家電製品ミニレビュー
シャープ「ELM LEDシーリングライト DL-C503V」
シャープ「ELM LEDシーリングライト ラウンドスクエア形 DL-C503V」(~12畳用) |
シーリングライトのLED化が進んでいる。家電量販店の照明売り場に行ってみると、各メーカーのラインナップが勢揃いしており、一体どれを選んでいいか、購入に迷ってしまうほど。電球のLED化とともに、部屋全体を照らすシーリングライトもLEDがあたりまえになりつつある。
今回はその中から、2万円台で買えるシンプルな操作が特徴のLEDシーリングライトを紹介しよう。シャープの「ELM(エルム) LEDシーリングライト ラウンドスクエアタイプ(角型) DL-C503V」だ。
メーカー | シャープ |
製品名 | ELM (エルム) LEDシーリングライト ラウンドスクエアタイプ(角型)~12畳用 |
品番 | DL-C503V |
光色 | 寒色~暖色 |
器具光束 | 5,750lm |
希望小売価格 | オープン |
購入価格 | 29,900円 (yodobashi.com) |
DL-C503Vの特徴を一言で言ってしまうと、「明るいのに、消費電力は極めて低い」。
実はLEDシーリングライトの多くは、最大消費電力が100Wに近いものが多い。従来の蛍光灯シーリングライトよりも明るいのだが、白熱電球からLED電球に取り替えたときのような、飛躍的な省エネは期待できなかった。しかし、12畳向けのDL-C503Vの消費電力は最大でも実測で74Wと、蛍光灯よりも25%以上も低く、しかも十分過ぎるほど明るい。調光すればさらに電気代は抑えられるだろう。
また、操作も簡単。光色、明るさがそれぞれ10段階で調節でき、その組み合わせは100通りにものぼる。しかも、調色・調光のたびに、リモコンの液晶ディスプレイ上に1~10の数字が大きく表示されるため、操作状況が判りやすい。一通り使えば、あとは感覚に頼らずに迷う事なく使いこなせるシンプルな操作性も特徴だ。
今回はこのLEDシーリングライトの実力を探っていこう。
■取り付けは従来のシーリングライトよりも簡単。軽くて扱いやすい
開梱した器具。奥が一体型の本体、手前左より、リモコン、アダプター、センターカバー。他にリモコンホルダーも付属している |
最初に、器具の取り付けから話を始めよう。
器具を最初に手にした時、「軽くて扱いやすいそう」というのが第一印象だった。サイズは550×550×76mm(幅×奥行×高さ)で、重さは約2.5kg。大きさはこれまでの蛍光灯のライトとほとんど変わらないが、今まで取り付けたことのあるLEDシーリングライトの中でも特に軽く、LEDを覆うカバーも本体と一体型で、気楽に扱えた。
取り付けはとても簡単だった。気をつける点は、本体のセンサーを外光が入る窓から一番遠くなるように取り付けるぐらい。天井に引掛シーリング(天井用配線器具)があれば大丈夫。あっという間に設置できるだろう。
取り付け手順を順を追って紹介しよう 【1】天井にある引掛けシーリング用に、付属のアダプターをはめ込む | 【2】アダプターから出ているコネクターを、本体の中央に通しながら、「カチッ」と音がするまで本体を押し上げて取り付ける。センサー部は外光の入る窓とは反対側に向ける | 【3】アダプターから出ているコネクターを、本体のソケットに“カチッ”という音がするまで差し込む |
【4】センターカバーをとりつける | 【5】以上で完成。サイズは550x550x76mm(幅×奥行×高さ)で、重さは約2.5kg。一体型で軽く、扱いやすい。ふんわりと丸く、柔らかなデザインだ |
本製品の設計寿命は40,000時間と長く、LEDを覆うカバーも本体と一体型なので、掃除のための分解や、蛍光灯のように蛍光管の取り替えはない。一度取り付けてしまえば、再び取り外すことはそう無いだろう。
