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【これからは予防の時代3】生活習慣病の予防3本柱:食生活(前編)

今回以降は、中年以降の予防医学で重要な「生活習慣病予防」に絞って、少し詳しく見ていきましょう。

生活習慣病予防の3本柱

生活習慣病はその名の通り、生活習慣が原因の病気です。ですので、逆に言えば、毎日の生活で気を付けることで予防できる病気でもあるのです。そして予防のための3本柱が、「食事」「運動」「心理」なのです。

 

危険な内臓脂肪

「食」については、まず過食は厳禁です。生活習慣病のなかでも、高血圧、脂質異常症、糖尿病は、メタボリック症候群で代表される内臓脂肪蓄積が原因でなります。また脳梗塞、虚血性心疾患は、メタボリック症候群により血管に脂肪が蓄積して動脈硬化が進行した状態です。動脈硬化はまた改めて解説しますが、冠状動脈が狭くなると狭心症、完全に詰まると心筋梗塞、脳の血管が完全に詰まると脳梗塞になります。肥満者はこれらのリスクが高くなるのです。

イラスト:たちばなかより

 

塩分、糖分もほどほどに

内臓脂肪に加えて、塩分を摂り過ぎると高血圧、甘いものと脂っこいものを摂り過ぎると糖尿病になります。高LDLコレステロール血症は、飽和脂肪酸の摂り過ぎからなります。食生活の欧米化によりカロリーが多い食事を食べることになったのも生活習慣病の原因です。ですから、食生活は生活習慣病予防の非常に重要な要素になります。

 

 

高島裕一郎(医学博士)

予防医学を専門としている医師です。医療の高度化でさまざまな病気の原因がわかるようになりました。これは同時に、いろいろな病気を予防することができるようになってきたことを意味します。生活習慣病やガンなど、生活のなかで予防のできる病気と、その予防方法について、お伝えしていこうと思います。日本医師会認定産業医、日本人間ドック学会認定医。