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家電製品レビュー
パナソニック「土鍋風鍋付きIH調理器 KZ-PG30」

~この冬の鍋デビューは土鍋風鍋付きIH調理器で!
Reported by すずまり

初めてのIH調理器には土鍋風鍋がついていた

パナソニック製の土鍋風鍋付きIH調理器「KZ-PG30」
 冬といえば鍋。鍋といえばカセットコンロとガスボンベと土鍋というのが定番のセットだ。屋内外問わず運べて便利な上に、手に入りやすい。しかし、準備と片付けが少々面倒という側面もある。吹きこぼれた汚れの掃除は大変だし、途中でボンベのガス切れに見舞われやすく、時に火災の危険も伴うのがカセットコンロのデメリットなのだ。

 そこで今回は、火を使わず、磁力で加熱する卓上IH調理器に着目してみた。試したのはパナソニック製の土鍋風鍋付きIH調理器「KZ-PG30」である。何を隠そう、実はこれがIH調理器デビューなのだ。

メーカーパナソニック
製品名土鍋風鍋付きIH調理器 KZ-PG30
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格17,800円


セット内容
IHクッキングヒーター
ヒーターのフロント部分。目の不自由な方のために点字が施されている

 「KZ-PG30」はIHクッキングヒーター(以下、ヒーター)と土鍋風鍋がセットになっている商品で、ゆでる、煮る、蒸す、炒める、焼く、揚げる、味を染みこませるといった調理ができる。土鍋風鍋は、鍋物、煮物、煮込みが可能。ヒーター部分は独立して稼働するため、専用の土鍋風鍋以外のIH調理器具も利用できる。

 土鍋風鍋は「KZ-PG30」専用のため、残念ながら他社製ヒーターでは利用できないが、IH調理器ビギナーにとって最初から鍋がセットになっているというのは非常にありがたい。「IH調理器対応の鍋はどれ?」と悩むことなく、買ってきたらコンセントに挿すだけで、すぐ鍋が始められるからだ。(もちろん最初にきちんと洗いますよ!)


磁石でくっつく電源部分。器具用プラグが調理中に抜けると音で知らせてくれる 液晶パネルをみながら時間や火力を設定する
ヒーターの裏側

安全機能を装備した製品仕様

 ヒーター本体は304×345×53mm(幅×奥行き×高さ)、土鍋風鍋は大きさ内径24.4cm、深さ7.2cmで2.0kg。満水容量は3.7Lとなっている。蓋は陶器だが、鍋部分はフッ素加工されたステンレス製。コードの長さは1.9mだ。

 ヒーターに乗せる鍋はなんでもいいというわけではない。使える鍋と使えない鍋があるので要注意だ。使えるのは、底が平らでトッププレートに密着し、径が12~26cmの鉄、ホーロー、ステンレスに限られる。反対に使えないのはアルミ、銅、耐熱ガラス、一般的な土鍋(市販のIH対応土鍋も推奨されていない)で、底が丸い、反りがある、脚がついていて底が持ち上がっているタイプとなっている。

 ちょっとややこしいが、ヒーターにはちゃんと使える鍋のチェック機能が用意されているので安心してほしい。水を入れた鍋を載せて加熱ボタンを押すと、使える場合はそのまま加熱が継続し、使えない鍋の場合は約3秒後に「鍋確認マーク」を表示する。


付属の土鍋風鍋。蓋は陶器、鍋はフッ素加工されたステンレス製
あくまでも煮物や鍋物に使用する。空だき禁止のため、炒め物や焼き物、揚げ物は厳禁となっている
自宅の小ぶりの鍋を載せて、使えるかどうかチェック。無事パスしていたが、サイズ的には小さかったようだ

IH対応のフライパン。こちらも無事パスしていた。チェックする際には必ず水を入れ、空だきを防止する
鍋類を乗せてスイッチを入れると、問題なければ加熱を継続する
底が反り返ったアルミの鍋の場合、「鍋確認」マークが表示された

