暮らし
3月に仕込んだ「手作り味噌」の熟成過程と、やっておきたい「カビ対策」
2017年 6月 2日 07:00
3月にご紹介した、手作り味噌の仕込みから約2カ月が経ち、気温の上昇とともに味噌の熟成が進む時期に入りました。今回は、手作り味噌が熟成していく様子と、やっておきたいカビの対処法をお伝えします。カビの発生や「たまり」の量などは、味噌の様子を定期的に確認しながら、対処していきましょう。
仕込みから約1~2カ月後の様子
前回の仕込みから1週間経ったころ、フタを開けると鼻に刺さるような大豆の強い匂いがしました。それが1~2カ月後には、柔らかい匂いに変化し、少し味噌っぽい香りもしてきます。また水分が出て、仕込み直後よりも柔らかくなり、表面に振った塩が味噌と馴染みました。
熟成過程で微生物が大豆を分解すると、「ガス」と茶色の液体「たまり」ができます。今回仕込んだ味噌にはまだありませんが、「たまり」が味噌表面を覆うとカビが発生しにくくなります。もし「たまり」の量が多くて気になる場合は、熱湯や焼酎などで消毒したスプーンで取り、醤油の代用品として使いましょう。「たまり」は液体なので下へ流れる性質がありますが、重石をすることで味噌表面へ押し上げられて、自然に味噌へ吸収されます。重石を乗せておくと「ガス」も抜け、熟成が均一に進みますよ。前回の仕込みの様子は、下記にてご紹介しています。
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カビが発生したら、カビ部分を取り除き、再び熟成準備を
味噌は大豆、米、塩、水のシンプルな材料を、微生物が数カ月かけて分解していきますが、働くのは熟成に必要な微生物だけでなく、「カビ」も発生しやすいものです。特に空気に触れたり、仕込み直後の振り塩が少なかったりすると、カビが発生しやすくなります。味噌に発生するカビとしては、「白カビ」がよく知られていますが、これはほとんどは害のない「産膜酵母」です。味噌に混ぜても問題はありませんが、風味が落ちるので消毒したスプーンで取り除きましょう。また、前の段落の4月や5月の写真にある縁に残った塩や麹以外に、白い結晶ができることがあります。これはチロシンと呼ばれるアミノ酸が固まったものですので、食べても問題ありません。そのほか、青、緑、黒、赤色をしたカビが発生することがあります。カビは空気と触れる味噌表面で増えますが、いずれも放置するのは良くないため、消毒したスプーンでカビと周囲を大きく取り除きましょう。そうすると、きれいな味噌が顔を出します。カビを取り除いたあとは、味噌の表面を平らにならしましょう。
味噌の様子を見たあと、フタをするときの注意点
「たまり」やカビを取り除くときは、味噌へゴミが入らないように注意して作業します。容器の内側が汚れていたら汚れを落として、焼酎などで消毒しましょう。その際、味噌表面を覆うビニールやラップは新しいものにして、覆うときは味噌が空気に触れないようにします。落しブタと重石をしたら、ゴミが入らないようにしっかりと内フタ、外フタをして、直射日光の当たらない冷暗所で引き続き保管しましょう。
味噌が出来上がるまで
今回は、仕込みあとの途中経過をお伝えしました。味噌の熟成具合は、仕込んだときの大豆の柔らかさ、種水の量、気温などで変化します。出来上がるまでの期間の目安は、夏場なら4カ月、冬場なら6カ月。今回は3月に仕込んだので、これから残り2カ月以上の熟成期間が必要です。梅雨時期に入るとカビが生えやすいので、1カ月に1回は味噌のフタを開けて様子を見るようにします。
気温が高くなるにつれて、味噌の熟成が進んできました。味噌の変化を見るのは楽しく、出来上がりが待ち遠しいですね!
協力:ひかり味噌
https://www.hikarimiso.co.jp/