家電製品ミニレビュー

ツインバード工業「ミニグリル鍋 EP-4164B」

~アツアツ料理を手軽に楽しむ1~2人用の電気鍋
by 今西 絢美

ツインバード工業「ミニグリルなべ」
 ここ最近、急に肌寒くなり、いつの間にか秋がやってきていることに気づかされた。秋といえば食欲の秋。そして、その食欲を継続させたままやってくるのは、鍋の季節だ。ひとり暮らしにもかかわらず9合の土鍋を持っている筆者は、とにかく冬になると鍋ばかりしている。来客をもてなすうえで、楽チン&低コスト&ワイワイ楽しいという3拍子が揃う料理はそうない。

 しかし、2人で鍋をする場合、我が家の4~5人用の土鍋では少し大きすぎる。だしをたっぷり用意しなくてはいけないし、鍋の大きさに合わせて具材を放り込んでしまうので、ついつい作りすぎてしまう。ひとり鍋の場合はなおさらで、毎回土鍋とガスコンロを出したり片付けたりするのが面倒くさい。

 そこで、自称“鍋奉行”の筆者が満足できる鍋はないものかと探してみたところ、コンパクトサイズの電気鍋を見つけた。

製品名ミニグリル鍋 EP-4164B
メーカーツインバード工業
希望小売価格5,250円
購入価格4,053円
購入場所Amazon.co.jp

 この電気鍋は1~2人用にちょうどいい1.2Lサイズ。90℃から230℃までの設定ができるため、煮るのはもちろん、焼く/蒸す/炒める/保温という全5役をこなす。鍋は脱着式になっているので丸洗いができ、これなら土鍋とは違って軽いので、洗う際にも苦労しない。

調節つまみを回して温度を変える。保温の温度は90℃。最大で230℃まで上がる。揚げ物はできない鍋は取り外せる。熱板は熱くなるので、調理後もしばらくは触らないよう注意


まず調理したのは鍋焼きうどん。鍋にはだし汁800ml、しょうゆ大2、砂糖小1、塩1つまみを合わせたつゆが入っている。具材はお好みで
 では、実際に使って、その実力のほどを見てみよう。

 最初に作ってみたのは鍋焼きうどん。普通の鍋だと作ってもすぐに冷めてしまうので、保温ができるこの電気鍋なら最適だろう。作業手順は、つゆと具材を沸騰させ、うどんを投入し、ふたたび煮立ったら卵を割り入れ、火を切って余熱で卵を半熟にして完成、という簡単なものだ。

 しかし、最初の沸騰までの時間が長いことが気になった。ガスコンロで調理をすれば5分もあれば十分に煮立つのだが、電気の力でじわじわ温めるせいか、18分もかかってしまった。あらかじめ沸かしておいたお湯を入れるなどで、時間を節約しておきたい。

 もちろん、電気だからこそのいい点もある。1点目は先ほど述べた通り、保温をしながらずっと温かいまま食べられる点。もう1つが、火を使わないので吹きこぼれの心配がない点だ。今回は鍋焼きうどんを作ってみたが、煮込みハンバーグやおでんなどの長時間加熱する料理には向いているといえる。

沸騰するまでには時間がかかる。作りながらお腹はぺこぺこに……卵を入れて完成。見栄えはイマイチだが味はグッド。ずっとアツアツを楽しめるのは電気鍋ならでは

次はゴーヤとなすの炒め物に挑戦。ゴーヤをごま油で炒め、最後に味噌だれで絡める。味噌だれでゴーヤの苦みが消えるので◎
 もう1品作ってみたのがゴーヤとなすの炒め物。こちらも鍋焼きうどんと同じで、焼くのには時間がかかった。しかし、テーブルの上で調理ができるので、食卓を囲む相手と一緒に楽しみながら調理することが可能だ。時間に追われながら作るのではなく、誰かと会話を楽しみながら、はたまた火を使うのが危ない小さな子どもと一緒に調理をするというのにはぜひオススメだ。

 説明書には調理温度の目安表がついており、焼きそばや酢豚、パエリヤ、茶碗蒸しなどの温度設定が書かれている。これを見ていると「なるほど、こんな料理にも使えるのか」とアイデアが湧いてくる。


見た目にはわからないものの鍋全体が熱くなっているので、調理中は鍋に決して触れてはダメ完成したゴーヤとなすの炒め物。保温しながら食べていたので、最後のほうは味がしっかりしみ込んでいた。ビールが進むのでつまみとしてもOK取扱説明書には、調理温度の目安表が記されている

 今回は一人や二人で使いたいという場合を想定して購入したが、家族のなかで辛いものが食べられない、塩分を控えた料理でないといけないといった、個別のメニューを作る必要がある人がいる場合にも役立つだろう。また、家族全員が食卓に揃わない場合、あとから食べる人にできたての温かい料理を食べさせたいときにもイイ。

 一度買えば長く使えるので、実売で4千円という価格は手頃といえるだろう。鍋物、煮物などを気軽に楽しみたい人に、ぜひ使ってほしい調理家電だ。



2009年9月17日 00:00