取り付けた様子は、角型ではあるものの、ふんわりと丸いデザインが新鮮だ。LEDシーリングライトは平らでエッジを効かせたシャープなデザインが多い中、本製品の姿は柔らかな印象だ。和室、洋室を問わず、さまざまなインテリアに馴染みやすそうだ。
点灯、消灯、調光、調色など、明かりのコントロールはすべて付属のリモコンで行なう。片手だけで簡単に使いこなせる |
器具の取り付けが終わったところで、リモコンを紹介しよう。灯りのコントロールは、すべてこのリモコンで行なう。
DL-C503Vは、点灯・消灯という基本的な操作に、10段階の調色、10段階の調光という、LEDらしい機能が備わっている。点灯、調光、調色、そして消灯まで、片手に持ったリモコンを、親指だけでパパッと簡単に操作できる。
点灯に関する3つのボタンはリモコン上部に揃っている。調色・調光の4つのボタンは中央に十字形に配置され、消灯ボタンは左下の隅。使う頻度の低いボタンは、主要なボタンの周りに囲むように配置されている。ボタンの総数は14個で少なくはないが、使い始めて間もなく、手元を見ないでも確実に操作ができるようになった。一見すると地味な印象だが、使い勝手は良かった。
■蛍光灯シーリングライトよりも明るく、部屋の隅々まで明るい
取り付けが済んだところで、さっそく点灯してみよう。
まず「全灯」で点灯し、以前使っていた蛍光灯のシーリングライトと明るさと比較した。この時のリモコンの数値は、光色は暖かみのある中間色「5」で、明るさは最大の「10」を指した。
光源から約2mの真下で計測すると、直下の明るさは450lxだった(以降、照度はすべて同じ条件)。以前使っていた蛍光灯のシーリングライトは最大でも300lx弱だったので、部屋全体が大幅に明るくなった感じだ。光は部屋の天井付近から床面の隅々まで行き渡り、部屋全体が明るく気持ちが良い。
「全光」ボタンを押した部屋の様子(この時の光色は中間色)。画面のテーブル上の明るさは450lxあり、部屋全体が隅々まで明るい(光源からの距離は約2m。以降同じ) | こちらは我が家でこれまで使っていた、消費電力が95Wの蛍光灯シーリングライト。テーブル面の明るさは300lx弱だった |
明るい光が部屋全体にしっかり届くのには理由がある。DL-C503Vは、LEDの光がカバーを通してダイレクトに届く“直照方式”を採用している。本体を覆う樹脂製のカバーが光をしっかり拡散させ、直進性の強いLEDの光を部屋の隅々まで行き渡らせる設計になっている。また、本体の外側までせり出したカバーが天井面を直接照らし、天井面からの反射光も生み出している。拡散性の高いカバーなので、光のムラはほとんど浮き上がらない。
本製品は、LEDが下向きに取り付けてある「直照方式」。拡散性の高いカバーで、直進性の強いLEDの光を拡散している(カタログより抜粋) | 器具内部に点在するLEDだが、光の粒状感はまったく見えず、ムラがほとんど気にならない | 拡散カバーは外側にせり出しており、光は天井面へも届いている |
次に明るさと光色を調節してみよう。
前述の通り、明るさは10段階、光色は10色選べるため、100通りの光が選べることになる。数を聞くと調節が難しそうな印象を受けるかもしれないが、調節中はリモコンの液晶ディスプレイ上に具体的に1~10の数値が大きく表示されるのでわかりやすい。
明るさの調節は、リモコンの「暗く」ボタンを押せば暗く、「明るく」を押せば明るくなる。表示される数字は「1」が最も暗く、「10」が最も明るい。一方、光色は「寒色」を押せば青白い昼光色へ、「暖色」なら電球色に変化する。「1」が寒色の100%、「10」が暖色の100%をとなる。ボタンはポンポンと間欠的に押しても、長押しでもどちらでも操作できる。
光色・明るさの組み合わせで一番明るいのが「明るさ10・光色1(寒色)」の時で、直下の明るさは502lxと、眩いほど明るい。反対に一番暗い組み合わせは「明るさ1・光色10(暖色)」で、60lxだった。リビングルームでの過ごし方はさまざまだが、細かな手作業から、明るさを絞ったくつろぎのシーンまで、1台で十分に対応できるだろう。
