの牛乳200mlを入れ、ふたについている泡立て棒の先に、ホットミルク用のアタッチメントをとりつける。そのままふたをし、ホット用ボタンを押して待つのだ。
スイッチを入れると中でアタッチメントが回転するのが分かる。ホットミルク用のアタッチメントは小さな羽状なので、泡立つほどではないが、中で温められた牛乳が攪拌される。1分20秒くらいでふたが曇りはじめ、温まってきているのが確認できた。最終的には200mlのホットミルクが約1分50秒でできあがった。
攪拌されるせいか、できたホットミルクには細かい泡が立っており、口当たりが柔らかい。温度は約54℃で、できた直後から口をつけてぐいぐい飲める、まさに適温である。電子レンジで牛乳を温めると70℃近くまで温まるが、息を吹きかけながらそっと口をつけないと、大人でもヤケドしそうな温度だ。それに比べたら、かなり飲みやすい温度といえるだろう。
ラテ用とカプチーノ用のアタッチメントの違いをチェック
ホットミルク用のアタッチメントを使ってみたところで、気になるのはラテ用とカプチーノ用の仕上がりの違いである。まず、カフェラテとカプチーノの違いはというと、エスプレッソに加える泡とミルクの量らしい。カプチーノは泡が多く、ラテはカプチーノより少なめだという。果たしてどの程度違いがでるのか、牛乳を使ってそれぞれ泡立ててみることにした。
まずカプチーノ用のアタッチメントを取り付け、100mlの牛乳を泡立ててみた。約1分30秒程度で、ミルクフォームが完成。泡で倍くらいに増えていて驚かされた。さらに驚いたのはきめの細かさである。カプチーノ用はコイル状のリングがついているせいか細かく、トロリとしているのにしっかりしていて、まさにクリーミー! 全体の2/3以上が泡という仕上がりになった。
続いて、ラテ用だ。泡立て棒に専用のアタッチメントを取り付け、100mlの牛乳を入れて試してみた。すると、こちらも最低ラインの100mlだった牛乳が、倍ほどに増量していた。220ml用のグラスに移したところ、攪拌された牛乳は気泡を感じるものの、もったりとした固さをもっていた。泡の量は全体の半分程度。確かに泡の量で比べると、アタッチメントは、ラテとカプチーノの条件を満たしているようだ。
少々時間は経過してしまったが、ラテ用とカプチーノ用の泡を並べてみたところ、泡やミルクの量、泡の質感などの差がよくわかった。せっかくなのでドルチェグスト ジュニオ プレミアムの「ESPRESSO」を注いでみたところ、ミルク多めのラテはマイルドに、泡多めのカプチーノは濃厚な味になった。見た目もボリュームがあり、ミルク付きのカプセルとはまた違った、手作り感のある味が楽しめる。個人的にはカプチーノ用の泡の感触が非常に気に入った。好きな牛乳を使って、好みの量が作れるというのもうれしいポイントだ。
カプチーノ用のアタッチメントで、低脂肪乳、無脂肪乳、豆乳を試す
低脂肪乳や豆乳も泡立てられるというのが「Cremio」の特徴でもある。普通の市販牛乳の泡立ち具合が分かったところで、100mlの低脂肪乳、無脂肪乳、豆乳がどうなるのかも試してみた。なお、泡立てはカプチーノ用のアタッチメントを使っている。
脂肪分が少ないとあまり泡立たないのではないか、というイメージを持っていたが、見事に裏切られた。低脂肪乳だけでなく、無脂肪乳までもよく泡だってくれるのである。使う牛乳の種類次第で仕上がりは変わるようで、場合によっては無脂肪乳のほうがツノが立つ場合もあるほどだ。
特に驚いたのは、豆乳の泡立ち方である。実は豆乳を泡立てたのは初めてだったのだが、ここまで見事に泡立つものかと感心させられた。試しにドルチェグストの「ESPRESSO」を注いでみたところ、恐ろしいまでに泡がせり上がった。豆乳カプチーノを飲むというより、泡を“食べる”のに忙しいくらいなのだ。
低脂肪乳、無脂肪乳、豆乳、いずれもここまで立派なミルクフォームができるなら、ダイエット中でカロリーが気になる方でも、リッチな気分でコーヒーブレイクできそうだ。
コールドミルクフォームもふんわりできた
最後は、冷えた牛乳だ。アイスで楽しむドリンクというわけで、牛乳の量は200mlに増やし、カプチーノ用のアタッチメントを使ってみた。操作は、スイッチをコールド用ボタンに変えるだけだ。加熱はされず攪拌だけが行なわれるので、ホットほどの泡立ちは無理ではと思ったが、予想を覆す立派な泡ができた。
完成までの所要時間は約2分で、量的にはミルクと泡は1:1ほどだが、飲むには十分すぎるボリュームである。グラスに口をつけると、まるでビールを飲んでいるかのような泡なのだ。これまでのようにエスプレッソやコーヒーとあわせてもいいし、他のドリンクに、生クリームの代わりとして泡だけトッピングしても、見た目に華を添えてくれそうだ。
ただし、泡が消える時間はホットよりも早いようで、時間とともに穴が空いたような状態になった。飲むのは早いほうがいいだろう。
いつものコーヒータイムをリッチに変えてくれるアイテム!
どの結果をみても、「Cremio」の実力は疑いの余地がない。種類を気にすることなく、牛乳を入れるだけで、クリーミーなミルクフォームが得られるというのは便利で、3~4人分のミルクフォームをまとめて作れるところもいい。泡の層が厚く、きめが細かいせいだろうか、スティック型のミルクフォーマーで作った泡より、心なしか保温性が高いような気もしている。
使い終わった本体は、そのまま水を注いで洗える。本体全体を水に漬け込むなど、通電部ごと丸洗いは避けるべきだが、中の水洗いは可能なので安心していただきたい。
外出してカフェにいかずとも、自宅でこれだけのコーヒーが飲めるので、自宅仕事が楽しくなった。調子にのってお菓子コーナーまで用意してしまったため、体重はやや増加傾向にあるが、心は平和である。手軽な材料でおうちカフェをとことん楽しみたい方なら、持っていると便利なアイテムだ。