家電製品ミニレビュー
音楽と灯りで空間を彩るオーディオシステム「Relit」
by 藤原 大蔵(2015/1/6 07:00)
上質なサウンドで音楽を奏でるBluetoothスピーカーと、インテリアをより魅力的に演出する柔らかな間接照明が融合した、新しいスタイルの音響機器が登場した。ヤマハの「Relit (レリット) LSX-70」を紹介しよう。
メーカー名 | ヤマハ |
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製品名 | Relit LSX-70 |
希望小売価格 | 45,000円(税抜) |
特徴は、スマートフォンやタブレットに保存した音楽コンテンツを、ワイヤレスながらも高音質に再生可能なところ。モノラル音声だが、立体感のある音が360度、部屋中に広がる。また、搭載されたLEDライトが柔らかな間接光を放ち、インテリアを魅力的に演出する。
充電式のバッテリー内蔵で、ワイヤレスで好きな場所に気軽に持ち運べる。手持ちのBluetooth対応端末で操作できる。
カラーは「サンライトゴールド」、「ダスクブロンズ」、「ナイトブラック」の3色。今回はダスクブロンズを選んだ。
準備、ペアリングの設定は簡単!
準備はとても簡単で、10分もかからない。
1:本体に付属のACアダプターを差し込んで充電する
2:手持ちの端末(今回はiPodを使用)に「DTA CONTROLLER (専用アプリ)」をインストールする
3:本体の電源を入れる。端末の設定画面で、端末と本体をBluetoothでペアリングする
一度ペアリングが完了すると、Bluetooth接続を切断しても、それぞれの電源を入れれば自動で再接続できる。
端末にインストールされたDTA CONTROLLERを起動し、トップ画面の右下にある「歯車」マークをタッチすると、セットアップ画面が表示される。この画面で充電池の残量、充電の様子も確認できる。フル充電まで約4時間で、消費電力は5Wだった。
本機は円筒形で、大きさは93×240mm(直径×高さ)。重さは915g。コンパクトなので、サイドテーブルや棚の上にも置きやすい。フル充電ならばワイヤレスで8時間も再生できる。
点灯/消灯・調光も手元で簡単操作。上質な仕上げの本体
まずは、LEDを点灯してみよう。端末のDTA CONTROLLERを起動し、トップ画面の下の中央「電球/音符」マークをタッチすると「Light」画面が表れる。画面右上の「電球」マークをタッチすると、LSX-70が点灯する。
LEDライトは、本体内部の上部スピーカーの周囲の1カ所と、本体操作部上の1カ所の、合計2カ所ある。最大の明るさでも目に優しい柔らかな光だ。本体上部のプレートの裏側に反射板があり、スピーカーの周囲の光は反射光として、周囲へ優しく広がる。
調光もDTA CONTROLLERでできる。Light画面の下にある調光バーを指でスライドさせれば、5段階の調光が手元でできる。画面右上の「電球」マークを再びタッチすれば消灯する。操作に応じてライトが変化するように、Light画面のグラフィックも変化するのでとてもわかりやすい。
上質な本体の仕上げも特徴的だ。「YAMAHA」の文字が刻まれたトッププレートは、削り出し加工されたもので高級感がある。きめ細かなパンチングメタルを丁寧に加工したボディは、ブロンズに鈍く輝き、点灯/消灯、外光の変化を表情豊かに捉える。本体下部は、手に馴染むレザーグリップで仕上げられ、持ち運びをより容易にする。
音を鳴らさなくても、生活空間を彩る洗練されたオブジェのように表情が豊か。上質な仕上げが、インテリアの全体の雰囲気をグレードアップするような佇まいが魅力的だ。
ウソッ! これがBluetoothスピーカーの音!?
