老師オグチの家電カンフー

スマホはPCの3倍速で歴史を刻んでいる仮説

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです

 Windows 3.1が誕生して、今年で25年になるそうです。最初にWindows 3.1を使ったのは、IBMの『ThinkPad 230C』でした、ってオッサンの懐かしネタをする気はありません。

 ふと、Windows 3.1に相当するスマホって何だろうと考えてみたんですが、iPhone 3GSじゃないですかね。

 iPhone 3GSの登場は2009年です。同じ年には、ドコモから初のAndroid端末「HT-03A」もリリースされています。今から8年前のことです。8年を3倍すると24年で、Windows 3.1登場からの25年に近い。そこで、「スマホはPCの3倍速で進んでいる仮説」を思いつきまして、実証してみることにしました。

 ご存じのように、Windowsが広く世間に認知されたのはWindows 95からです。Windows 3.1の3年後ですね。iPhone 3GSの翌年、2010年に登場したのがiPhone 4(※GSM版)です。この端末からiPhoneを使い始めた人も多いのではないでしょうか。

Windowsのざっくり3倍の速度で進化を遂げているiPhone

 PCの普及を決定づけたのは、Windows XP(2001年)です。Windows 3.1から9年後。そして、iPhone 3GSの3年後に登場したのが、iPhone 5(2012年)です。ソフトバンクだけでなくauからも販売され、一気にユーザーが増えました。Android端末もかなり多くの機種が大手キャリアから投入され、らくらくスマートフォン(F-12D)が出たのもこの年です。

 さらにWindows XPから8年後にWindows 7が出ます(2009年)。iPhone 5から3年後に出たのがiPhone 6s(2015年)。どちらも、広く普及が進んだことで新製品に魅力を感じなくなる人が増えてくる、つまりコモディティ化してきた頃ではないでしょうか。

 この流れをマーケティング理論の「製品ライフサイクル」に当てはめてみましょう。

・導入期(Windows 3.1/iPhone 3GS)
・成長期(Windows 95/iPhone 4)
・成熟期(Windows XP/iPhone 5)
・衰退期(Windows 7/iPhone 6s)

製品ライフサイクルに当てはめてみた。異論はあるでしょうが、そんなに間違っていない気がする(笑)

 キレイにはまってるじゃないですか!

 余談ですが、すごい発見をした気になって、一気に原稿を書こうとしたところ、Wordが壊れました。文字入力が勝手に確定される現象が起き、たとえば「あいふぉん」と打つと、「あいhぉn」となり原稿が書けない。

 どうやらDropboxの機能と干渉していたようで、設定を変更することで症状は治まったのですが、WordもWindows 3.1の時代に逆戻りしたのかと思いましたよ。

 WindowsもiPhoneも、初期の頃は不安定でしょっちゅう再起動していました。懐かしいけど元に戻ったら大変なストレスでしょうね。衰退期、コモディティ化もツールとしての実用面ではありがたいことです。今、「笑ってお仕事。」できているかは、また別問題ですが。

小口 覺

雑誌、Webメディア、単行本の企画・執筆、マンガ原作、企業サイトのコンテンツ制作を手がけるライター。日経MJの発表した「2016年上期ヒット商品番付」では、命名した「ドヤ家電(自慢したくなる家電)」が前頭に選定された。

Webページ「有限会社ヌル/小口覺事務所」
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