【クリスマスおもちゃ見本市 2012】
iPhoneに対応した新「ファービー」や、スマートにご飯を食べられるアイテムが登場

 東京玩具人形協同組合主催の「クリスマスおもちゃ見本市2012」が、9月5日、6日の2日間、東京都立産業貿易センター台東館にて開催された。

 国内最大の業者向け玩具見本市で、玩具の最大需要期であるクリスマス商戦に向けたおもちゃが展示され、玩具業界にとってクリスマス商戦の本格的スタートとなるイベントとして位置づけられている。

 会場では、クリスマス商戦向けのおもちゃ約1万点が展示されていたが、家電Watchではその中から、本誌読者に興味がありそうな製品や会場で注目を集めていた製品を中心に紹介する。

クリスマスおもちゃ見本市が毎年開催されている東京都立産業貿易センター台東館

13年ぶりに登場! 大きく進化したコミュニケーション・トイ「ファービー」

タカラトミーから10月20日に発売予定の新「ファービー」。希望小売価格は7,140円

 タカラトミーおよびタカラトミーアーツのブースでは、さまざまな新製品が展示されていたが、その中でも来場者の注目を集めていた製品が、ペットロボット「ファービー」だ。10月20日に発売予定で、希望小売価格は7,140円。

 ファービーと聞いて、懐かしいと感じる読者もいるだろう。初代ファービーは、アメリカのTiger Electronics社が1998年に開発し、日本でも1999年にトミーから発売された。初代ファービーは、日本で約330万個、世界では約4,000万個も販売された大ヒット商品だが、そのファービーが13年ぶりに復活したのだ。

 新ファービーは、初代ファービーに比べてサイズが一回り大きくなり、機能も大きく強化されている。初代はまぶたを開いたり閉じたりするが、目は印刷されたもので、表情に乏しかった。しかし、新ファービーは、目が液晶になり、豊かな表情を見せてくれる。また、初代よりも耳や身体の動きもダイナミックになったほか、しゃべる言葉も増えている。

さまざまな色の新ファービーたち新ファービーは全10色のラインナップがある新ファービーは、1999年に日本で発売された初代ファービー(左)よりも一回り大きい

新ファービーの動作の様子。目が液晶になり、表情が豊かになった
新ファービーは、iPad/iPhoneとの連携機能を備えている。これは、iPad/iPhone用アプリのメニュー画面

 さまざまな性格を持ち、コミュニケーションによって性格が変わるのは、初代ファービーと同じだが、新ファービーでは、新たにiPad/iPhoneとの連携機能が追加されたこともウリだ。

 iPad/iPhone用アプリは、App Storeからダウンロードすることで利用でき、アプリにはファービーに食べ物を食べさせたり、ファービー語を英語に翻訳する機能が用意されている。もちろん、iPadやiPhoneを持っていなくても十分遊べるのだが、持っていた方が、さらにプラスアルファの遊びが楽しめる。カラーは全10色と豊富に用意されており、自分の好みのカラーを選べるのも嬉しい。


初代ファービー(左)との動作比較。目が液晶になっただけでなく、耳などの動きもよりダイナミックになっている食べ物を選んでファービーに食べさせることが可能。紙やパンツなどユニークな食べ物もある

食べ物をファービーに向けてスライドさせることで、ファービーに食べさせることができる。通信にはサウンドを利用iPad/iPhone用アプリにはファービー語を英語に翻訳する辞典機能も用意されている


おにぎりはもう古い! ごはんをスマートに食べる「スマート飯」

手前のオレンジ色と紺色の筒が、タカラトミーアーツから9月13日に発売予定の「スマート飯」。ハンドルを回すと中に入れたご飯がせり出してくるようになっており、片手で“スマート”にご飯を食べられる

