ニュース
シャープ、住宅用太陽電池モジュールの新モデルを発表。エネルギー事業は継続の見込み
(2016/5/27 07:00)
シャープは、業界トップクラスの変換効率19.6%を実現した、住宅用 単結晶太陽電池モジュール「BLACKSOLAR(ブラックソーラー) NQ-256AF」を8月25日に発売する。価格は14万6,400円(税抜)。
シャープの住宅用太陽光発電モジュールのフラッグシップモデル。一般的な太陽電池モジュールとは異なり、表に電極面を配置しないため。セル全面で受光できる点が特徴。送電ロスも少なく、送電効率は97.5%を達成している。
新モデルでは、モジュールサイズを48直と大型化し、256Wの高出力を実現。モジュール変換効率は19.6%で、業界トップクラスとしている。
太陽電池モジュールは、熱プレスの際にシート基材と銅線の熱に対する膨張や収縮の反応の違いからひずみが発生しやすく、大型化が困難だったという。NQ-256AFでは、配線パターンの最適化に加え、生産技術の向上により銅線と電極の接続精度を高めたことで大型化を可能にした。
NQ-256AFの追加により、「ブラックソーラー」シリーズのラインナップが拡充され、異なるサイズのモジュールを組み合わせる「ルーフィット設計」の組み合わせパターンも拡がったという。屋根の形状に合わせて効率よくレイアウトできるため、寄棟屋根などの形状が複雑な屋根や、面積の小さな屋根でも設置容量のアップが図れる。
また、同社が展開する高効率パワーコンディショナ「JH-45GB3/JH-55GB3」(電力変換効率96.5%)と組みわせることで、システム全体でもより多い発電量を得られるという。
太陽光で発電し、賢く蓄えて、省エネ家電で賢く制御
住宅用太陽光電池の市場動向についても発表。住宅用市場は、出力抑制問題による消費マインドの低下などで、2014年・2015年度と需要が一時的に落ち込んだ。しかし、今後はZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)の拡大を背景に、年間1.5~1.6GWの安定需要が予測されるという。
国内のエネルギー対策において、政府は2030年までに温室効果ガスを2013年比で26%削減するという方針を掲げている。そのために、ZEHを標準的な新築住宅にする必要があるという。
ZEHの定義を満たす条件には、「1.年間の1次エネルギー消費量(冷暖房や照明など)が基準に対し、20%以上削減すること」「2.太陽光発電などの再生可能エネルギーシステムを導入すること」「3.年間の1次エネルギー消費量が正味(ネット)ゼロ以下」が挙げられている。
シャープ エネルギーソリューションカンパニー ソーラーシステム事業部 商品企画部 五角 博純氏は、同社の太陽光発電システムとZEHについて以下のように述べた。
「ZEHの実現には、発電能力の高い太陽光発電システムが必要になります。シャープは、太陽光で発電したものをクラウド蓄電池で賢く蓄え、省エネ家電でエネルギーの消費量を抑制するといった、それぞれの機器が連携するスマートシステムを提案します。環境に優しく経済的で、快適なくらしをサポートするのが、シャープが目指すホームエネルギーソリューションです」
エネルギー事業は継続~鴻海 郭 台銘総裁がコメント
また、シャープへの出資を決定した、鴻海科技集団の総裁 郭 台銘氏と、副総裁 戴 正呉氏の連名による、エネルギー事業に関するメッセージも公開。
同書には以下のようなコメントが記されていた。
「私たちは、出資手続き完了後、鴻海の持つ生産技術と全てのリソースを注ぎ込み、シャープの太陽光事業の競争力強化に邁進する所存です。
(中略)
エネルギーソリューション事業につきましては、次の事柄を私たちの心からの誓約としてお伝えします。
・シャープブランドの継続、維持、強化
・どこよりも行き届いたアフターサービスと革新的な太陽光とエネルギー関連機器をお届けし、お客様・お取引先の信用を取り戻し、エネルギーソリューション事業を拡大すること」