もじゃもじゃオヤジのホビー研究所
第3回:“恐怖の水槽”から“萌え人魚”まで自在! 「おえかきすいそう ピクチャリウム」
by 河上 拓(2015/9/9 07:00)
「もじゃもじゃオヤジのホビー研究所」。第3回目となる今回は、自分が描いた魚のイラストをiPhoneのカメラで取り込んで、水槽の中で泳がすことができる「おえかきすいそう ピクチャリウム」を紹介する。
最近、水族館のイベントで登場する「描いた魚のイラストが、大きな水槽に映し出されて泳ぎまわる」アトラクションのような、よくテレビの情報番組などで紹介されているあの遊びを家で楽しめる最新ホビーなのだ!
映像の処理はすべてiPhoneのアプリにまかせることで低価格を実現している。昨年ヒットした、プロジェクションマッピングを楽しめるバンダイの「ハコビジョン」と同じタイプの玩具といえるだろう。「おもちゃ大賞2015」でイノベイティブ・トイ部門優秀賞を受賞したのもうなずける!
メーカー名 | タカラトミーアーツ |
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製品名 | おえかきすいそう ピクチャリウム |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 2,270円 |
ということでおっさん2人で遊んでみた。
まずはiPhone専用のアプリをダウンロードする。残念だがAndroidには未対応だ。
専用の用紙に描いたイラストをアプリでスキャン。スキャンしたイラストを、水槽にななめに差し込まれた透明ボードに投影すると、水槽内をまるで魚が泳いでいるように見えるという仕組み。
さっそくイラストを描いてみる。
「……魚って、どんなんだっけ?」
付属の用紙に魚を描きはじめるとこれが意外に難しい。とまどいながらも数分かけて、ついに魚っぽいなにかが完成!
「……なんだそれ、ウロコすごいな」
「つうかお前の魚、鼻ついてるよ!」
「えっ、鼻なかったっけ?」
スキャンがうまくいかず、恐怖の水槽に!
なつかしの人面魚のような怪魚をさっそく水槽に投入! と、本体にセットしたiPhoneのカメラにかざしてスキャンしようとするのだが、うまくいかない。
仕方ないのでiPhoneを手に持って撮影してみるが、それでもなかなかスキャンできない!
やっとできても、イラストだけをスキャンしたいのに、なぜか枠の線まで一緒に取り込んでしまったり、塗った色が入らず縁だけの透明の魚になったりと失敗を繰り返してしまう。
iPhoneを本体からはずし、説明書の注意書きを読みながらイラストの枠の線を太くするなど試行錯誤を繰り返すうちに、ようやく5回に1回の割合でうまく取り込むことができるようになってきた。
だが一度取り込んだ魚はリセットしないと消せないため、水槽は、四角い枠に入ったまま泳ぐ怪魚や亡霊のような透明な魚が、群で泳ぐモンスターボックスと化してしまった。
で、ようやく画像を取り込んだiPhoneを水槽に再びセット! ついに俺たちの魚が水槽に!
「……なんか、暗くない?」
「でもほら、深海のイメージじゃないの?」
「というかこれ、にごりすぎだよね」
「ある意味リアルだよな」
アプリでバックのイラストを変えることができるので、そちらを変えてみるがどれもモヤがかかったような状態。iPhone上ではきれいにみえているのに……。
「って、これ、フィルムついてるんじゃね?」
悩むこと数分、クリアボードにフィルムが貼ってあることに気づいた。よく見ると説明書にも注意書きが!
フィルムをはずして再度挑戦。
「澄んでるよっ!」
「きれいだな!」
とんでもない魚が泳ぐ水槽を眺めながら歓喜するおっさん2人。写真だと伝わらないが、実際には水槽には奥行きがあり、水槽のなかで魚が泳いでいるように見える。iPhoneをつついたり、クリアボードの前で手を動かすと魚が反応するため、眺めてるうちに本当に生きているみたいに思えてくる。
次々に魚を描いては取り込んでいくのだが、やはり読みとりに失敗することが多く、リセットを何度も繰り返すこととなった。スキャン精度の他にも、アプリ自体の反応の悪さやもっさり感も気になる。このあたりは今後のアップデートに期待したいところだ。
えさ用のおやつカードで突然変異……!?
「しかし、絵を描くのってこんな面白かったっけ?」
大人になると落書きすることはたまにあっても、色まで塗ることってなかなかない。描いてるうちに、いつのまにかお絵かきに夢中になっていた。
「わわっ、ダ、ダイバーが! 魚に食われてるっ!」
「それ、おやつカードに描いてるからだよ!」
『おさかなカード』と『おやつカード』があり、『おやつカード』に描いた食べ物を取り込んで魚たちに食べさせることができる。用紙はなくなっても、オフィシャルサイトからダウンロードが可能だ。
その後も、おやつカードに描いたつもりが、魚の切り身をおさかなカードに描いてしまい泳ぐ切り身が出現してしまった!
アプリには最初から魚や食べ物のイラストが入っているため、自分で絵を描かなくても楽しめる。顔が抜かれた魚のフレームに、iPhoneに入っている写真をはめ込むことも可能。つまり友人や好きなタレントを人面魚化することもできるのだ。
元から入ってる画像に人魚のイラストがあったので泳がせてみた。
「あんま、かわいくないよね」
「俺ならもっとかわいく描ける気がする」
そこからなぜか、人魚や水着美女を描くことに夢中になりはじめるおっさんたち。
「おっ、うまく描けた! 見て見て!」
「じゃあ、第1回ミス水槽はその人魚で!」
ミス水槽に救世主あらわる!
ミスコンを開催して盛り上がっていると、イラストを生業とする知り合いがたまたま家にやってきた。
「なにしてんの?」
「おっ、いいとこに来た。ちょっと絵、描いてみない?」
「は?」
というわけで食べ残しのデリバリーピザを報酬に、プロの絵描きに人魚を描いてもらうことに。
サラサラサラ、サラリサラサラ……。鉛筆でノートに描きはじめるプロ絵描き。入念に下描きをしているようだ。初代ミス水槽に恐れをなしたのか、やけに慎重にみえる。
「ペンってこんなんしかないの?」
「同じ条件で戦わんかいっ!」
「なんでそんなこと言われなきゃいけねえんだよ!」
難癖をつけてくるプロ失格の絵描きを、現ミスを生んだ男がつっぱねる。
下描きが完成すると、おさかなカードに写し描き。というか、そんなにおよび腰じゃ、俺様のミス水槽に勝てねえよ!
「できたよ」
トータル時間5分ほど。下描きしてたわりに早く描けちゃったよ!
さっそく水槽に投入!
「うっそ~! きゃ~、超カワイイ!」
「すっげえぇぇ! きゃわわ~!」
水槽の中をひょこひょこ動く人魚は、萌えイラストに耐性のないおっさん2人が、ついおネェ口調になってしまうほどのかわいさ! ミス水槽の座をあっさり奪取!
当たり前だけど、やっぱプロって絵うまいわ~!