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家電製品ミニレビュー
三菱電機「CS-A11C」

~シンプルで使いやすい卓上IH調理器
Reported by 安部 陽子

三菱電機「卓上タイプIH調理器 CS-A11C 」
 「卓上タイプIH調理器 CS-A11C」は、「空想生活」という商品開発を目的としたコミュニティサイトで企画され、商品化された製品である。「空想生活」とは、商品のアイディアを持ち寄り、それに触発された人がデザインを提案し、ユーザーが意見をフィードバックスルという流れで、あったらいいなという製品の商品化を図るというコミュニティサイトだ。

 メリットとしては、消費者の視点で本当によいと思えるものが製品化される点だ。また、サイトのユーザーは、自分が評価したものが、商品化されていく過程を見守り、購入の「仮予約」という形で応援することもできる。

 「空想生活」はエレファントデザイン社が運営しており、「消費者起点の商品開発」のビジネスモデルとしても、注目されている。空想生活で商品化されたものの例として、無印良品の「体にフィットするソファ」などがある。

 卓上タイプIH調理器「CS-A11C」は収納に優れていること、シンプルなデザインで無駄がないことをテーマに作られた卓上IH調理器、2006年度のグッドデザイン賞も受賞している。メーカー希望小売価格は23,100円(税込)で、Amazon.co.jpでの購入価格は19,800円(税込)だった。空想生活のサイトでは、天面のトップレートの模様が、商品化を応援したユーザー達のイニシャルになっている製品が購入できる。


付属のスタンドに立てかけたところ。立てかけて収納するところにアイディアが光る
ななめ横から裏面をみる

正面
上面
裏面

シンプルを重視したつくり

 IH調理器は、電磁波でうず電流を発生させ、上に置いた鍋の電気抵抗で熱が発生する。そのため、電流を通しやすい鉄や鋳物、ホーローなどの鍋でないと使用できない。卓上型IH調理器は家庭にある普通の100Vのコンセントを使用し、卓上型のガスコンロと同じように、テーブルの上に置いて使うものだ。

 「CS-A11C」の大きさは300×302×56mm(幅×奥行×高さ)で、重さは約3.2kg。電源のコードの長さは1.8m(実寸)ある。外観は、真っ白のスクエア型で、スイッチのつまみの他に、突起している部分はない。すぐには、IH調理器らしい「加熱」と大きく書かれた文字などが、目に入らないからだ。側面にあるスイッチの表示に気づかなければ、これがパソコンの周辺機器やAV機器だと言われても、信じてしまいそうだ。

 裏面には、電源コードを内側に巻き付けて収納する溝がある。この溝部分は排気口と吸気口もかねてあり、冷却用のファンが見えないので、裏面もすっきりしている。専用スタンドが付属している。これは収納する時に使うものだ。この専用スタンドを使わなくても、本体には安定性がとれるだけの厚みがあり、そのまま立て置きすることもできる。

 火力は側面にあるつまみで操作する。「加熱」「保温」ともに、3段階の調節があり、つまみを右に回すと「加熱」で、左に回すと「保温」だ。真ん中を合わせた状態が「off」である。加熱は「low」「mid」「high」がそれぞれ「300W」「700W」「1200W」の出力で、保温は「45~55℃」「75~85℃」「85~95℃」になっている。使用する時に使う操作は、この火力調節のつまみだけである。


大きさは300×302×56mm(幅×奥行×高さ)で、重さは約3.2kg。専用スタンドが付属する
操作スイッチ。右に回すと「加熱」で、左に回すと「保温」になる。いずれも3段階の調節ができる
電源コードはマグネットで本体に装着する

裏面にコードを収納すると、コンセントの先を押さえるようになっている
専用スタンドを使わなくても立てて置ける。本を支えることが出来るほどの安定感がある
本よりも奥行きがあるので、本棚などに立てかけて収納することは難しそうだ

 使い方は、まず電源コードをコンセントに差し込む。すると、天版の四隅にあるLEDが点灯する。次に鍋をのせ、つまみを回して加熱していくだけだ。加熱を開始した時、天版の上に鍋をおいていなかったり、鍋が使用できない種類のものであった場合など、異常があると、四隅のLEDが点滅して電源が自動的にOFFになる機能が備わっている。


強い火力で、煮込みや焼き物をしてみる

【動画】使える鍋どうかを判断する機能。使えない鍋が置かれている場合はLEDが点灯し、自動で電源が切れる(WMV形式,800KB)
 まず、IH調理器で使うことができる鍋を用意する。説明書にはステンレス製の鍋は「△」表示で、使えるものと使えないものがあるようだ。しかし、わが家のステンレス製の鍋は全滅であった。やはり、ちゃんとホーローか、鋳物、鉄製や、IH対応と書いてある鍋がよいようだ。

 さっそく、おでん用の鉄鍋で、おでんを作ってみる。

 だし汁を入れた鍋に、ちくわ、練り物、じゃがいもと、下ゆでしてあるだいこん、卵、こんにゃく、スジ肉、タコを入れて、スイッチを「high」にする。すると、10分ほどで煮立った。これを弱火の「low」の加熱で、でことこと30分ほど煮込む。できあがったおでんは、じゃがいもの中までちゃんと煮えており、だいこんは、しっかり味が染みている。