こちらが「鍋確認」マーク
汚れたら拭くだけという手軽さ
特に大きすぎるということもないサイズ感

 うれしいのは、加熱中でも鍋を持ち上げると自動的に加熱が停止し、戻すと再開する点。当然鍋を乗せずにいきなりスイッチをいれてもちゃんとエラーになる。これなら万が一のときも消し忘れの心配がないので安心だ。


【動画】鍋の有無を検知。ないときは「鍋確認」マークが表示されて加熱が一時停止する
※動画はすべて別ウインドウで開きます

 ヒーターのフロントには「味しみこみ」「揚げ物」が切り替えられるコースボタン、時間と分が指定できるタイマー、火力調節ボタン、停止ボタン、加熱スタートボタンといった操作ボタンが用意されている。これらのボタンで加熱の開始から温度調整、タイマーを使った自動調理を行なう。

 加熱は「加熱スタート」ボタンを押すだけ。あとは左右の矢印ボタンを押して、適切な火力を設定する。火力調整ボタンは「強」から「保温」まで7段階切り替え。75W(保温)、150W、260W(弱) 450W、700W(中)、900W、1,400W(強)となっており、開始時は「中」にセットされる。コースボタンには「味しみこみコース」と「揚げ物コース」が割り当てられている。いわば、通常加熱とのモード切替である。

 タイマーは時間と分で指定できる。ゆでる、煮る、蒸す、いためる、焼くという通常加熱では、1分~9時間55分まで指定可能だ。「味しみこみコース」は1時間単位で最大5時間まで指定可能。取り扱い説明書によれば、じっくり染みこませたいときは3~5時間、里芋などの含め煮は2~3時間、魚の煮付けなどは1時間と参考値が解説されている。「揚げ物コース」の温度調節は140~200℃まで、10℃単位で切り替えられる。

 連続的に操作を変更することは可能だが、「強で5分加熱後に自動的に弱火で15分加熱に切り替える」といったプログラム機能はついていない。アラームが鳴って切れたら、都度即スイッチを入れ直し、次の工程へ進むという操作になる。


【動画】タイマーが切れると、ブザー音ののち加熱が終了する

メリットが多いぞ! IH調理器

 これまでは必要なときだけカセットコンロを持ち出していたが、使用頻度があまりにも低いため、本体は著しく劣化しており、ボンベも古くなって使うのをためらわれる状態になっていた。かなり危険な状態だ。利用しない理由は、やはり「面倒だから」の一言に尽きる。

 IH調理なら、カセットコンロの代わりにIHクッキングヒーターを使用するので、ガスの代わりに電気を使う。電源が必要なのでカセットコンロほどポータブルではないが、室内で火を使わないという安心感、やはりこれが一番だろう。加えて、途中でボンベのガスが切れる、またはボンベの予備がなくて困るという問題からも解放される。室内の空気を汚さないし、ガス漏れの心配もない。もちろん空き缶の処分も不要である。

 しかも加熱中はタイマーで時間を計りながらの調理ができ、時間がくれば自動的に加熱が停止する。これはウッカリ防止に役立つ。鍋がないときは加熱されない、IH対応器具ではないときは動作しないなど、誤動作防止機能も用意されている。こんなことならもっと早く導入するんだった!

 IH調理器の仕組みについて知りたい方は、パナソニックの「IHガイド」を参照していただきたい。

 それでは調理例をご紹介しよう。ヒーターと他のIH対応器具を使えば炒め物や揚げ物等も可能だが、今回は付属の土鍋風鍋を駆使して楽しむというコンセプトである。


IH調理器デビューは「きりたんぽ鍋」

無性に食べたかったきりたんぽ
 取扱説明書に記載されたレシピを見て、記念すべきIH調理器デビュー料理に選んだのがきりたんぽ鍋。理由は簡単。とにかくきりたんぽが食べたかったからだ。

 このとき、カセットコンロではない手軽さを初めて味わうことができた。テーブルの上にポンと置き、スイッチ1つで強力加熱ができるので非常にスムーズ。カセットコンロの場合、ガスの残りを気にしながら、予備を用意するという配慮が必要になる。また、通常ならボンベをセットしてから無事着火するまでがちょっと緊張するのだが、今回は緊張感はまるでゼロだ。賃貸だけに寒い季節は特に火事が心配だが、火を使わない安心感はかなり大きいとも感じた。

