暮らし
【整理整頓を始めよう49】整理整頓のプロが片付けたのは「部屋と人生」
2016年 9月 22日 06:30
今でこそ整理整頓を仕事にしていますが、以前の私は「片付けが大の苦手」でした。今回は、そんな私が整理整頓のプロの助けを借りたことで、家が整っただけでなく、人生が変わるほど心が変化した体験談をお話します。「整理整頓」と「ダイエット」が本を読んだり話しを聞いたりするだけで実現するのであれば、これほどまでに情報が世の中に溢れる必要はありません。ダイエットの成功ためにトレーナーの指導を受けるように、お家の整理整頓に「プロの助け」を借りたことは、私にとって家と心を整える近道になりました。
私は「汚部屋女」でした!
整理整頓の仕事を始める前の私は、片付けがとても苦手でした。実家を出るまで、6畳の自室には、ドアからベッドまで「けものみち」ができていて、そのほかは足の踏み場がない状態。今で言うところの「汚部屋女」でした(笑)!結婚してからはさすがに汚部屋ではないものの、共働き夫婦の我が家は、「もっと片付いた家にしたい、スッキリ暮らしたい」と思いつつもスッキリできていませんでした。子どもが生まれると物がどんどん増えていき、収納家具を買い足し、詰め込み、それでも入らなくなり、また収納家具を買い……という、これまで連載で書いてきたNG集を地でやっていたのです。そう、この連載は私の過去が、ふんだんに盛り込まれています。
できないことを認めて許し、他人のアドバイスを受け入れる
ここで6年ほど前の、リアルな過去を暴露しますね。ある日、私がやっと迎えた休日に友人宅へ遊びに行っている最中、子どもたちと自宅にいた夫から電話があり、家を片付けないまま遊びに行っていることを強い口調で非難されました。私も怒りが爆発し、「そんな電話してくる暇があるなら自分で片付けたらいいでしょう!」と大ゲンカに。今振り返ると、私自身が片付けられないことを自分で認められなかったため、助けを求めないで、家が片付かない理由をほかに求めてしまっていたのです。本当は、苦手なことを認めて、それを自分自身が許す必要がありました。それだけで、まず気持ちが楽になります。今の私が、昔と同じように苦手なところを責められたと感じたら「そうなのよ、できないのよ。どうしたら解決するかな?」と、助けを求めて一緒に問題解決を図るでしょう。とはいえ、その夫は、今はもう隣にいませんけれど(笑)!
「物」では解決できない、「価値あること」にお金を使おう
私ができないことを認められなかったそのころは、経済的には今より恵まれていたため、旅行や外食、身に付けるものなどにお金を使っていました。不十分さをカバーするには、お金がとても便利だったのです。洋服やバッグもたくさん買い、収納家具もたくさん買いました。お察しの通り、すべて逆効果です。私がやるべきことは、自分の苦手を隠して埋め合わせるためにお金を使うのではなく、問題解決できるプロに手助けしてもらうべくお金を使うことでした。これに気付くには家族の崩壊という大きな代償が待っていましたが、だからこそ気づいた大切なことを、自らの経験をもとに、こうやってみなさんにお伝えしています。
人の手を借りてみよう!
家族が崩壊し、バラバラに暮らすことになりましたが、残された荷物は大量でした。その片付けに何度も着手するものの、辛い気持ちになるので毎回挫折し、すぐに1年が経ちました。ちょうどヨガインストラクターの第一歩を踏み出し始めたころで、新しい自分にならなければ道は開けない気がしていました。そこで、「自分でできないなら、人の手を借りよう!恥ずかしがっている場合じゃない!」と思い、整理整頓のプロにお願いすることに決めました。
その後の人生が変わった、プロとの整理整頓4日間
プロの方にお願いして始めた整理整頓は、1日のつもりが合計4日間かかり、引っ越しトラック1台分ぐらいの不用物(ゴミ)が出ました。旅行や外食、買い物に使っていたお金を、初めて家と自分を整えるために使いました。そこから得られた効果は、人生が変わるほど絶大でした。徹底的に自分と向き合い、自分に不要と思えるものと1つずつ決別していくことで、自分がこれから大切にすべきことが見えてきたのです。すると、自分のことが好きになり、生きることがキラキラ輝きだしました。そしてその状態は今も持続しています。この体験から、同じように片付けでつまづいている人の役に立ちたくて、私は整理整頓の仕事を始めました。もし片付けが苦手で、一歩を踏み出せない人がいたら、どうか気軽に人の手を借りてみてください!こんな簡単なことをなぜ早くやらなかったのか。きっとそう思うはずです。