寒色100%のリモコン番号は「1」。すこし青白く涼しげな昼光色は、勉強や仕事にも適した光色。また日中の補助光にも向く | 中間色はリモコンの「4~7」番あたり。暖かみのある白色は、家族とにぎやかに過ごす団欒の時間にはピッタリだろう | 暖色100%は「10」。電球色に近い光色は、落ち着いたくつろぎの時間を演出する |
100パターンの中から、2段階ずつスキップして明るさと光色を変えたシーンを撮影した。寒色100%(左端)、中間色電球色(中央)、電球色100%(右端)で、光色は10色、明るさは10段階の調節ができる | 点灯後、リモコン中央に十字に配置されたボタンで調光・調色する。調節中はリモコンの液晶ディスプレイ上に1~10の数値が大きく表示される |
また、100通りの組み合わせの中から1つ、「お気に入り」としてリモコンに登録できる。登録方法は簡単。明るさ・光色を調節し、消灯ボタンの上にある「お気に入り登録」ボタンを押すだけ。登録した組み合わせは、リモコン上部の真ん中にある「お気に入り」ボタン一発でいつでも呼び出せるので、メインの過ごし方に合わせた明るさと光色を登録しておくと便利だろう。なお、全灯の光色は、最後に調色した色の最大の明るさで点灯する。
さらにDL-C503Vには、一般的なシーリングライトと同様、常夜灯も備えている。「常夜灯」ボタンを押せば、ほのかな電球色で点灯する。ボタンを押すごとに、"標準→明るめ→暗め→標準……"と明るさが変化する。
調色・調光の組み合わせは100パターンの中から、好きな組み合わせを、リモコンの「お気に入り」ボタンに一つ記憶できる。記憶専用ボタンがあるので、登録は簡単だ | 常夜灯が点灯する様子。常夜灯ボタンを押すごとに"標準→明るめ→暗め→標準…"と明るさが調節できる | 常夜灯を点灯した様子。明るさは標準が0.35lx、明るめが0.70lx、暗めが0.24lxだった |
■従来の蛍光灯の明るさに合わせると、年間で約4,000円の節電効果も
というわけで、さまざまな光色の組み合わせが調節できるDL-C503Vだが、なんと言っても最大の特徴は消費電力の低さだ。
先ほどの「全灯・中間色」の明るさは450lxと、300lxに満たない蛍光灯よりも大幅に明るいのは既に説明したとおり。消費電力をワットチェッカーで計測すると、蛍光灯が97Wだったのに対して、DL-C503Vの消費電力は58W! 蛍光灯の60%程度の電力で、比較にならない程明るいのだ。
全光(10)・中間色(5)の時の明るさは450lx。蛍光灯よりもずっと明るい! | 左の写真時の消費電力は58W。97Wの蛍光灯の60%程度の電力でずっと明るいのだ |
しかし、リビングルームの団欒なら、明るさは200~300lxもあれば十分。450lxではまだまだ明るい。そこで「暗く」ボタンを2回押して、DL-C503Vを蛍光灯と同じ290lx程度に調光(明るさ8・光色5)して計測すると、消費電力はなんと35W! 「全灯」から2段階調光しただけで、20W以上も低くなるのだ。つまり、蛍光灯シーリングライトからDL-C503Vに取り替えて、同じ明るさに調光したなら、消費電力はほぼ1/3に抑えられてしまうのだ。
それぞれの年間の電気代から、どれだけお得になるか試算してみよう。まず、97Wの蛍光灯を毎日8時間点灯した場合、1年間の電気代は約6,231円だ。DL-C503Vの「全灯・中間色」は約3,727円。そして、調光して蛍光灯とほぼ同じ明るさにした電気代は約2,248円だった。適切に調光すれば、年間で4,000円近くも節約できるのだ。
せっかくなので、100通りの光色と明るさの組み合わせを全て測定した。そこから見えてくるのは、1段階明るさを落とすと、消費電力が2割強も節約できることだ。通常使用でも省エネだが、さらにほんの少し明るさを抑えれば、それ以上の大きな節電につなげられるのだ。