 たくさん作ってしまい具が大量に残ってしまったのだが、翌日もそのまま同様に気軽にプレートをセット。新しいきりたんぽや団子とともに、出汁の効いた煮汁で再び煮込んでアツアツのまま鍋を堪能した。もしカセットコンロだったら、面倒なので普通の鍋に移し替えてガスコンロで温め直すところだ。

 汚れてもフラットなプレートの上を布巾で拭くだけという手軽さ。そのまま小脇に抱えて「ちょっと鍋しない?」と知人宅に押しかけてみたくなった。


強で加熱開始
煮込み終盤の様子。最後はIHであることを全く意識しないほどなじんでいた
おいしくいただきました

【動画】きりたんぽを煮込んでいる様子

テレビを見ながら、できたてアツアツ「おでん」を堪能

 煮込みの定番といえばやはりおでん。「味しみこみコース」を試すのに最適な料理だ。スーパーでセットになった具を購入し、大根やゆで卵、こんにゃくを追加した。

 流れとしては、大根やこんにゃく入りの鍋を「強」で沸騰させたら、そのまま「中」に切り替えて1時間煮込み、その他の具を追加して「味染みこみコース」にセットして2時間放置。最後にはんぺん追加してさらに煮込んで、「保温」状態でいただく、という手順。


煮込み第一弾
残りの具を入れて「味しみこみコース」を2時間にセット
「味しみこみコース」2時間後のおでん。3時間のほうがよかったかもしれないが、お腹が空きすぎていた

【動画】加熱開始の様子
【動画】加熱中にヒーターの表面温度をチェック

 結果、テレビを見ながらいつまでも熱いままのおでんを堪能できた。部屋の真ん中でおでんを煮込むのは初めての経験だったが、煮込み時間を指定できるので助かった。煮込み最中は出汁の香りを全身にまといながら仕事ができた。

 このような長時間煮込みで時間が設定できるというのはガスコンロでは味わえない機能だ。スロークッカーでもおでん作りを楽しめたが、今回は別の楽しさ、ライブ感がある。スロークッカーが「知らないうちにできている」のだとしたら、IHは、安心感のもとで作る過程も楽しむという感じなのだ。

 「鍋」の雰囲気を楽しめるというのも利点だろう。保温機能がついているので、いつまでも熱々のおでんが堪能できる。買ってきたおでんではこうはいかないし、そのためにカセットコンロは用意しまい。

 1時間「中」で煮込んだら、自動的に染みこみコースで2時間に切り替えるなど、連続タイマーなどのプログラム機能があると、もっと楽しいかもしれない。


はんぺんを加え、最後にもう少し煮込む
見た目はあっさりしているが、しっかり味が染みこんでいた
テレビをみながらおでん三昧。残りは翌日さらに味が染みこんだところをIHで温め直した

土鍋風鍋で「炊飯」にチャレンジ

土鍋風鍋での炊飯にチャレンジ。注意点は、途中で絶対に蓋を開けないこと
 付属のレシピには「さつまいもごはん」の作り方が載っていたが、頂きものの魚沼産コシヒカリがあったので、出来心で普通に米を炊いてみることにした。土鍋でご飯を炊くとおいしいというが、蓋だけ陶器の場合はどうなんだろう? という興味からだ。

 米2合、水2合弱で30分浸したあと、「強と中の間」で加熱開始。沸騰したら吹きこぼれない程度に「弱」で15分加熱。ブザーとともに停止後、再び「強」で10秒数えて停止。あとは15分程蒸らすという工程だった。

 部屋の中、しかもテーブルのど真ん中で炊飯というかつてないスタイルになったが、ユニークな体験だった。先端技術を使ったアナログ調理という感じでおもしろい。ボコボコなり始めたら沸騰している証拠。すかさず「弱」に下げ、そのままタイマーをセットした。あとは勝手に切れるのを待つだけでよい。普通の鍋とガスレンジの場合はキッチンタイマーと手動の消火になるので、この点はIHが有利だ。

