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ミーレは「日本の洗濯機にはない思想・哲学を持った唯一の洗濯機メーカー」
(2013/11/26 00:00)
仕上がりにこだわったドイツの高級洗濯機
ドイツの家電メーカーのミーレは、自社の洗濯機専用の洗剤ラインアップ拡充を記念して、メディア向け洗濯機セミナーを開催した。会場では、洗濯アドバイザーの中村祐一氏による、講演も行なわれた。
ミーレは、創業114年を迎えるドイツの老舗家電メーカー。冷蔵庫や食器洗い乾燥機、IHクッキングヒーター、コーヒーメーカーなど、デザイン性にこだわったビルトインタイプのキッチン家電を多く扱うほか、独自の機能を搭載した洗濯機にも定評がある。ミーレの洗濯機は、洗濯の時間、温度、プログラム、洗剤などを細かく調整できる点が特徴。洗濯する衣類が綿100%なのか、ウールなのか、麻なのかで、洗濯時間や水の温度が細かく調整されるため、衣類を傷めることなく、最適な洗い上がりを実現するという。
布質に応じた9種類の専用洗剤をラインナップ
また、同社では洗濯にこだわるあまり、自社の洗濯機専用の洗剤も開発。白物用、色柄物やウール製品、ダウン製品、フリースやマイクロファイバーなどのスポーツウエア用、ゴアテックスなどの洗濯に便利なアウトドア用など、用途に応じた9種類の洗剤をラインナップする。衣類に応じた洗剤を適量、用いることで、理想の仕上がりに近づくという。
価格帯は、1,680円(柔軟剤)~2,520円。
洗濯はエンターテイメント~中村祐一氏
会場では、洗濯アドバイザーの中村祐一氏による講演も行なわれた。中村祐一氏は、長野県・伊那市でクリーニング店店主でありながら、洗濯の楽しさをもっと世の中の人に知ってもらいたいという想いから、洗濯アドバイザーとして、講演会やメディアでの露出など様々な活動を行なっている。
中村氏はまず洗濯という行為において、「自分にとってはエンターテイメントであり、楽しいこと」だと断言。「昨年夏に、娘がカーペットにこぼしたジュースの染み抜きを、浴室で汗だくになってしているとき、自分が汗だくになっていくのと同時に、カーペットの汚れがみるみる取れていくのを見ていて、まるで夏フェスに参加しているような高揚感を感じた」と、根っからの洗濯好きエピソードを披露した。
洗濯機に関しては「日本メーカーの洗濯機は、イオン放出機能や除菌機能など、機能ばかり追い求めていて、洗濯そのものの価値が上がらない。もちろん、ユーザーからの要望に応える必要もあるが、いくら高機能にしたところで、それを上回る不満は必ず出る。だからこそ、洗濯の価値とは何か、洗濯という行為は何なのか、というところの正解を作り手が定義すべきだと思う」と話す。
一方、ミーレの洗濯機に関しては、「洗濯に対して、哲学や思想、自社なりの答えをもっている唯一のメーカー。例えば、洗濯機メーカーなのに、洗剤を作っているところからしても、洗濯に対する自社なりの答えがある」とコメント。実際、ミーレの洗濯機と専用洗剤を使って、洗濯したところ、洗い上がりに確かな違いを感じたという。
しかし、「ミーレの洗濯機を普通の洗濯機として考えると、不満が残るかも知れない」と指摘。それは、「色柄物と白物は分けるなど、事前の仕分けが必要、衣類に応じた設定が必要、運転時間が長い」などの仕様のせいで、これらは「クリーニング屋さんがやっていることに近い」のだという。そこで、中村氏はミーレの洗濯機を「自宅に一番近い、クリーニング屋さん」と表現する。
「クリーニングに出すときと同じような気持ちで、洗濯機に入れるものを仕分けすれば、後はキレイになって帰ってくる。確かに手間はかかるけれど、洋服をケアするのにも、愛情をかけるのが当たり前だというような洗濯の文化が広がってくれると嬉しい」と話した。