 タカラトミーアーツ、9月13日に発売予定の「スマート飯」(希望小売価格840円)も面白い。

 スマート飯は、一見ただの筒だが、中にご飯を入れて下のハンドルを回すと、ご飯がせり出してくる仕組みになっており、片手で手を汚さずにスマートにご飯を食べられるというアイテムだ。ちょうど、口紅やスティックのりと同じ仕組みだが、スマートフォンとかけたネーミングといい、ふりかけなどのおかずを入れられるシークレットキャップの装備といい、遊び心あふれるタカラトミーアーツらしい製品だ。

 担当者に、ごはんが円筒ケースの内側にくっついてしまって、きれいに出てこないのでは? と尋ねたところ、「内側はご飯がくっつかないように、凹凸が設けられているので大丈夫です」という答えが返ってきた。ごはんがくっつかないしゃもじと同じような表面形状になっていると思われる。

 なお、9月13日に発売されるスマート飯は、オレンジとダークブルーの2色だが、11月にはドラえもんバージョンが、12月にはハローキティバージョンが発売予定。ドラえもんバージョンとキティバージョンは、ご飯の盛りつけに便利なミニしゃもじが付属し、希望小売価格は924円となる。見た目もかわいらしいので、子どもの遠足などに持たせてあげても喜ばれそうだ。

スマート飯の使い方。シークレットキャップにふりかけなどのおかずを入れることも可能。また、スマート飯同士を横に連結することもできるスマート飯のドラえもんバージョンが11月に、キティバージョンが12月に発売予定。ドラえもんバージョンとキティバージョンは、ごはんの盛りつけに便利なミニしゃもじが付属する

 また、おかしなシリーズの新製品「おかしなポッキー くるくるデコパーティ」(12月発売予定、希望小売価格1,890円)と「おかしなつけチョコ LET'S DIP PARTY」(11月発売予定、希望小売価格2,100円)も展示されていた。前者は、ポッキーをくるくる回して、チョコペンなどでデコレーションするための製品で、後者は、板チョコを砕いて溶かし、果物などを溶けたチョコにつけて食べる、チョコレートフォンデュを気軽に楽しめる製品だ。

おかしなシリーズの新製品「おかしなポッキー くるくるデコパーティー」。ポッキーをくるくる回してデコレーションできる。12月発売予定、希望小売価格1,890円こちらもおかしなシリーズの新製品「おかしなつけチョコ LET'S DIP PARTY」。板チョコを砕いて溶かし、簡単につけチョコパーティを楽しめる。11月発売予定、希望小売価格2,100円おかしなつけチョコの使い方。砕くときにナッツやスナックを混ぜることができる


抱いて寝ることで、眠りに誘導してくれるぬいぐるみ

 タカラトミーアーツのブースには、10月発売予定の「ハグ&ドリーム ミニーマウス」(希望小売価格5,229円)も展示されていた。

 一見ただのぬいぐるみだが、お腹が5秒に1回のペースでゆっくり上下に動き、まるで腹式呼吸をしているような動作をする。このぬいぐるみをお腹に抱きかかえて寝ることで、自分の呼吸のリズムがゆっくりになっていき、眠りに誘導してくれる。仕組みは単純だが、本製品は、脳・呼吸生理学の権威である昭和大学の本間教授が監修しており、その効果はお墨付き。ストレスなどで夜なかなか寝付けないという人は、本製品を試してみてはいかがだろうか。

タカラトミーアーツから10月発売予定の「ハグ&ドリーム ミニーマウス」。抱いて寝ることで、眠りに誘導してくれる。希望小売価格は5,229円姉妹品として、幼児向けの「おやすみグーグーフレンズ くまのプーさん」が発売されている。希望小売価格は5,229円
ハグ&ドリーム ミニーマウスの中身。このプラスチックパーツが5秒に1度上下に動くことで、ぬいぐるみのお腹が上下に動き、呼吸しているような感じを抱かせるハグ&ドリーム ミニーマウスはこのように、お腹に抱きかかえて寝ることで、ゆったりとした呼吸を誘い、眠りに誘導してくれるという