 おでん用のなべは、「CS-A11C」とほぼ同じくらいの大きさのものなのだが、水とたっぷりの具材を入れて加熱しても、10分ほどで煮立った。ガスコンロとほぼ変わらない早さである。卓上コンロではガス缶が途中でなくなってしまうという心配もあって、長時間煮込むということはあまりしないが、IH調理器なら味を染みこませるほど長時間煮込むことも可能だ。


おでん用の鉄鍋でおでんを煮る 【動画】加熱の出力を「high」→「mid」→「low」の順番で切り替えると、煮立ち方に明らかな違いがある(WMV形式,969KB)

 次に、ホーローの鍋でチーズフォンデュを作ってみた。

 IH調理器は、温度調節がしやすいので、チーズのやわらかさをこまめに調節できそうだと期待する。「low」で加熱をすると1分ほどで、チーズがトロトロになった。「45~55度」の保温にし、パンやアスパラ、ブロッコリーなどの具材をチーズに絡めて食べる。とろとろで、どこまでもチーズがのびる。食べること以上に、チーズを絡める方が楽しいので、手が止まらない。

 ところが、チーズが少なくなって底が見えるようになると、鍋の底がこげてしまっていた。一番低い温度の保温でも、チーズフォンデュセットには火力が強すぎてしまったようだ。


一番低い保温を使い、ホーローの鍋でチーズフォンデュをする
【動画】チーズはすぐにやわらかくなり、チーズフォンデュが楽しめる(WMV形式,342KB)
一番低い出力でも、加熱力は強く、鍋底をこがしてしまった

 今度はIH調理器の強い加熱を期待して、鋳物のステーキ皿で、肉を焼いてみる。

 「CS-A11C」の上にステーキ皿を置き、一気に「high」で加熱する。すると、10秒ほどでステーキ皿が非常に熱い状態になった。まだ皿の上に何も具材を置いていなかったので、煙もでておらず、危うく皿に触って火傷するところだった。

 ステーキ肉を置くと、肉が焼けるジューっという音とともに、油を飛ばしながら高温で焼けて、1分ほどで片面が焼きあがった。裏返して、少し待つともうできあがりである。焼き上がった肉は、やわらかくちょうど良い状態に焼けている。

 このステーキ皿は、直接コンロの上において使うこともできるのだが、コンロでは、爪で皿を支えることになるので、安定性が悪い。結局、ステーキはフライパンで焼き、ステーキ皿は別に温めてステーキをのせるだけになっていた。IH調理器ならば、平らで安定性がよいので、専門店のようにステーキ皿に直接肉をのせて焼くことができる。



鋳物のステーキ皿で、ステーキを焼く 【動画】加熱の「high」を使って焼く。ステーキ皿はかなり高温になっている(WMV形式,728KB)

こげつきも中性洗剤でしっかり落とせる

 お手入れ方法は、軽い汚れはしぼったふきんで拭き、油汚れは中性洗剤で拭き取るようになっている。ふきこぼれや、落ちて固まったチーズなどは、火を消して天版の温度が下がった跡、ふきんで拭くと簡単に落とすことがでた。


 しかし、ステーキ皿を使ったあと、天版にひどいこげ跡がついてしまった。ふきんで強く拭いても、落ちないほどしっかり残ってしまっている。これは中性洗剤を少しつけて、皿洗い用のスポンジでの固い方でこすったところ、取ることができた。お手入れ方法は、とても簡単である。


ステーキ皿でついた天版のこげ跡。ふきんで拭いてもこれ以上は取れない
中性洗剤を少しつけて、皿洗い用のスポンジで何度も軽くこする
こげはちゃんと取れ、もとの真っ白な状態に戻すことができた

単純な操作で使いやすい卓上IH調理器

 卓上IH調理器にはメリットとデメリットがある。ガス漏れ事故の心配がないので安全性が高く、冬のしめきった部屋でも使用できる。また加熱力も強く、省エネであり、お手入れもしやすい。しかし、使用できる鍋が限られてしまい、調理中にファンの音がする。

 最初にスイッチを入れた時、「CS-A11C」のファンの音もやはり気になった。だが、そのうちだんたん慣れてきて、鍋が煮立つころには、煮立つ音や、話し声、テレビの音などで忘れてしまう程度であった。私の場合、ファンの音が大きいので、いつもよりテレビの音量を大きくするということはなかった。

 「CS-A11C」は、他の機種にあるような揚げ物キーや煮込みキー、温度を一定に保ったり、タイマーで操作するという機能はついていない。だからといって、揚げ物や煮込みができないというわけではない。まずは、使いやすさを第一に考えて作られているので、3段階の加熱と保温という説明書を読まなくてもわかるシンプルな機能のみになっているのだ。

 もともと、デザインを考えて作られているのでインテリアの一部のように置け、1LDKの部屋でも、違和感なく使用できる。火力が強いので、電気コイルのコンロしかないというアパートや、ガス使用不可のアパートなどでは、毎日の料理用としても活躍できそうである。使い方が非常に単純で使いやすいことから、料理にまだ慣れていないという単身者にもおすすめできる。





URL
  三菱電機株式会社
  http://www.mitsubishielectric.co.jp/
  空想生活
  http://www.cuusoo.com/
  製品情報(空想生活サイト内)
  http://www.cuusoo.com/studio/user/103075/0002/

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2007/11/20 00:08

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