10月13日、14日、富士スピードウェイでe-bikeの大試乗会「E-bike&スポーツバイクパーク」が行なわれた。これは「FIA 世界耐久選手権(WEC)」と同時開催されたもの。6時間の耐久レースということもあり、レースの合間にeバイクの試乗を楽しむ参加者の姿が多く見られた。
試乗会場は、グランドスタンド裏にあるイベント広場と、P11駐車場の奥に設けられた坂道試乗コース。
富士スピードウェイイベント広場に設けられた自転車メーカーなどのブース イベント広場に設けられたオーバル試乗コース。何度でも何台でも乗ることが可能で、e-bike以外に普通のロードバイクやマウンテンバイクの試乗車もある イベント広場から少し離れたところにある坂道試乗コース こちらもにMTBタイプのe-bike試乗車が用意されていた 坂道でe-bikeの本領を試す。特徴ある各社の乗り味を乗り比べられる貴重なチャンス 立ちこぎしなくてもアシストのおかげでスイスイ上れ、サスペンションのおかげで下りも楽しい ブース出展は、corratec(コラテック)、シマノ、Seraph(セラフ)、Tern(ターン)、TSINOVA(チノーバ)、BESV(ベスビー)、Benelli(ベネリ)、MERIDA(メリダ)、ヤマハと、ツール・ド・フランス さいたまクリテリウムをアピールするさいたま市。このうち、シマノを除く7ブースがe-bikeの試乗車を用意しており、各社のe-bikeを一気に乗り比べる好機となった。MTBタイプやロードバイクタイプだけでなく、折りたたみ自転車タイプも多くあり、発売前の製品に触れることもできるなど貴重な機会となっていた。
イベント広場に設けられたオーバルコースでは、とても多くの来場者が試乗を楽しんでいた。残念ながら坂道試乗コースの方は、少し離れた場所だったこともあってあまり参加者がいなかったものの、e-bike自体に初めて乗った人がまだまだ多いため、参加者からは、そのパワフルな走りに「予想以上!」と驚きの声が聞かれた。
筆者自身も試乗してみたが、スポーツバイクとしては重い車重も、電動アシストのおかげでその重さはまったく感じない。試しにパワーオフにして走ってみても、モーターが空転するような負荷がなく、ギヤも多いので、一般的な自転車よりも快適に走れてしまう。加速するときや坂道ではアシストが生きて、それ以外ではスポーツ自転車としてのベースの良さが生きるのがe-bikeの魅力だと感じた。
11月4日に開催される「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」をPRする、さいたま市のブース シマノのブースでは同社の電動ドライブユニット「SHIMANO STEPS」が展示されていた ヤマハのブースには同社のe-bike、YPJシリーズがズラリ。MTBタイプやロードタイプなど、異なるスタイルのe-bikeを乗り比べることができた ミヤタのブースは同社が扱うメリダブランドのe-bike「eBIG SEVEN」やミヤタ「リッジランナー」などの試乗車を用意。また、e-bike以外にもカーボンフレームのロードバイクなどの試乗車が用意されていた イタリアのブランド「ベネリ」。実はオートバイのメーカーなのだとか 11月末に発売予定の折りたたみタイプの新型e-bike「MINI FOLD 16」 折りたたみ方が特徴的。シートステーの付け根のロックを外し、チェーンステーの付け根を軸に回転させると折りたためる シートポストを抜いて、ハンドルも折りたたんだ状態。小さな車輪があるため、たたんだ状態で自立する上、転がすことも可能 MTBタイプのe-bikeも二車種。手前がトレイルを楽しむための「TAGETE27.5(タジェーテ 27.5)」、奥がセミファットタイヤを履かせた「NERONE27.5+(ネロ 27.5+)」 小径自転車や折りたたみ自転車が人気のTernでは、折りたたみタイプのe-bike「Vektron S10」を用意 太めのタイヤを履いているので、小径でも乗り心地がいいのが特徴 TSINOVAが出していたのは、自社開発のアシストシステムを用いた小径タイプの「TS01」 どちらもベルトドライブを採用。特に折りたたみ自転車を持ち運ぶとき、油で汚れないのは便利 Bluetoothでスマホと通信も可能。またライト部分にUSBポートがあって、スマホに給電することもできる バッテリーユニットを内蔵させることでスマートなデザインが特徴のBESV ロードバイクタイプの「JR1」。ドライブユニットはオリジナルで、後輪軸上に搭載することでロードバイクらしいジオメトリーを実現している クロスバイクタイプの「JF1」。「JR1」と同様オリジナルのドライブユニット どちらもバッテリーはフレーム内蔵型ですっきりとしたデザインが魅力 MTBタイプの「TRS1」。ドライブユニットはシマノSTEPSを採用 カーボン製フレームを採用。バッテリーに沿うデザインとすることで内装型ではないが一体感がある ミズタニ自転車のオリジナルブランド「セラフ」のe-bike「E-01S」 フレームはアルミだが、フロントフォークはカーボン製とすることで軽量化と乗り心地を向上 サドルはSelle SMP、タイヤはコンチネンタルと同社が扱う一流ブランドのパーツが随所におごられる ドイツのブランド「コラテック」の「E-POWER X VERT 650B」 ドライブユニットはボッシュのActive Line Plus 街乗りを踏まえて標準ではスリックタイヤを履いているが、MTBタイヤを履かせればオフロード走行も可能 同じくボッシュのドライブユニットを使ったクロスバイクタイプの「E-POWER SHAPE」。ライトやフェンダー、キャリアも装備した実用性の高いモデル 富士スピードウェイ自体がとても広いうえ、駐車場が離れた場所だったこともあって、徒歩で移動するだけでも結構疲れた。実際慣れた来場者は折りたたみ自転車を持参していたが、結構坂道も多いので折りたたみタイプのe-bikeがあれば、こうしたレース観戦の場でもとても活躍することだろう。
こうしたe-bikeの試乗会は、大小様々なものが各地で行われている。近いところだと、11月3日、4日に伊豆で「第二回伊豆E-BIKEフェスティバル」が開催される(関連記事参照)。他にも各社が試乗会を開催しているので、ぜひチェックして一度体験してみてはいかがだろうか?
今回試乗会が行われた富士スピードウェイは東京オリンピックのロードレースのゴール地点、同パラリンピックではスタート/ゴール地点となる