光色→ ↓明るさ | 1 (寒色) | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 (暖色) |
1 (明るい) | 502 lx | 493 lx | 488 lx | 470 lx | 450 lx | 430 lx | 418 lx | 402 lx | 380 lx | 376 lx |
74 W | 66 W | 62 W | 60 W | 58 W | 58 W | 58 W | 58 W | 58 W | 60 W | |
2 | 389 lx | 387 lx | 380 lx | 368 lx | 356 lx | 337 lx | 333 lx | 318 lx | 301 lx | 293 lx |
53 W | 49 W | 47 W | 45 W | 44 W | 44 W | 45 W | 45 W | 44 W | 44 W | |
3 | 319 lx | 318 lx | 309 lx | 303 lx | 290 lx | 283 lx | 276 lx | 263 lx | 250 lx | 244 lx |
40 W | 39 W | 36 W | 36 W | 35 W | 36 W | 36 W | 35 W | 35 W | 35 W | |
4 | 258 lx | 254 lx | 251 lx | 239 lx | 243 lx | 236 lx | 227 lx | 216 lx | 207 lx | 202 lx |
30 W | 29 W | 29 W | 28 W | 29 W | 29 W | 29 W | 28 W | 27 W | 27 W | |
5 | 208 lx | 208 lx | 204 lx | 197 lx | 197 lx | 193 lx | 186 lx | 178 lx | 172 lx | 168 lx |
23 W | 23 W | 23 W | 23 W | 23 W | 23 W | 23 W | 22 W | 22 W | 22 W | |
6 | 170 lx | 168 lx | 163 lx | 166 lx | 159 lx | 157 lx | 148 lx | 143 lx | 143 lx | 140 lx |
18 W | 18 W | 18 W | 19 W | 18 W | 18 W | 18 W | 17 W | 17 W | 17 W | |
7 | 138 lx | 135 lx | 137 lx | 135 lx | 131 lx | 125 lx | 118 lx | 118 lx | 114 lx | 111 lx |
15 W | 15 W | 15 W | 15 W | 15 W | 15 W | 14 W | 14 W | 14 W | 14 W | |
8 | 110 lx | 113 lx | 112 lx | 107 lx | 104 lx | 100 lx | 96 lx | 94 lx | 93 lx | 89 lx |
12 W | 12 W | 13 W | 12 W | 12 W | 12 W | 12 W | 11 W | 11 W | 11 W | |
9 | 94 lx | 92 lx | 89 lx | 86 lx | 82 lx | 77 lx | 75 lx | 77 lx | 79 lx | 75 lx |
9 W | 10 W | 10 W | 10 W | 9 W | 9 W | 9 W | 9 W | 9 W | 9 W | |
10(暗い) | 76 lx | 74 lx | 69 lx | 66 lx | 64 lx | 61 lx | 60 lx | 61 lx | 63 lx | 60 lx |
