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精油を使わずアロマ!?ハーブや香辛料を「食べて感じる」!コリアンダー編

香り成分を高濃度で抽出した精油を使わずに、その香り効果を生活に取り入れてみませんか。今回は、精油の元になっているハーブや香辛料の効果を、「コリアンダー」を例にご紹介します。日ごろから食べ物の香りに注目していくと、アロマがもっと身近なものになりますよ!

 

精油とハーブに含まれる香り成分は、同じ!?

野菜やハーブの香り成分のなか含まれる「ファイトケミカル(植物性化学物質)」。「ファイトケミカル」とは、5大栄養素や食物繊維に次ぐ第7の栄養素として注目される物質で、摂取しなかったからといって体に不調が出るわけではないものの摂取した方が良いとされています。抗酸化作用で注目されるリコピンやアントシアニンなどの色素類のほか、シネオールなどの香り成分など、たくさんの種類が発見されています。精油は植物から抽出した濃縮型の香り成分なので、今回ご紹介するコリアンダーのほか、ローズマリー、タイム、ブラックペッパー、ジンジャー、などの料理でも使われるハーブや香辛料にも、殺菌、抗菌、抗ウイルス作用などのファイトケミカルの有効成分は含まれています。精油か、ハーブや香辛料かの違いは、ファイトケミカルの濃度が高いか低いかの違いということなのです。 

 

英語名「コリアンダー」、タイ語名「パクチー」の香り効果

今回ご紹介する「コリアンダー」は、英語の名前。同じ植物のタイ語名は、独特の強い香りが人気のセリ科の野菜「パクチー」です。これらは、日本へ入ってきた時期とルートの違いから、西洋料理の香辛料を英語名の「コリアンダー」、生の葉をタイ語の「パクチー」と呼び分けています。この植物の種子から抽出した精油は、英語名で「コリアンダー」と呼ばれています。リナロール、ゲラニオールなどの香り成分が含まれていて、消化促進作用、デドックス作用、強い抗菌作用、免疫強壮作用、抗ウイルス作用などがあり、内側からの美容に欠かせない成分が含まれているんです。

 

香辛料や生の葉の香りにも、精油と同じ効果

香辛料のコリアンダーも、原料は乾燥させた種子ですから、精油と同じ香り成分を食べていることになります。自然のままの香気は、精油のように蒸留して濃縮していないぶん、皮膚刺激や濃度を気にする必要がないので安心です。また、リナロールやゲラニオールの香り成分は、生野菜のパクチーにも含まれています。パクチーの苦手な方は香辛料のコリアンダーを使えば、精油と同じような、身体への良い影響が期待できます。

 

香辛料・コリアンダーが良く合う料理

コリアンダーというと、カレーの香辛料としてよく知られていますが、その甘く爽やかな香りは、あっさりとした魚料理や肉料理にもよく合います。少し加えるだけでいつもと違う、本格的なエスニック風味が出せるので、これを機会に、普段使いの香辛料としてキッチンに常備してはいかがでしょう。パクチーの葉の独特の香りが苦手な方でも、香辛料のコリアンダーは穏やかな香りなので抵抗がないかも。ぜひ試してみてくださいね。

 

まとめ

植物の香り成分は、植物が自然を生き抜くために手に入れたものです。その香りは「旬」に濃く、シーズンオフに薄くなる傾向があります。旬を知って風味を味わい、毎日の食卓のなかでも、ぜひアロマを感じてみてください。アロマテラピーの始まりは、健康に生きるためであり、暮らしそのものだったのですから。 

 

 

宮本きこ(アロマテラピーインストラクター)

AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。2012年に自宅でアロマ教室を開き、のべ800名余りの方にアロマテラピーのある生活を提案してきました。何時もご縁を大切に、アロマの輪を大きく育てていきたいと思っております。