家電製品ミニレビュー

三菱電機「ZITANG(ジタング) RG-FS1」 後編

~レンジや魚焼きなど基本機能も充分!
by 阿部 夏子
三菱電機「ZITANG(ジタング) RG-FS1」

 2回に渡ってお送りしている三菱電機のオーブンレンジ「ZITANG(ジタング) RG-FS1」。後編となる今回では、前回紹介しきれなかったレンジ機能などの基本機能をご紹介する。

 その前に、ZITANGを簡単におさらいしよう。ZITANGはスチームや過熱水蒸気など一部の機能を省略することで、本体の高さを従来の約半分程度にしたオーブンレンジ。名前の通り、時短調理を得意とし、レンジとグリル加熱を組み合わせた「レンジ+グリル」加熱を搭載。本格的なスパニッシュオムレツが約14分でできてしまう。

 「レンジ+グリル」加熱については前編でじっくり紹介しているので、前編をご確認いただきたい。

自動調理でらくらくあたため

 前回は、ZITANGの最大の目玉である「レンジ+グリル」加熱を中心に見てきたが、今回はもっと基本的な常生活で毎日使うあたため機能などを紹介していこう。最近の高級オーブンレンジにはセンサーがいくつも搭載されていて、食材の温度などに合わせて調理時間を自動で調節してくれる。ZITANGもそうだ。

 食材を本体の中に入れると画面には80℃という温度が表示される。これは、目標達成温度となるので、これよりも低い温度で仕上げたいという場合は、温度を調節、80℃で問題なければそのままスタートボタンを押すだけでいい。

 日常生活の中で最も頻繁に使うレンジ機能。時間設定で悩むこともなく、冷凍ご飯もいきなり温められるので、非常に重宝している。なお、電子レンジの出力を設定して、調理時間を自分で入力できる手動モードも備えるので、たとえばレンジで調理するレトルト食品などを加熱するときも安心だ。

扉を閉めると、レンジ画面が表示される。80℃という数字は目標達成温度かちかちに凍った冷凍ご飯をレンジ機能で、いきなり温める。(ごはんの色がピンクがかっているのは黒米を一緒に炊いているため)温め後。中までふっくらと仕上がる

毎日の調理で大活躍

あたため画面から「根菜メニュー」を選ぶ。この日はじゃがいもをポテトサラダにしたいので、仕上がりは一番強い「5」に設定

 もう1つ、我が家で使用頻度が高いレンジ調理といえば、じゃがいもなど根菜の加熱。ZITANGには根菜メニューが設けられているので、「根菜」を選択して、後はスタートボタンを押すだけだ。仕上がりは弱から強まで5段階に設定できる。たとえば、新鮮で生でも食べられるキャベツだったら、弱に設定、ポテトサラダ用のじゃがいもなら強に設定など、用途に合わせて仕上がりを選べるので、とても便利だ。

 ブロッコリーやキャベツなどの葉物野菜からかぼちゃやじゃがいもなどの根菜まで対応するので、温野菜サラダなども簡単に作ることができる。なお、野菜を洗ってサランラップを包んだ状態で加熱をスタートする。

水で洗ったじゃがいもをラップで包み、お皿に載せて庫内にセットする加熱後。中までしっかり熱が入っていた明太子と和えて「タラモサラダ」を作った

 焼き魚を焼く時も、全て自動で加熱できる。使い方は簡単で、たとえば、焼き魚の場合ボタンを押して、「グリル」を選択。後は魚を付属の角皿に載せて中に入れるだけだ。

 グリル調理で魚をこんがり、ジューシーに仕上げてくれるので、ガスコンロの魚焼きグリルは全く使わなくなった。魚焼きグリルに比べて後片付けが簡単なのも、大きな魅力だ。

付属の角皿にアルミホイルを敷き、その上に網を載せて、魚(エボダイ)を焼く本体にセット焼きあがり。ふんわりとジューシーに仕上がった
お弁当の定番。塩サケを焼く焼きあがり。皮目にはこんがりと焼き色もつく角皿にアルミホイルを敷いて焼くので、後片付けが楽に行なえるというのも大きな魅力だ

小さすぎると感じたことはない!

 ご紹介してきたように、使い勝手○、サイズ感○、デザイン○のZITANG。ただ、これからオーブンレンジを買う人にとっては、「サイズが小さすぎないかしら」と不安に思う人もいるかもしれない。家電量販店のオーブンレンジ売り場にZITANGが並んでいたら、かなり小さめに映るだろうし、せっかく買うなら大きめのものを――という気持ちもわかる。

 ただ、実際に使っていて、「やっぱり小さいな」と思ったことは一度もない。我が家で一番大きい耐熱ガラスボウルも、グラタンなら余裕で5人前は作れる大きな耐熱ガラス皿もすっぽり収まってしまった。

グラタンなら余裕で5人前は作れる大きな耐熱ガラス皿すっぽりと収まる我が家で一番大きい耐熱ガラスボウルも問題なく入った
高さ266mmのZITANGなら、棚板450mmのキャビネットにも楽々置ける

 逆に、小さくて嬉しかったことならある。それは、設置場所の問題だ。今回ZITANGを設置したのは、探しまわって気に入って買った木製のキャビネット。デザインや頑丈さが気に入ったのだが、実はこれまでレビューしてきた高級オーブンレンジは全く入らなかった。棚板の高さは450mmで、2段タイプのオーブンレンジを収納するにはスペースが足らなかったのだ。

 高さ266mmのZITANGは楽々収納できて、上にスペースが余ってしまった。お気に入りのキャビネットがようやく活用できたのは、かなり嬉しい出来事だった。

過不足ないベストの1台

 製品の多様化がますます進む中で、白物家電の選択はその人のライフスタイルにも大きく関わってくる。たとえば、先週の夕飯はどんなだったか、毎日の食事の準備時間はどれくらいなのか、いつもどんな食材を使って、どんな調理をしているか――これからオーブンレンジの購入を検討している人は、一度ご自分の食生活やライフスタイルを考え直してみることをお勧めする。

 一部のハイエンドモデルの自動メニューでは、料理の方法や材料を指定するものもあるが、ZITANGのレシピはごく一般的なもので、毎日の生活に自然に馴染むという印象。ほぼ毎日料理をする私だが、ZITANGを導入したから、こうしなきゃ、あれを買わなきゃと感じたことはない。

 一方、ZITANGじゃちょっと物足りないかもしれないといういう人は、家族が5人以上の人あるいは、お菓子作りが趣味な人だろう。ハイエンドのオーブンレンジなら2段あるところ、ZITANGは1段しかないので、その分作れる量は減る。

 また、スチーム加熱がどうしてもゆずれないという人にもZITANGはおすすめできない。ただ、今はスチームケースなど電子レンジで蒸し料理が簡単に楽しめる機器もたくさんあるので、それらをうまく活用するのも1つの手だ。

 3カ月に渡り使い続けきた印象を一言で述べると「過不足ない一台」。ここがもっとこうだったら良いのにと思うところも特になく、逆に、この機能は使いこなせなかったという感想もない。

 斬新な機能や、大型の庫内容量を備えた派手な製品ではないが、求めていた機能をきちんと提供してくれる生活にフィットした一台だ。






2011年11月2日 00:00