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ダイキンのエアコン、「第5回ものづくり日本大賞」の最高賞を受賞

~省エネ性の高い新冷媒HFC32を採用、その特許を新興国に無償で公開

新冷媒HFC32を採用したダイキン工業製エアコン「うるさら7」シリーズ

 ダイキン工業は、経済産業省が主催する「第5回ものづくり日本大賞」の製品・技術開発部門において、最高賞となる「内閣総理大臣賞」を受賞したことを発表した。

 ものづくり日本大賞とは、製造や生産現場の中核を担う人や、伝統的、文化的な技術を支える人、今後を担う若手など、日本のものづくりに携わる人々の中から、特に優秀と認められる人材およびグループを公募の上、顕彰するもの。2005年より隔年で開催され、今回で5回目を迎える。

 今回ダイキン工業が受賞した案件名は、「地球温暖化と日本のものづくり競争力強化に貢献する次世代エアコンの開発」。ダイキン工業は従来よりも省エネ効果の高い冷媒「HFC32」を採用したエアコンを世界で初めて開発し、2012年の秋から家庭向けエアコンの全機種に搭載して販売している。

新冷媒HFC32は従来の冷媒よりも省エネ性が高い。新冷媒を採用したエアコンの設置方法や使用器具は、従来と変わらない

 従来の冷媒「HFC410A」は代替フロンで、温暖化への影響が懸念されてきたが、HFC32はHFC410Aに比べて地球温暖化係数が3分の1と低く、温暖化に影響しにくい。また冷媒自体の性能が高く、使用する冷媒量も削減できるという。

 さらにダイキン工業では2011年9月に、新興国にもHFC32を普及させるべく、ダイキン工業の保有する「HFC32を使用した空調機の製造・販売に不可欠な基本特許」を無償で開放した。これにより新興国のメーカーでは、HFC空調機の生産販売が可能になったという。

 今回同社が評価を受けたポイントには、前述の低コスト化のほかに、製造時のゴミを減らしたりゴミの分別を行なう環境配慮や、省エネ性を追求した高付加価値化、営業面で海外市場の開拓を達成したことが挙げられるという。

小林 樹