やじうまミニレビュー

宝島社「クールミスティファンmini」

~書店やコンビニで買えるミスト付きミニ扇風機
by 伊達 浩二


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


宝島社「クールミスティファンmini」

 梅雨明け直後に暑くなったと思っていたら、7月末からは涼しい日が続いた。しかし、まだ8月も始まったばかり。もうしばらくは暑い日に対して備えておく必要がある。

 都内では、扇風機が店頭から払底するほど良く売れているし、ドラッグストアやスーパーの店頭でも単三形乾電池で動く小さな扇風機が山と積まれている。

 今回は、そんなミニ扇風機の中から、宝島社の「クールミスティファンmini」を紹介しよう。


メーカー宝島社
製品名クールミスティファンmini
購入場所文教堂書店市ヶ谷店
購入価格650円

書店で販売されるため、手に入れやすいというメリット

 「クールミスティファンmini」の最大の特徴は、製品本体よりも流通ルートにある。この製品は、書店を中心として販売されているのだ。つまり、書籍や雑誌と同じ流通経路をたどって、書店やコンビニなどで販売されている。

 宝島社は出版社なのだが、最近はブランドバッグが付録についたムックや雑誌などで攻勢をかけている。つまり、こういう「モノ」を書店で売ることを得意にしている会社だ。

 「クールミスティファンmini」の場合、ムックや雑誌はついておらず、製品単体のパッケージとなっている。こういう製品を書店ルートでは、「マルチメディア商品」と呼ぶ。CDやDVDなどマルチメディア関連の製品が中心となっている分野だからだ。

 しかし、最近では「シリコンスチームなべ」とか「ゲルマニウムローラー」など、調理用具や美容製品などが、このジャンルでは注目されている。これまで、書店で売ることを想定していなかった商品を、書店で売るというアイデアが、宝島社が成長した理由だろう。

 ユーザーから見て、書店ルートで販売されるメリットはいくつかあるが、通常の書店で購入でき、店頭にない場合でも取り寄せできることが一番大きい。出版社名と製品名がわかれば、基本的にどの書店でも取り寄せができる。さらに「978-4-7966-8411-8」というISBN番号と呼ばれる商品番号が分かれば、書店の方でも間違うことはない。また、価格も定価販売が基本なので、どの書店でも同じ価格で購入できる。

 この商品について言えば、書店だけではなく、コンビニの雑誌コーナーにも置かれているのを見かける。もともと、毎日発行される雑誌を末端まで届けるルートなので、意外に身近なところまでモノが届くのだ。

 上記のようなメリットは、製品のジャンルを問わずに通販で販売するAmazonに慣れている人には、あまりメリットと感じられないかもしれない。しかし、インターネット通販を常用していない人にとっては、手に入れやすく、大きなメリットなのだ。

ミスト機能付きミニファンの実力

 前置きが長くなったが、実際の製品を見てみよう。パッケージは単行本ぐらいの大きさで、本体と乾電池、紙1枚の取扱説明書が入っている。

 本体は青く透明な樹脂製で、白い水タンクを背負っている。使うには、付属の単三乾電池2本を本体に入れる。

パッケージは単行本ぐらいの大きさパッケージ背面本体と乾電池、紙1枚の取扱説明書が入っている
本体正面後から見た状態ミストタンクを外したところ

 ミストを使うためには、背中のタンクを外して、水を入れる。タンクのフタは霧吹きになっていて、フタを上から押すと霧が出るというわけだ。

こんな風に水を入れる乾電池を入れる。フタ側の端子が2本とも同じ形なので、入れる方向を間違えやすいスイッチは1つで、ON/OFFだけ
ミストタンクのフタが霧吹きになっている電池と水を入れ、これで万全の状態
鏡に向かってミストを吹いたところ。水滴は大きめだ

 ファンのスイッチをONにすると、風が送られてくる。風量はそこそこで、ファンから20cmぐらいの範囲なら風が送られてくる。ファンは斜め上を向いているので、机の上に置いて、顔に風を当てることもできる。ファンの威力に期待しすぎると失望してしまうかもしれないが、こういうミニファンの中には本当に風がこない製品もあるので、これでも健闘しているほうだ。

机の上などに置いた状態で使える動作中は、羽根がピンと伸びるので、そこそこ風がくる
モーターの力は強くないので、万が一、指が触れても回転が止まる (注:実験のため行なっていますが、危険ですのでマネをしないでください)

 欠点は、モーター音が大きめで、ちょっとうるさいこと。あと、乾電池を入れる際に、プラスマイナスを間違えても、そのまま入ってしまうことだ。間違えると、モーターが逆回転して、本体の後側に風が送られてしまう。シンプルな構造なのは悪いことではないが、端子の形を変えるだけでも防げることだろう。

 またミストは、“ミスト”という言葉から想像する霧の水滴よりも大きめで、何度か吹き付けるとたれてしまう。女性の場合、お化粧に影響してしまいそうだ。

 ミストを出す向きも難しい。風は本体に対し、斜め上に向かって吹いているが、ミストは本体に対して垂直に吹き出す。つまり、風を当てながらミストを出そうとすると、思っていたよりも下に吹き出してしまう。というわけで、ミストは顔に直接当てるというよりも、腕に吹きかけるとか、ハンカチに吹きかけて湿らせるというあたりが妥当な使い方のようだ。

 ついでに言うと、ミストのタンクに水を一杯に入れると、本体のバランスが後よりになる。何が起こるかというと、滑りやすい素材の上に立てておくと、ファン本体がぐるぐると回ってしまうことがあるのだ。

 ここ2週間ほど、このファンを持ち歩いてみたが、以上のような理由で途中からミスト機能は使わなくなってしまった。扇風機として使っても、それなりに涼しいからだ。

アイデアは面白いので、製品品質の向上を

 宝島社では、一回り大きい「クールミスティファン」(1,280円)を始め、「ひんやりジェル 爽快シート」(1,190円)、「ひんやり! 爽快ネッククーラー」(680円)と、節電にむけた涼を得るための製品をラインナップしている。

 今回試したクールミスティファンminiでは、ミスト機能には残念な部分もあるが、ファンとしては実用になる製品だ。なにより、こういう製品が、全国津々浦々の書店で購入できるというのは面白いことだ。

 ただ、書店店頭では、パッケージを開けて試すことが難しいだけに、もっと製品の品質をがんばってほしい。使い捨てではなく、安心して購入できるという認識が広がれば、もっと書店ルートで売れる製品の幅が広がっていくだろう。





2011年 8月 5日   00:00