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現役保育士のアイデア、子どもの「言葉の遅れ」が気になる親のできること
2017年 2月 17日 07:30
おしゃべりの獲得には、訓練よりも子どもたがたくさんの経験することが大切。今回は、言葉の遅れが気になったときに、親ができることをご紹介します。保育の現場にいると、子どもの言葉の遅れを心配するママが増えていると感じます。今回お伝えする方法は、時間はかかりますが、言葉獲得だけでなく、楽しく子育てすることにもつながりますよ。そんな方法を、小中学生の子どもをもつ現役保育士がお伝えします。
言葉を理解しているかどうか見極める
子どもの発達過程で、まずは「指差し」ができているかが大切なポイントになります。「指差し」はほかの人とコミュニケーションするための「共感する力」が育っている証しでもあり、健診でもチェックされる大切な発達ポイントなのです。指差しがあり、目が合う、大人の言葉を理解しているようだったら、まずは大丈夫。子どもがゆっくりと言葉が出すのを待ってみましょう。喃語などそのときしかない、かわいい時期を楽しんでくださいね。
話し掛けた言葉を理解してないようなら、専門家に相談する
指差しがなく、目があまり合わないようだったら、やはり心配になるものですよね。言葉を理解して、身振り手振りなどの反応があれば、そんなに心配しなくても大丈夫ですが、もしも反応が鈍い場合は、耳の聞こえが悪いことも考えられます。そんなときは、各市町村の相談窓口や児童相談所、保育園などの専門機関に相談してみましょう。ママ1人で抱え込まず、ぜひ気軽に相談してくださいね。専門的な見解を知ることで安心できますよ。
言葉以外のコミュニケーションも楽しもう
言葉が出ていない時期は、言葉を心の中に貯めている時期でもあります。子どもにたくさん話し掛けたり、少しおおげさなくらい大人が喜怒哀楽を表したりする方が意思が伝わりやすいですよ。言葉が出ていない子どもでも、例えば音楽が聞こえると足を動かす、手を動かす、にこっと笑う、その子なりの言葉以外の表現方法が必ずあります。そんな様子が見られたら一緒に歌を歌ってあげたり、「楽しいね」と声をたくさん掛けてあげてくださいね。
なるべく多くの体験をさせる
訓練をすれば、言葉が出てくると思われることもありますが、言葉は「この人としゃべりたい」「知ったことを伝えたい」と思って初めて出るものです。おうちの限られた空間だけでなく、ぜひ自然の中で、たくさんの体験をしてみましょう。自然の中をお散歩したり、お花を摘む、泥団子を作る、水を触る、人と触れ合うなど、ぜひ豊かな経験をたくさんさせてあげてくださいね。自然は子どもに多くのことを教えてくれます。子どものなかに、本当の豊かな言葉が育まれていきますよ。
まとめ
同じ年齢の子どもと比べて言葉が出ないと、ママが不安になるのは当たり前のことです。しかし言葉が出ないことばかりに目を向けてしまうと、親子で辛くなってしまいがちです。それでもいつか言葉が出ることを楽しみに待ちながら、今だけのその子なりの表現方法をぜひ一緒に楽しんでみてくださいね。子どもの成長は早ければよいというものではなく、そもそもその子の発達ペースがあり、ゆっくり成長するものなのです。子どもの豊かな世界を知ることで、不安よりも希望が沸いてきますよ。