8 W | 7 W | 7 W | 7 W | 7 W | 7 W | 7 W | 7 W | 7 W | 7 W |
全ての組み合わせにおいて、消費電力は軒並み低め。リビングルームに適した明るさ(200~300lx)に
調光すれば、消費電力は蛍光灯の1/3程度で済む
また、消灯時の待機電力は0Wと、ワットチェッカーでは測定できないほど低い。長期の不在以外は、主電源となる壁のスイッチは切らなくてもよさそうだ。また、3つの明るさが選べる常夜灯はいずれも0Wと、こちらも測定できないほど消費電力が低かった。
DL-C503Vの最大の消費電力は、寒色「1」・明るさ「10」の時で、74Wだった(左)。暖色「10」の最大は60W | 明るさを「1」にした時は、どの光色でも7~8Wだった。LED電球1個強程度の消費電力と同じぐらい |
■省エネをサポートする2つのエコ機能
もともと消費電力が低いDL-C503Vだが、さらに省エネを効果的にサポートするエコ機能として、「エコ調光」と「エコセンサー」の2つのを搭載している。順を追って紹介しよう。
自動で省エネする、「エコ調光」と「エコセンサー」の2つのエコ機能(カタログから抜粋) | リモコンには専用のボタンがある。環境登録もリモコンで行なう | 本体のセンターカバーのところにエコセンサーが装備されている |
(1)エコ調光
「エコ調光」は、緩やかに明るさを抑え、自動で省エネしてくれる、人の目の明るさに対する順応特性を利用した機能だ。点灯後に「エコ調光」ボタンを押すと、10分程度の時間をかけて調光する。
「明るさ10・光色7」で点灯し、エコ調光を実行した様子を見てみると、最初は消費電力が58Wだったが、10分後にはエコ調光で45Wと、約25%近くも自動で省エネされた。
明るさは418lxから350lxと、数値上は70lx近く暗くなるが、緩やかに明るさが変化するので、部屋の中でずっと過ごしていれば、あまり気にならない。感覚的には、調光で一段階暗くするよりも、そのちょっと手前で安定する印象だった。
次に、明るさが290lxの「明るさ8・光色5」で試してみる。当初は消費電力が35Wだったが、10分後には29Wと、15%以上の省エネが自動でできた。意識的に手動で調光しなくても、勝手に省エネしてくれるのは便利だ。
エコ調光を機能させた様子(左がエコ調光前、右が後)。10分以上かけて徐々に明るさが落ちてくる。比較しなければほとんど気にならない程度の差だった。一段階調光するよりも暗くならなかった | 全灯からエコ調光を行うと、それだけで25%近くも省エネできる。左はエコ調光前、右はエコ調光を実行して10分後の消費電力 |
(2)エコセンサー
「エコセンサー」は、本体の中央にあるセンサーが、外光や他の照明器具の光を検知して、余分な明るさを自動で抑えてくれるという、もう1つの省エネ機能だ。
エコセンサーを機能させるためには、リモコンで環境登録が必要だ。登録は簡単で、外光が入らない夜間、好みの明るさと光色を調節して点灯する。次に器具から2m離れて、リモコンの「環境登録」ボタンを、先の細い爪楊枝などで押すだけで登録作業は終了する。登録した明るさと光色は、主電源を切っても記憶されており、何度でも再登録ができる。
DL-C503Vを日差しが入りやすい、寝室兼仕事部屋に器具を移し、200lx弱の明るさで環境登録を行ない、日の出前から「エコセンサー」で点灯してみた。
しかし、エコ調光ほど効果は得られなかった。というのも我が家では、日の出前にエコセンサーをスタートした直後、明るさが一気に320lx以上に上がってしまい、日が沈むまでその明るさが続いた。基準である200lxを下回ることがなかったため、エコセンサーによる省エネ効果がよくわからなかった。
寝室兼仕事部屋で、200lx程度の明るさで環境登録をした | エコセンサーを機能させると、すぐに320lx以上の明るさになってしまい、結局、登録した明るさにはならなかった。左:日の出前から12時までの様子。右:午後から日没前までの様子 |
