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家電製品ミニレビュー
エレクトロラックス「クラシックファン EFN12M」

~クールな質感の金属製扇風機
Reported by 本誌:正藤 慶一

クラシックファン EFN12M
 当コラムではこれまでに多くの扇風機を紹介してきたが、今回のエレクトロラックス「クラシックファン EFN12M」は、その中でもっともデザインにこだわった扇風機といっても過言ではないだろう。

 何といっても、銀色のメタリックなボディだ。日本で一般的に流通している扇風機というと、白くてツルツルとしたプラスチックのものが思い出されるが、本製品は素材に金属を採用。さらに、ボタンやスイッチなどの出っ張った箇所が外見からはまったく見えず、とにかくシンプルな仕上がりになっている。見た目からして涼しげな印象だ。「カッコイイ」「涼しい」という意味では、“クール”という形容詞がピッタリ当てはまりそうだ。

 これまでの扇風機とは何か違うものがあるのだろうと思い、Amazon.co.jpで購入した。希望小売価格は14,700円だが、販売価格は12,000円だった。扇風機にしては少々高めだ。


本体側面
背面
ファン部

 到着した製品は、35×40×60cm(幅×奥行き×高さ)ほどの大きな段ボールに梱包されて送られてきた。一般的な扇風機は、ファンカバーや台座部など、部品が分解された状態で梱包されており、開封後にそれらを組み立てるものが多い。そのため、段ボールは基本的に細長いハズなのだが、本製品では大きく太い。なぜだろうと疑問に思いながら段ボールを開けると、そこには既に組み立てられた状態で、EFN12Mが入っていた。これまで多くの扇風機のレビューをしてきたが、「完成品」がそのまま梱包されていたのは、本製品が初めてである。ここからしても個性的だ。

 本体サイズは、350×280×530mm(幅×奥行き×高さ)で、リビング用の扇風機としてはやや小ぶりな部類に入る。以前紹介した日立の「HEF-10R」 は371×360×705mm(同)だった。これと比べると、全体的にコンパクトで、特に高さは165mmも低いことになる。しかも、支柱を伸ばす機能はないので、この差はさらに大きくなる。一方、重量は4.6kgで、一般的なサイズの扇風機とほぼ同じ。しかし、金属の重みのせいか、プラスチックよりも安定感がある。風向は、左右は無段階に約90度、上下は約40度まで4段階に変えられる。また、リモコンや、オフタイマーは備えていない。


到着した製品の段ボールは大きい。これは製品がそのままの状態で入っているため 以前レビューで採りあげた日立の「HEF-10R」との比較。ファン部のサイズはさほど変わらないが、高さと台座がコンパクトになっている ファンカバー中央部には「Electrolux」のロゴが精巧に刻まれている

支柱部は伸縮できないが、上下約40度、4段階に変えられる ファンカバー裏側には、持ち運び用の取っ手が用意されている

 羽根は4枚で、すべてがボディと同じ金属製だ。風をよく起こすためだろうか、ファンが内側に曲げられている。羽根の先が尖っており、どことなく手裏剣を思い起こさせるデザインだ。

 電源コードはファンカバー後ろのモーター部から伸びている。さっそくコンセントに差し込み、運転開始のボタンを押す……と思ったのだが、冒頭で述べたとおり、台座部には、電源スイッチの類はない。

 説明書を見直してみると、モーター部後方にあるダイヤルが電源スイッチになっているとのこと。これを右に回して、やっとファンが回転しはじめた。パワー調節もこのダイヤルで操作可能で、強→中→弱の順に切り替わる。モーター部の裏側に手を回すのは、一般的な扇風機に使い慣れた人なら当惑してしまうだろう。ただ、台座部はとにかくキレイでピカピカに輝いており、ここにボタンがあるとなると、かなり無骨な感じになりそうだ。これがベストなデザインなのだろう。

 首振り運転の設定方法もまた独特だ。モーター部の上には、首振り/固定運転を切り替えるためのツマミが付いている。一般的な扇風機ならば、これを押すと首振り、引くと固定運転となるのだが、本製品ではこれを押し引きするのではなく、ネジのように回すことでコントロールする。固定運転時はツマミを緩め、首振り時は締める仕様なので、締める=固定するイメージすると、あべこべになってしまうので注意だ。


ご覧のとおり、台座にはスイッチやボタンといった類のものが一切ない。表面はツルツルで輝いている モーター部後方のダイヤルで電源のON/OFFと風量を切り替える

モーター部のツマミ。一般的な扇風機とは違って、これを締める/緩めることで、首振り/固定運転を切り替える 【動画】首振り運転のようす(WMV形式、約3.5MB)

 ところで、これだけ小型で風はちゃんと出ているのだろうか。風速計を使って、本体から50cm離れた位置での風速を測ってみたところ、弱/中/強運転時で、それぞれ秒速1.4/2.0/2.5mという数値が出た。ちなみに、以前、当コラムで紹介した、日立の「HEF-10R」は秒速0.9/2.2/3.4m(弱/中/強)、ナショナルの「F-CA325」は1.2/2.1/3.4m(同)、東芝の「F-LH30X」は1.1/2.5/3.0m(同)だった。強運転では少々パワーが劣るものの、「中」ならこれらの製品と同等、「弱」ではむしろ早いほどだ。家庭で使う程度なら、申し分のない数字だろう。ちなみに、消費電力は18/20/21W(同)だった。

 実際に1カ月ほど使っているが、小型なので場所を取らず、それでいて風量は一般的な扇風機並みの力があるので、なかなかの使い心地だ。最初は操作面で面食らったが、慣れてしまえばなんてことはない。特に、ボタンを省いたのは、他の扇風機ではなかなか得られなかいデザイン面でスッキリとした“クールさ”が感じられて好印象だ。


【動画】クリップ2本をセットした50cmのリボンを、扇風機のファンカバーに付けて「弱」で運転させてみたところ(WMV形式、約1.4MB) 【動画】「中」の状態(WMV形式、約1.5MB) 【動画】「強」の状態(WMV形式、約1.5MB)

本体から50cm離れた位置での「弱」の風速は1.4m/秒だった。これまでレビューした扇風機よりも若干速め
「弱」の消費電力は18W

 ただ、まだ慣れないのが、ツマミをひねるといきなり「強」運転になってしまうところだ。これまで使った扇風機は、すべて弱→中→強の順に徐々に強くなっていくタイプが多く、「弱」にするつもりでツマミを軽くひねったところ、強い風が吹いてきてびっくりすることがたまにある。独特なデザインやスタイルもいいが、せめてそれくらいはほかの扇風機に合わせてくれたっていいんじゃないかとは思う。

 また、他の扇風機のように部品をバラして小さく収納できないというのも気になる。収納スペースが少ない家庭ではあまり向かなそうだ。ただ、逆に言えば、わざわざばらしたり組み立てたりする手間がないということ。比較的小型でスペースもそれほどとらないので、収納に余裕がある人には逆にオススメかもしれない。

 非常にシンプルな機能の扇風機なので、多機能を求める人には向かないが、本製品には何といっても、ほかの扇風機とは一線を画した「デザイン」というアドバンテージがある。小型でしっかりと送風できる扇風機がほしい人や、単に涼むのではなくて、インテリアにもこだわりたい人にオススメだ。





URL
  エレクトロラックス・ジャパン株式会社
  http://www.electrolux.co.jp/
  製品情報
  http://www.electrolux.co.jp/household/products/EFN12M_16M/

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2007/08/20 00:02

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