やじうまミニレビュー

サンスター文具「スタンド付ルーペ PRO 100mm」

~自立して、両手で作業できる大型ルーペ
by 伊達 浩二


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


小さい文字や細かい作業にルーペを

サンスター文具「スタンド付ルーペ PRO 100mm」

 私は、10歳の時から近視と乱視でメガネをかけているが、最近はこれに老眼が加わった。

 老眼とは簡単に言うと、老化に伴って眼球の距離調整機能が衰えて、近い距離のピントが合いにくくなることだ。昔は自分の親も、新聞が読みにくいとか、爪が切りにくいとか言っていたが、実際自分の身になってみると、その不便さは予想以上で、読書も不便だが、ネジ止めなどの細かな作業も、視覚より勘や触感に頼ることが増えた。

 こういう細かい作業や、本当に小さい文字を読むときは、ルーペの方が便利なこともある。度を弱めた近接作業専用のメガネも作ったが、掛け替えが面倒だったりするからだ。

 そこで今回はサンスター文具の「スタンド付ルーペ PRO 100mm」(以下、スタンド付ルーペ)を紹介しよう。

 


メーカーサンスター文具
製品名スタンド付ルーペ PRO 100mm
希望小売価格1,890円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格1,623円

 

スタンド型に変形する便利さ

 スタンド付ルーペのパッケージはごく簡単なもので、取り扱いの説明は台紙に書かれている。本体サイズは126×223×15mm(幅×奥行き×高さ)でそこそこ大きく、易者が人相見に使う天眼鏡ぐらいのサイズだ。重量は125g。レンズも本体も樹脂製なので、大きいが重くはない。スタンド部分はプラスチック製だ。

パッケージはごく簡単なもの台紙の裏面用途と使用方法が書かれている
レンズの直径が大きいのが、この製品の特徴だ取っ手の部分に穴が開いており、ヒモなどが通せる本体全景

 スタンド付ルーペという名前を見ると、ルーペ本体があって、それを支持するスタンドが付属する製品のように思うかもしれない。しかし、この製品は、スタンドを内蔵していて、普通のルーペの形からスタンド型に変形する。全部一体型なので、持ち運びに便利で、いつでも立てることができるのだ。

 この製品の、もう1つの特徴はルーペの直径が大きいことだ。レンズの直径が100mm、つまり10cmあるので、両目で覗き込みやすい。直径の小さいルーペは片目をつぶって使うイメージだが、この製品は、両目で普通に見る使い方が合っている。レンズの焦点距離は250mmで、倍率は2倍。仕様を欲張っていないぶん、周辺の湾曲が少な文庫本だと1ページ分が視野に入る。

レンズの直径が10cmあるので、本体は大きい。手相見が使っていても似合いそうな印象だボールペンと並べたところ。さすがに常時持ち歩くには大きい手前に置いたカードサイズの引き出し式ルーペと比べると大きさがわかる

 スタンド機能を使って立てると、両目と両手が自由に使えるので、疲れにくく作業がしやすい。メガネのフレームなどの細かいネジを止めるときなどに、とても便利だ。

スタンドの幅はちょうど文庫本ほどだ視野も文庫本1ページがほとんど入る
両手が使えるので、こういう作業にはとても便利だオモチャも細かいところまで見えて面白い

 スタンドを起こしたり畳むのは簡単だ。両手で、台座の部分とレンズの枠を持てば開閉する。

畳んだ状態スタンドを起こしレンズの角度を調整する
後ろから見た状態使う側から見るスタンドの下半分はこの角度以上に曲がらない。もうちょっとまっすぐに起きても良かったと思う

 こういうスタントタイプのルーペは、蛍光灯やLEDなどの照明を内蔵したものが多いのだが、この製品のように照明は内蔵していなくても、周囲の照明を工夫すれば、そんなに不便は感じなかった。

 ちょっと惜しいのは、スタンドの角度が決まっていて、レンズと台座との間の距離が20cmほどしか取れないこと。視野にスタンドが入らないようにと考えてのことだと思うが、そこはユーザー任せにして、支柱が直角になるように自由度を高めても良かったと思う。

 なお、レンズはアクリル製でホコリを呼びやすいため、手入れは傷を付けないように、柔らかい布などで拭くと良い。

 このほか、本体の取っ手の部分には、ヒモを通すための穴も開いている。このレンズを首から提げてアウトドアで使うこともできる。この製品の軽さという長所が生きる用途だろう。たしかに、小さな花などを拡大して見るのは、ルーペならではの楽しみだ。また、この穴は、机の回りにぶら下げておく場合にも使えるだろう。

いつもと違うもう一つの目

 スタンド付ルーペは、レンズの取っ手の部分がスタンドに変形するというアイデア商品で、実用性は高い。今回選んだレンズの大きさが100mmのタイプは、持ち運びよりも、机の回りで使うときの使い勝手を重視したバリエーションだった。レンズが大きく、倍率を欲張っていないので、読書に向いている。また、スタンドで自立しているので、両手が使えるため、小さいネジを止めるなどの作業には最適だ。

 100mmのほかに、「50/65/75/90mm」とサイズを取り揃えているので、用途に応じて選べば良い。アウトドア用途には、小さめのタイプが向いているだろう。

 残念なのは、Webの製品情報ページが整備されておらず、製品の選択をするには情報が足りないことだ。もう少し、Webの情報を充実させて欲しい。

 私は、老眼対策グッズとして導入したが、草花や電子部品、動物の顔や爪先など、ルーペで見ると、改めてその面白さに感心することが多い。ルーペは、実用性だけではなく、普段は気がつかないものを見せてくれる、もう一つの目という役割も持っているのだ。

 そういう楽しさの発見も含めて、身の回りにルーペを1つ備えておくのは良いことだと思う。このスタンド付ルーペは、実用性も高く、価格もほどほどなので、最初の1台として推薦できる。

ルーペを通してみると、拡大されることと、背景がボケる効果とで、いつもの白菊も違ったものに見える。わざとルーペの枠も入れてみた細かい花弁の集まり方がきれいだ花の複雑な構造が良くわかる





2012年 2月 15日   00:00