現在版笑い袋? お口のチャックを開くと笑い出すぬいぐるみ

 タカラトミーから11月に発売予定の「チャックック」は、お口のチャックを開くと、笑ったりしゃべったりする小さなぬいぐるみだ。希望小売価格2,499円。

タカラトミーから11月に発売予定の「チャックック」。お口のチャックを開くたびに、笑ったりしゃべったりする。ウサチャックやゾウチャック、クマチャックなど全部で6種類が用意されている。希望小売価格2,499円チャックックの頭には輪っかがついているので、ストラップを使ってベビーカーやバッグなどにつけられる

 ウサギやゾウ、クマなど、動物をモチーフにしたデザインで、全部で6種類用意されている。お口のチャックの開き方で、笑い声が変わり、大きく開けるほど大笑いになる。また、チャックを開け閉めすることで、ランダムでモードが変わり、ドレミ音が出るモードも用意されている。

 昔あった、袋を押すと中から笑い声が聞こえる「笑い袋」の現代版といった感じの製品だが、外観が可愛いので、子どもや若い女性に受けそうだ。

全開にすると大笑い、真ん中まで開けると中笑いというように、チャックの開け方で、笑い声が変わるドレミ音が出るモードもあり、ランダムで移行する

スターウォーズの「R2-D2」型や、プロジェクター機能を搭載した新ホームスター

 セガトイズのブースでは、家庭用プラネタリウム「ホームスター」シリーズの新製品が展示されていた。

セガトイズが展示していたスターウォーズ仕様のホームスター。左から2013年3月発売予定の「ホームスター ダース・ベイダー(仮)」(希望小売価格6,300円)、2012年9月発売予定の「ホームスター R2-D2 EX」(希望小売価格20,790円)、発売中の「ホームスター R2-D2」(希望小売価格6,825円)である

 9月に発売が予定されているのが、希望小売価格20,790円の「ホームスター R2-D2 EX」。スターウォーズに出てくるロボットR2-D2をモチーフにしたプラネタリウムだ。同社ではR2-D2型の「ホームスター R2-D2」をすでに発売しているが、今回はその上位機種として9月に発売が予定されている。

 ホームスター R2-D2 EXは、従来のホームスター R2-D2に比べて、ボディが大きく、腕や頭が電動で動く機能を備えているほか、星空投影機能とは別に、内蔵されているレイア姫などの写真を投影する機能も備えている。

 また、ダース・ベイダーの頭部をモチーフにした「ホームスター ダース・ベイダー(仮)」も2013年3月に発売予定。星空とともにダース・ベイダー専用のタイファイター(映画に登場する宇宙戦闘機)が投影される仕様になっている。希望小売価格は6,300円。


ホームスター R2-2D EXでは、星空投影機能の他に、レイア姫などの写真を投影する機能も備えている展示されていた「ホームスター ダース・ベイダー(仮)」は、未塗装のモックであり、色はもちろん、デザインも変わる可能性があるとのこと

上位機種となるホームスター R2-D2 EXは、腕や頭が電動で動く機能も備えている

 さらに、次世代ホームスターとして位置づけられる新製品「earth theater(アースシアター)」も展示されていた。11月発売予定で、希望小売価格は36,750円

 earth theaterは、従来からある光学式の星空投影機能に加えて、SDカード内の映像を投影するデジタルプロジェクタ機能が追加されており、星空に映像を組み合わせて表示することで、星空の世界をよりドラマチックに演出できることが特徴だ。

 サウンド機能も備えており、付属のSDカードに収録されているコンテンツのナレーターには、有名声優の水樹奈々さんが起用されている。

11月に発売予定の「earth theater」。希望小売価格は36,750円。次世代ホームスターとして位置づけられる製品で、光学式の星空投影機能に加え、SDカード内の映像を投影するデジタルプロジェクタ機能やサウンド機能も備えているearth theaterの付属ソフトのナレーターには、人気声優の水樹奈々さんが起用されている


iPad/iPhoneと連携して遊ぶおもちゃにも注目

 昨年あたりから、iPad/iPhoneと連携して遊ぶおもちゃや知育玩具が増えてきており、今回のクリスマスおもちゃ見本市でも、そうした製品がいくつか展示されていた。

