ぼくらの自由研究室

“東京の地と水”にこだわるクラフトビール「TOKYO BLUES」の新作を飲んできた

最近ブームとなっているクラフトビール。コンビニやスーパーなどでも目にする機会が増えたと思います。「小規模醸造所でビール職人が精魂込めて造っているビール」「品質を重視してビール職人が手塩にかけて造るビール」で、大手ビールメーカーのように大量生産によるコストダウンが図れないため、お値段はお高めになってしまいますが、既存のビールにはない個性豊かな風味を味わえると人気となっています。ビール好きの人は、飲食店でいろいろなクラフトビールを味わっているのではないでしょうか。個性的なクラフトビールが続々と登場するなかで、“東京の地と水”にこだわりながら誕生させた東京クラフトビール「TOKYO BLUES」の新商品発表会に参加して試飲してきました。

東京クラフトビール「TOKYO BLUES」の新商品

“東京の地と水”にこだわったクラフトビール

2015年に誕生したTOKYO BLUES。東京都福生市にある155年の歴史をもつ石川酒造が、酒類・食料品総合卸のコンタツと共同開発したクラフトビールです。石川酒造は明治20年にビール醸造をスタートし、大がかりな投資をして品質に高評価を得ます。しかし、当時の人々はまだビールを受け入れる体制になく販売は低迷。多額の借金を残して撤退したという歴史があります。それからも「ビール造りを復活させたい」という情熱を持ちながらも時は流れていきます。

(左)コンタツ 代表取締役 津久浦 慶明氏(右)石川酒造 代表取締役 石川 彌八郎氏

しかし、20年前にビール醸造を遂に再開します。15年間は基本に忠実に伝統的なヨーロッパスタイルのビールを造ることで、これまでの蓄積した技術にさらに磨きをかけていったとのこと。それからも地下150mから汲み上げる天然水を使用し、試行錯誤を繰り返し、東京の水でおいしいクラフトビールを醸造することに成功します。

そして、「東京の地で醸す、東京の名を冠したビール」を造るという目標のもと誕生したのがTOKYO BLUES。けっして東京のお土産ではなく、東京で暮らす人や訪れる人に楽しんでほしいという願いのこもったクラフトビールです。

「革新的なビール」「クールなイメージ」「時代の先端を行く」といったキーワードのもと、これまでに第1弾の「TOKYO BLUES セッションエール」第2弾の「TOKYO BLUES ゴールデンエール」の2種類が販売されていました。どちらも「香り」にこだわっており、セッションエールは柑橘系のホップをたっぷり使ってシャープな苦みを実現。ゴールデンエールはアロマ系のホップを使って、アルコール度数を高めにすることで適度なキレのある飲み飽きしないキレイな味わいとなっています。

左が第1弾のTOKYO BLUES セッションエール、右が第2弾のTOKYO BLUES ゴールデンエール

考え方をガラリと変えたヴァイツェンスタイル

待ち望むファンも多かったという第3弾は「TOKYO BLUES シングルホップウィート」。これまでの考え方をガラリと変えて、ヴァイツェンスタイルをもとに独自のアレンジを加えて完成しています。ビール好きの人にはお馴染みですが、ヴァイツェンは小麦麦芽を50%以上使ったドイツの伝統的なビール。フルーティな香りと苦みの少ないやわらかな味わいが特徴です。最近では女性からの人気も高まっているそうです。

第3弾はヴァイツェンスタイルのTOKYO BLUES シングルホップウィート

TOKYO BLUES シングルホップウィートが、なぜヴァイツェン“スタイル”と謳っているかというと、小麦麦芽の使用量がヴァイツェン基準の50%にわずかに届いていないからだそうです。そのぶん、世界でも希少な「ネルソンソーヴィンホップ」を独自のアレンジとして使用しているとのこと。

このネルソンソーヴィンホップは、世界から賞賛されるワインの産地であるニュージーランド・ネルソン地方生まれのシングルホップ。2000年にリリースされた新しいホップで、世界中のホップ生産量のなかで1%未満しか生産されていない希少なホップとのこと。上質な白ワインのぶどうを栽培する土壌でホップを栽培しているため、白ワインをほうふつさせる香りと品のよい苦みを実現しているそうです。

TOKYO BLUES シングルホップウィートのお味は?

試飲タイムがお昼時ということもあり、仕事もいろいろ残っていたので少しだけ試飲させてもらいました(本当はグビグビいきたかったのですが)。発表会では「王冠を開けてまずバナナのような甘いフレーバーを楽しむ」という説明があったのですが、口にする前に甘い香りが広がります。それで飲んでみると、しっかり小麦麦芽の独特な味がして、最後にフワッと上品な苦みが広がる印象です。アルコール度数も5.5%としっかりあるのですが、とても飲みやすいと思います。ビールの苦みが苦手という人、フルーティーなビールが好きという人、どちらも満足できるのではないでしょうか。

ラベル
アルコール度数は5.5%

こだわり派の人には釈迦に説法かもしれませんが、すごく香りのいいビールなので、飲み口の広いグラスで飲むのがオススメです。ビールの種類によってグラスを変えるのは大事なことだと、あらためて気づかされました。

TOKYO BLUES シングルホップウィートは本日から販売されます。オンラインショップをはじめ、購入できるお店飲めるお店もウェブサイトで紹介されていますので、気になる人はチェックしてみてください。金曜日だしさっそく飲みたい! という人は、職場や自宅の近くで飲めるお店をチェック!

【TOKYO BLUES シングルホップウィート】
発売日2018年5月11日(金)
ビアスタイルヴァイツェン
原材料小麦麦芽・麦芽・ホップ
アルコール度数5.5%
IBU(苦味)34.4
SRM(色味)2.04
麦芽ウィート・ピルゼン・ミュンヘン
ホップネルソンソーヴィン
希望小売価格466円(税別)
URLhttp://www.tokyo-blues.jp/

清水英行