 なかなかおいしいご飯が炊けて満足だ。これで炊飯器が壊れたときも安心だ。


【動画】沸騰確認後、火力を下げ、タイマーをセット
【動画】炊きたてご飯の様子

蒸らし終わった後のご飯の様子。なかなかいい出来
ご飯がおいしいと、おかずがシンプルになるから不思議だ
ご飯がこびりつかなかった

土鍋風鍋で「パエリア」作りに挑戦

 ご飯が炊けると分かれば、作ってみたくなるのがパエリアだ。土鍋の形状から想像される料理が「鍋」に限られてしまうのはさみしい。土鍋のいいところは口が大きいこと。つまり、具が豊富なパエリアは見栄えがするではないか。しかも土鍋の中身がパエリアというのは意外性もある。人が集まる寒い季節にちょうど良いのではと思ったのだ。

 付属の土鍋風鍋は炒めものができないため、炊飯までの工程はすべてキッチンでフライパンを使って行なった。下ごしらえが済んだら土鍋風鍋に移し替え、蓋をしてヒーターで調理開始である。インターネット上で見つかるさまざまなレシピを参考に、「強」で5分、「弱」で20分、その後再度「強」で1分ほど加熱し(おこげ狙い)、加熱停止後に15分ほど蒸らしてみた。


パエリア作りに初挑戦
お米を炒め、下ごしらえ中
鍋に材料を移し替える

 実はこれが初めてのパエリアデビューだったのだが、残念なことに仕上がりはやや水っぽいものになってしまった。魚介類から出る水分(ダシ汁)の量を考慮せずに水分量を決めてしまったせいだろう。


蒸らす前のパエリア。まだ芯が残っているようだった。具の並べ方に配慮すればよかったと若干後悔
蒸らし終わったパエリア。少々水っぽいのが分かる
多少失敗しても、手作りのおいしさは健在。ナンプラーを加えると、エスニックさがプラスされてさらにおいしくなる

 しかし蓋を開けたとき、湯気とともに現れた光景は最高に心をときめかせてくれた。多少水っぽくても、味はしっかりパエリアであり、存分に食べられる喜びも堪能できた。さらに極めればホームパーティの一品として、テーブルに華を添えるに違いない。


この冬、IH調理器デビューしたい方におすすめ!

 「KZ-PG30」を試して感じたのは「とにかく便利」この一言につきる。付属の土鍋風鍋以外の鍋やフライパンでは、ジーッというノイズが発生したが、それでも想像していたよりは静かだと感じた。排気音も聞こえるが、テレビを見たり、煮込み中の音なども生じるので、気にならなかった。

 鍋といえば家族団らん、もしくは友達を呼んでワイワイというイメージかもしれない。一人だから縁がないかも……と思っているなら大間違い。ハッキリ言うと一人鍋にも十分活用できる。いや、むしろ活用すべきかもしれない。

 一人でちょっと鍋をと思っても、そのためにカセットコンロを用意し、ボンベをセットして、換気も気にするというのは面倒くさい。何よりも後片付けを考えると気が引けてしまうのではないだろうか。

 しかしテーブルの上にIHクッキングヒーターをポンとのせ、コンセントにさしたら、スイッチオンならどうだろう。汚れても布巾でさっと一拭きで完了だ。最後まで温かい鍋物を堪能したいシングルにもうってつけの調理器具だといえる。

 しかも、鍋の中が沸騰していてもプレートに触れるのだ。多少ムラがあるようだが、付属の土鍋の場合、鍋の外側あたりならほとんど熱を感じない。これは安全だ。

 家族にもシングルにもうれしいIH調理器。まだIH調理器デビューしていない方は、この冬、土鍋風鍋付きから初めてみてはいかがだろうか。





URL
  パナソニック株式会社
  http://panasonic.jp/
  製品情報
  http://ctlg.panasonic.jp/product/info.do?pg=04&hb=KZ-PG30

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2008/12/15 00:02

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