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既婚者は「子ども2人以上欲しい」のに、立ちはだかるのは「2人目の壁」

「お金や仕事のことは考えなくていい」と言われたら、子どもは何人欲しいですか?今回ご紹介するアンケート結果は、「欲しい子どもの人数」「2人目を躊躇する理由」「2人目を産まない経済理由」などの、気になる話題についてです。そのほか、「仕事と家庭の両立が難しい理由」「保活経験」などについての回答も。「2人目の壁」という言葉も気になりますね。

 

理想の子どもの人数は「2人以上」が8割超

前少子化担当大臣や大学教授などで組織され、日本の少子化問題に取組む「1more Baby応援団」が、全国の既婚男女2,958人を対象に「夫婦の出産意識調査2016」を実施しました。その結果、欲しい子どもの理想の数を「2人以上」としている人が81.1%もいることが分りました。2013年の調査開始以来、増加していて過去最高ですが、子どもに兄弟がいた方がいいと考える夫婦が多いのは、分る気がしますね。

 

「2人目の壁が存在する」と感じている人は7割以上

1more Baby応援団は、「生活費や教育費に関連した家計の見通しや、仕事等の環境、年齢等を考慮し、第二子以後の出産をためらうこと」を「2人目の壁」と定義し、過去3回のアンケートを通して、その存在を明らかにしてきました。今回も「2人目の壁は存在すると思うか」を尋ねたところ、全体の73.5%が「存在する」と感じていること分りました。

 

「2人目の出産」に98%が満足

一方、実際に2人以上出産した夫婦に、家庭の幸福度を聞いたところ、「とても満足」が64.3%、「やや満足」が33.7%と、合わせて98%が「満足」と回答しています。ほとんどの夫婦が、自分たちの決断に満足していることが分りますね。

8割が「2人以上子どもが欲しい」と考え、2人以上子どもがいる人のほとんどが「満足」しているのに、「2人目の壁」を感じる理由はどこにあるのでしょうか。

 

「2人目の壁」を感じる原因は、「経済的な理由」が1番

「2人目の壁」を感じると答えた人にその理由を尋ねたところ「経済的な理由」が84.4%で1位になりました。2位は「年齢的な理由(43.0%)」、3位は「第一子の子育てで手一杯(39.1%)」です。また、4位の「仕事上の理由」と回答したのは、フルタイムママが58.3%、パートタイムママも52.2%と高い比率。職場の産休取得のしやすさや職場復帰サポートなどの有無が関係していることが分かります。

 

経済的な理由は、「十分な」生活と教育を子どもに与えたい

「経済的な理由」の詳細を聞いていみると、1位は「現在の世帯収入では、2人以上育てるのに不安(61.5%)」、2位は「基本的な教育費用に対し不安(44.0%)」、3位は「子どもの養育費を十分に確保したい(39.0%)」という結果でした。十分な生活と教育を与えたいという親の気持ちが見えてきますね。また、1位の「現在の世帯収入では、2人以上育てるのに不安」の回答については、パートタイムママが66.3%、専業主婦ママが63.0%なのに対して、フルタイムママは54.4%と8%以上低い比率になっており、フルタイムママの収入が、経済的な不安を取り除いていることも伺えます。

 

「仕事の両立が困難な理由」は、フルタイムママとパートママでは異なる

一方、「仕事上の理由」があると回答したフルタイムママとパートタイムママに「仕事との両立が困難だと感じる理由」について尋ねると、回答に差が見られました。フルタイムママは「仕事が忙しく、両立する余裕がないと感じている(40.5%)」が1位なのに対して、パートタイムママの1位は「育休、時短勤務などの制度が十分ではない(57.6%)」、2位は「現時点での給与が少しでも減るのが困る(48.3%)」、3位は「妊娠したら退職しなければいけないような企業の風土がある(35.5%)」と回答しています。正社員の育児支援制度が徐々に浸透している一方、パートタイムママには制度が届いていない現状が伺えます。

 

約6割が、「保活」がなければもう1人子どもがほしい

また、待機児童の問題などで話題の「保育所に子どもを入れる活動」、いわゆる「保活」についてのアンケートも行なわれ、「過去や現在『保活』をしているか」の質問に、全体の17.1%が「経験がある」と回答。「できることなら『保活』はしたくないか」という質問には全体の76.9%が「したくない」と回答しました。また、「『保活』がなければ、もう1人子どもが欲しいか」という質問には、全体の41.7%が「もう1人子どもを持ちたい」と答えています。

 

10人に1人が、子育てを目的とした移住経験アリ

また「子育てを主な目的とした移住に関して、情報収集・検討したことがあるか」を尋ねたところ、全体の18.4%が「したことがある」と回答し、このうち約半数の52.0%が移住していることが分かりました。5人に1人は子育てを主な目的とした移住を検討し、10人に1人は実際に移住しているということですね。

 

まとめ

アンケート結果からは、気持ちではもっと子どもが欲しいと思いながらも、2人目の出産に悩む夫婦の姿が見えてきます。経済的な理由に悩んでいるのは、専業主婦ママだけでないことも分かりました。さらに、経済的な余裕のためにフルタイムで働くママは「忙しい仕事と育児の両立」という悩みが、パートタイムママは「出産による退職」での「収入減少」という悩みがあることが分ります。当事者だけでなく、社会全体が子育てにやさしい日本を目指す必要がありそうですね。

 

◇1more Baby応援団
http://1morebaby.jp/

◇子ども1人家族は「保活がなければ、もう一人子どもを持ちたい」(58.7%)子育て経験者は「保育園入園」に有利なタイミングを意識している!?(1more Baby応援団)
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000019496.html

 

 

qufour(クフール)編集部

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