あってよかった
気になる「クサ靴」どうにかするグッズ3つ
2024年9月25日 08:05
「靴」というのは例えどんな形状であっても、基本的に日本の気候には合ってないのだろうな、と夏の日々、思っていた。
筆者は数年前から和服に興味を持ち始め、着付けなど習う中で、着物も袖やら身八つ口などスカスカと風通し良い構造なら、履物もスカスカと風通し良いことに気づいた。
いわゆる草履や下駄に「蒸れ」る要素がないのは見ての通りだ。この「スカスカ」ぶりこそが高温多湿な夏をもつこの国の衣類や履物に対する先人の知恵なのだろう。
しかし「靴」というのは出自が絶対的に違う。基本的に寒くて乾燥した地域のもので、足をしっかり覆っている。だから気温高く体温も高く地面も熱く汗をかき汚れる夏の靴というものがクサくなるのは構造的必然、自然の理なのだ……と諦めつつ、抗う。最近ようやく涼しくなってきたものの、ゲリラ豪雨の後など不用意に濡れて更に異臭を発する暑い時期の靴のケアに、リアルに役立った3品を今回は紹介したい。
玄関先に常備、ダイソーの除菌ペーパータオル
ゲリラ豪雨にこんなにしょっちゅう遭ってたまるか、という程度に遭遇する夏であった。筆者含め家族の靴たちは容赦なくビシャビシャに濡れた。
そもそも靴というもの普段から地面に接し、泥砂や塵を外から受けつつ、内からは足汗や皮脂や家由来の埃を受けつつ、履かれている間は気温や体温の影響もダイレクトに受けつつ、という過酷な環境にある。
それに加えての大量雨水攻撃で、濡れた状態で数時間放置したら最後、雑菌繁殖により絶対的に臭くなる。加えて靴底などに使われているポリウレタン素材は加水分解を促される。なので濡れたら早急に乾かす必要がある。
ひと昔まえなら、こういう濡れた靴には丸めた古新聞紙やチラシを詰めるのが王道だった。しかしこんにち、家庭に新聞紙が無かったりする。では何を詰めるか? トイレットペーパーは水分を含むとボロボロになるからダメだ。じゃあティッシュか? 薄くて嵩(かさ)が足りない。キッチンペーパー? 食物に使うものだし、もったいない。
というところで今年様々なところで展開されている「除菌ペーパータオル」というのを試してみることにした。これは、「水に濡らすことで除菌効果を発揮する」除菌剤が塗布されているペーパータオルで、手洗い後の手拭きや水周りの拭き取り掃除に使うものだ。
原材料はパルプとベンザルコニウムクロリド。
雨水の水分などで濡れてしまったスニーカーや革靴などにこの除菌ペーパータオルを詰めて小一時間置き、水分を移動させるのに使う。エンボスが大きくいい意味で嵩張る上、除菌成分が水分で活性化するので濡れ紙自体が臭くなるおそれがないのがまず良い。
この除菌成分だけでも臭いが抑制できそうだ。濡れた傘立ての中を拭いたり、下駄箱掃除にも使える除菌ペーパータオルはその後、玄関先の常備品となった。
毎日汗かくプロも愛用の謎の粉?「グランズレメディ」
謎の粉ではある。
ミュージカルを含む舞台オタクである筆者は、かつてコロナステイホーム期に配信されたミュージカル女優の日常ログYouTube番組でこの商品の存在を知った。
公演中、毎日舞台で同じ(衣装の)靴を履き、踊って、汗をかくミュージカル俳優御用達の消臭剤が、このグランズレメディ(日本総輸入販売元:株式会社シャッフル)なのだそうだ。これを使わないと衣装の靴は汗によりとんでもない臭いになるという。
しかし実際使ってみてギョッとした。まず、ほんとにただの粉だから。使い方も、靴の中に、その粉を付属のお匙でごく僅かに1杯、靴の中に撒くだけだから。そしてまさかとは思うが、そのまま普段通りに靴を履いてしまうものだから。足の裏に粉が付く! でもそれでいいのだ。
そんな簡便(原始的?)な使い方なのに早ければ初回から、遅くても一週間程度であの臭い靴特有の臭いは消えてしまう。謎すぎる。
いったい何でできているのだろうか。主には、ミョウバンやタルク、酸化亜鉛とされているが、いずれも昔からある素材で、特殊ではない。およそ仕組みとしては汗をかき蒸れた靴の中の水分をタルク粉で吸着しつつミョウバンや酸化亜鉛粉で雑菌の繁殖を抑制するといったシンプルなものだ。でも効果する。えげつなく。粉の配合の妙があるのだろう。
革靴のみならずスニーカーにも使えるし、サンダルなどにも粉を塗りつけるように行き渡らせて使える。
とにかく靴の臭みに悩んでいるならしのごの言わずに使ってみるべきだと思う。粉をただ入れるだけなので。
水なしでスニーカー汚れ洗浄するエステー「洗浄力 ドライ洗い」
臭いが気になるなら洗って(洗濯して)しまうのが靴にしろ何にしろ一番手っ取り早いのは道理だが、洗えないもの、洗いにくいものは厳然としてある。
例えばレザーのスニーカーだ。汗をかく運動前提の靴なのに洗えないというジレンマ。
洗えないけど、ウエットシートでざっと拭くよりもう少し深めに汚れを取りたいニーズはあるだろう。臭い対策にしても汚れの存在をそのままに水分だけ取っても、粉で誤魔化してもという部分で抵抗のある人もいるかもしれない。
というところで水を使わず泡で汚れを浮かせて取り去る洗浄剤がこのドライスニーカークリーナーだ。主成分は界面活性剤。泥砂をはじめとした靴の「汚れ」はそれ自体が臭いの原因になる菌を擁している。落とせるなら落とすに越したことはない。
専用のマイクロファイバークロスが同梱されているので、ポンプ式の洗浄剤泡をこのクロスに受けて、スニーカーに塗布して擦り拭き、乾いた部分で乾拭きする。
ビニールや革に比べ、キャンバスやナイロンのスニーカーでは泡を塗ってすぐに吸い込んでしまうので、慌ててしまうのだが少しだけ時間を置いてからマイクロファイバークロスで擦ったほうが汚れの落ち方が良い。また、黒く汚れた白いソールの汚れ落ちは著しい。時間がないときはソールだけ拭くだけでもだいぶん綺麗に見えるのでおすすめだ。
洗浄剤自体にも消臭効果があるので、これで拭くだけでも臭い対策になるだろう。
3つの合わせ技も
これらそれぞれ単体で使ってもいいが、除菌ペーパータオルで内部の湿気を抜きつつドライ洗いをし、乾いたところでグランズレメディを入れるといった合わせ技もある。
いろいろ組み合わせて悩ましい臭い靴たちを、ぜひ、どうにかしてみて欲しい。