日差しが入り込んでくると、自動で最低の明るさまで調光はしている。しかし、日差しが直接入らなくなると、明るく点灯してしまった |
翌日、もう1度使ってみると、直射日光が部屋に差し込んでいる時は、消費電力が7Wまで絞り込まれ、エコセンサーがしっかり機能しているのが確認できた。しかし、日差しが入れば明かりは必要ないほど明るくなるので、エコセンサーで点けっぱなしにするのはもったいないと感じてしまった。
いろいろ試してわかったのは、全灯から2段階絞った明るさが好み(502~320lx)なら、エコセンサーの効果は期待できる。しかし、普段から抑え目の明るさが好みなら、エコセンサーが活躍するシーンは少ないかもしれない。外光が入って十分に明るいと感じたならば、こまめに消灯、調光するほうが節電になるだろう。
■演色性は良好、タイマーも充実
最後になるが、明るく、自由に調光・調色ができるDL-C503Vは、演色性も良い。どの光色でも色味がくすまずに、食べ物がおいしそうに見える。特に中間色は、色の偏りが少なく、自然な色味が食事のシーン鮮やかに彩る。リビングダイニングやキッチンの全体照明にも大変適しているだろう。
演色性はいずれの光色でも良好だ。色がくすまないので、色味が重要な食事のシーンにも適している。写真は寒色 | 中間色は特に色合いが美しい | 暖色 |
また、タイマー機能も充実している。「おやすみリズム」は、眠る前の光環境を整える自動で調光・消灯(または常夜灯)する機能だ。「おやすみ」ボタンを押すと、明るさを抑えた暖色で点灯し、30分、または60分かけて自動的に徐々に明かりが暗くなっていき、消灯、または常夜灯を点灯してくれる。つい、照明を点けっぱなしで眠ってしまう人には、とても便利な機能だろう。
このほか、30分~1時間刻みに自動で点灯・消灯する、「入タイマー」と「切タイマー」も備わっている。
「おやすみリズム」の様子。30分または1時間かけて自動で徐々に明るさを落としていく。自動調光が終了した後、常夜灯か消灯かが選択できる | リモコンの「おやすみ」ボタンを押すごとに、おやすみリズムのパターンが液晶画面に表示される | 「入・切タイマー」は0.5~10時間までは30分刻み。10時間後から23時間後までは1時間刻みで設定できる |
■省エネを重視する人にお勧めのLEDシーリングライト
DL-C503Vは、大きめの12畳タイプでありながら、LEDシーリングライトの中でも特に消費電力が低く、明るさを全く我慢せずに、大幅に節電ができるのが大いに魅力的だ。外光を検知して明るさを自動で調節するエコセンサーの効果は、イマイチと言わざるを得ないが、蛍光灯のシーリングライトから取り替えるだけで、飛躍的に節電できるのには変わりない。
さらに、明かりの重要な要素である演色性が高い点も見逃せない。色味が大切な食事のシーンにはもちろん、肌色が蛍光灯よりキレイに見えるのもとても良い点だ。しかも、100通りにも及ぶ「調光・調色」は、リモコンの大きな表示を見ながら、簡単に操作できて使い勝手が良い。
また、実売価格は30,000円を切っており、LEDシーリングライトが登場したての頃よりも購入しやすくなった。蛍光灯シーリングより高いのは相変わらずだが、定格寿命は40,000時間と長く、毎日10時間使用しても、10年以上メンテナンスフリーで使い続けられる。細かな話ではあるが、器具から「ジー」という雑音もなければ、AMラジオなどへのノイズの影響もない。
毎日長い時間を過ごすリビングルームだからこそ、シーリングライトは省エネ性能が高い物を選んでおきたい。その点でDL-C503Vは、多くのLEDシーリングライトの中でも、明るさを全く我慢せずに大幅な省エネができて、しかも簡単に操作できる良さがある。省エネの明かりが欲しい方に、是非お勧めしたいLEDシーリングライトだ。
2012年3月14日 00:00