 タカラトミーアーツから11月29日発売予定の「夜空におえかきマルチペンライト」は、カメラで長時間露出を行ない、花火や懐中電灯など光る物体を動かすと、その軌跡が写真に写るという現象を利用して、空中に絵を描くための製品だ。希望小売価格は2,520円。

 いわゆるペンライトアートなどと呼ばれるものだが、夜空におえかきマルチペンライトでは、iPad/iPhone用の専用アプリが用意され、撮影した画像をメールに添付したり、SNSに投稿することも簡単にできるようになっている。マルチペンライトの発光色は27色から選べ、2色が交互に点灯したり、グラデーションで光るモードも用意されている。年齢を問わず、楽しめそうな製品だ。

タカラトミーアーツから11月29日発売予定の「夜空におえかきマルチペンライト」(希望小売2,520円)。オレンジとブルーの2色があるiPad/iPhone用アプリを利用して、カラフルなペンライトアートが気軽に楽しめる

 ジョイパレットから2012年秋発売予定の「デジタル知育Peepit Card どうぶつ」も面白い。デジタル知育Peepit Card どうぶつには、30枚のどうぶつ知育カードがセットになっており、iPad/iPhoneの画面に表示された動物と同じ動物カードを選び、そのカードで画面をタッチするという知育カード遊びができる。カードの認識は、GOCCOが開発した「PITシステム」を採用しているとのことだ。詳細は未公開だが、おそらく、カードの裏面に目では見えない導電体部分と絶縁体の部分があり、その導電体のパターンを変えることで、カードの識別を行なっているのだと思われる。

ジョイパレットから2012年秋発売予定の「デジタル知育Peepit Card どうぶつ」は、「カードあそび+iPad」シリーズの第1弾となる。予価2,480円セットには30枚のカードが付属する。アプリは、AppStoreからダウンロードする

画面に表示された動物と同じ動物カードを選んで、そのカードで画面をタッチする表示された動物と違う動物カードで画面をタッチすると「ざんねん!」と表示される


お風呂で遊べる「バスゲー」シリーズ

 パイロットインキのブースでは、お風呂で遊べるバストイの新シリーズ「バスゲー」を展示していた。

 バスゲーは、「浴育」をテーマに、お風呂で親子のコミュニケーションを深めるための玩具であり、「おふろDEリバーシ」「おふろDEはさみ将棋」「おふろDEアヒル隊長バランスゲーム」「おふろDEガンマン」の4製品が発売されている。リバーシやはさみ将棋の盤は水で濡らすことで、壁面のタイルに貼り付くようになっているほか、短時間で勝負がつくように、マス目の数も減らされている。お風呂が嫌いな子どもも、バスゲーがあれば、喜んでお風呂に入ってくれそうだ。

パイロットインキの「バスゲー」シリーズ。「浴育」をテーマに、お風呂で親子のコミュニケーションを深めるための玩具だおふろDEリバーシは、いわゆるオセロゲームだが、盤のマス目が6×6なので(通常は8×8)、短時間で勝負がつく。希望小売価格997円おふろDEリバーシは、壁面のタイルに盤を貼り付けて遊べる
おふろDEはさみ将棋は、5×5のマス目でプレイするはさみ将棋だ。希望小売価格997円いくつかのルールではさみ将棋をプレイできる
おふろDEアヒル隊長バランスゲームは、お風呂に浮かべた台座の上にアヒル隊長を積み上げるゲームだ。希望小売価格は1,659円波で台座が揺れるのでなかなか難しそうだ
おふろDEガンマン(希望小売価格1,659円)は、水鉄砲で水をかけあい、相手のガンマンの口に早く水を入れる対戦ゲームだ口に水が入ると、ガンマンの人形が倒れる仕組みになっている





(石井 英男)

2012年9月13日 00:00