音楽を再生して、ドキリとした。こんな音が入っていたの? と思うほど、音質が想像以上に良かったからだ。
ボーカルや弦楽器は艶やかに伸び、管楽器はシャープで力強く、ベースやドラムは空気を震わせるように鳴り響く。ピアノ曲、交響曲は繊細なピアニッシモからダイナミックなフォルテッシモまで余裕で再現し、演奏会場の空気感まで再現されるかのよう。
音源はiPodに保存された音楽コンテンツで、しかも再生音はモノラル。なのに、音の輪郭が明瞭でキレが良く立体的。とても圧縮音源とは思えないほど開放的で、音の量感、厚みさえも感じられた。音楽がたっぷり楽しめる十分な音量もある。
これまで、いくつかのコンパクトタイプのBluetoothスピーカーで音楽を聴いたが、それまでの印象が吹っ飛んでしまうほど音質が良い。ドンシャリ感なんて微塵も無い、まさに「音楽を奏でるオーディオ」の音だった。
音楽をたっぷり堪能できるスピーカーは本体内部に、4cmツイーターは本体上部に上を向いており、5.5cmウーファーは本体底に下を向いて立体的に取り付けてある。中域から高域の音は反射板で伸びやかに部屋に広げ、低域は本体を設置したテーブルも響かせて厚みのある音が再生される。
操作は簡単だ。DTA CONTROLLERの「Light画面」に指を置き、左側にフリックすると「Music画面」が表れる。Music画面の右上をタッチすると、まさにiPodの“ミュージック・アプリ”と同じスタイルの画面が表示されるので、迷いなく聞きたい曲、アルバム、アーティストが選べる。シャッフル演奏にももちろん対応している。
本体側ではできない音質の調節もお手の物。「Light」または「Music」画面の左下にある「音質調整」をタップすれば、低域、中域、高域のそれぞれを好みに合わせて21段階で調整できる。
なお、Bluetooth非対応の機器も、ミニプラグを「AUX」につなげば再生できる。機器の再生と音量以外は、ペアリングした端末で操作可能。もちろん、端末にインストールしてあるラジオアプリなどはワイヤレスで再生できる。
音楽を生活により密着させる「スマートタイマー」
魅力的な光の空間演出と、心地良い音楽をコントロールするLSX-70のアプリには、さらに便利な「SMART TIMER (スマートタイマー)」機能が搭載されている。
スマートタイマーは、いわゆるオン、オフのタイマーだ。オンタイマーは、指定時刻にお気に入りの音楽を自動で再生や、指定した明るさで照明を点灯できる。オフタイマーは、就寝時や外出に合わせて、指定時刻にRelitをオフにできる。
「スマート」と言うだけに、タイマーの機能は多彩。オンタイマーは、繰り返す曜日の設定、照明の有無、明るさだけでなく、プレイリストで好きな曲が選び放題。音量も設定できる。しかも、4パターン全く別々に設定できるので、平日や休日など生活パターンに合わせられるのが嬉しい。オフタイマーも4パターン設定できる。
設定は、DTA CONTROLLERのトップ画面左下にある「太陽と時計」マークをタッチし、「SMART TIMER」画面から始め、設定が済んだらRelitに同期させる。はじめは少々戸惑ったが、数回使うだけですぐに慣れた。タイマーの実行・解除も番号をタッチするだけなので簡単だ。
夜はお気に入りの音楽で眠り、朝は曜日ごとに違う音楽で目覚める、という事も可能。思わず使いたくなる便利なタイマーだ。
目覚めから就寝まで、毎日の生活を音楽と灯りで潤す新しいインテリアアイテム
数あるBluetoothスピーカーの中でも高価な部類に入る。だが、音楽を心ゆくまで堪能できる高音質なワイヤレススピーカーと、インテリアを艶やかに演出する照明が、これほど美しく一体化した物は他に見当たらない。単品のスピーカー、照明器具だけでは得られない、新たなシーンを生み出す魅力がある。
リビングやテラス、書斎などに持ち運んでワイヤレスで音楽も灯りも楽しみ、寝室では充電しながらナイトライトとして活用する。というように、起床時から就寝まで、日々の生活に寄り添う上質なインテリアアイテムとして、Relit LSX-70を生活に取り入れてはいかがだろうか。