日立、「焼き蒸し調理」でヘルシーな野菜炒めができるオーブンレンジ

日立アプライアンス「大火力焼き蒸し調理 ヘルシーシェフ MRO-LV300」

 日立アプライアンスは、油を使わない野菜炒めができるオーブンレンジ「大火力焼き蒸し調理 ヘルシーシェフ MRO-LV300」を5月20日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は14万円前後。

 レンジ、オーブン、グリル、スチーム、過熱水蒸気などによる調理が可能な高級オーブンレンジ。ヘルシーシェフでは、レンジ加熱でグリル皿を加熱し、フタをかぶせることにより、食材を焼きながら蒸すことができる「焼き蒸し調理機能」を搭載している点が特徴。これにより、焼き餃子や小籠包など、これまでのオーブンレンジでは調理できなかったメニューを作ることができる。

製品本体扉を開けたところ本体側面
操作パネルタッチパネル式で簡単に操作できるパールホワイトとパールレッドの2色展開

油を使わないヘルシーな炒め物ができる

 新モデルのMRO-LV300では、グリル皿の温度を最高250℃まで上げることで、野菜炒めや焼きそばなどの炒め物調理も可能となった。

 焼き蒸し調理の際に使用する専用の「大火力はかって両面グリル皿」は、レンジ加熱の時に発生するマイクロ波を吸収して発熱する仕組みで、グリル皿裏面には発熱体が備えられている。新モデルでは、新開発した2種類の発熱体をグリル皿裏面に採用し、マイクロ波を効率よく照射できる「高効率立体アンテナ」を搭載。これにより、800Wで5分レンジ加熱した際のグリル皿の温度は、従来の約200℃から250℃に向上している。

 約250℃の高温で食材に焼き目をつけて、スチームで食材に均一に熱を通すことで、油を使わずに調理するため、チンジャオロースやホイコウロウなどの炒め物もカロリーを抑え作ることができるという。

焼き蒸し調理に使用する「大火力はかって両面グリル皿」と「焼き蒸しふた」。左が従来機種のもので、右が現行モデルのもの。従来より幅が広くなったグリルの裏面には2種類の発熱体を採用した従来のアンテナ(左)は平面タイプだったが、新モデルでは立体タイプ(左)を採用。より効率がよくなったという
250℃の高温で食材に焼き目をつけて、スチームで食材に均一に熱を通すことで、油を使わずに炒め物ができるというMRO-LV300で作った野菜炒め。実際に試食してみると、野菜の食感がほどよく残る仕上がりになっていた。ただ油を使っていないので、甘みやジューシーさは少ない焼きそばも作れる

 また、食材を一度に両面から加熱できる「両面焼き」にも対応した。大火力はかって両面グリル皿を上段にも設置できる構造にしたことで、グリル皿の熱と庫内上部のグリルヒーターの熱が食材に伝わり、両面を一気に焼き上げるとという。

グリル皿を庫内上段に設置することで、両面焼きに対応「大火力はかって両面グリル皿」を上段に設置できるように、側面に収納可能なフラップを設けた両面焼きで調理したお好み焼き。左が表、右が裏側

 これらの機能増加に伴ってメニューも拡大している。オートメニューは437種類で、10分以内で調理できるスピードメニューを104種類搭載する。スピードメニューには簡単チーズケーキ、アクアパッツァ、焼き蒸しかつおのたたき風などを用意する。

操作パネルで材料や付属品も確認可能

 操作面では、従来より搭載しているタッチパネルを継承する。自動メニューを作る際に使用する材料や付属品を表示する機能を、さらに充実させており、従来の109メニューから416メニューに対応する。これにより、付属のクッキングガイドをその都度見なくてもよく、手間が省けるという。

選択したメニューで使用する付属品を画面に表示する材料なども表示するので、クッキングガイドをその都度見る手間が省略できる

 省エネ面では、本体底部に設置している「軽量テーブルプレート」の軽量化や、新開発の立体アンテナにより、マイクロ波のロスを低減。運転状況に応じて排気用のシャッターを開閉する「ecoシャッター」機能などを搭載。年間消費電力量は64.7kWh。庫内灯と液晶バックライトを調理中消灯する設定にすることで、さらなる節電が可能になる。

取り外し可能な「軽量テーブルプレート」は、厚さを4mmから3.5mmに変更し、マイクロ波のロスを低減している本体クリアモデル。上部の排気用シャッターには状況に応じて開閉する「ecoシャッター」を搭載する

 本体サイズは500×449×408mmで、重量は約21kg。本体カラーはパールホワイトとパールレッドの2色。本体は左右背面をぴったり壁に沿わせて設置できる。

 下位機種としてタッチパネル機能を省略した「MRO-LV200」、焼き蒸し調理機能を省略した「MRO-LV100」、グリル皿を省略した「MRO-LS8」を同時発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は順に110,000円前後、70,000円前後、55,000円前後。

タッチパネル機能を省略した「MRO-LV200」。店頭予想価格は110,000円前後焼き蒸し調理機能を省略した「MRO-LV100」。店頭予想価格は70,000円前後グリル皿を省略した「MRO-LS8」。店頭予想価格は55,000円前後

照明関連事業を行う新事業部を設立

常務取締役 家電事業部長 金子友通氏

 会場では、4月から常務取締役 家電事業部長に就任した金子友通氏が登壇した。金子氏はこれまで日立アプライアンスの海外向け白物家電事業を担当していた人物で、2012年3月まではタイで業務に当たっていた。金子氏は「昨年までの業績は私の成果ではありませんが」としながらも、冷蔵庫/洗濯機/クリーナー/電子レンジ/ジャー炊飯器の白物家電主要5商品のシェアが順調に推移していることを説明。

 「2006年からの約5年間でシェアは9ポイント上昇している。今後も国内向け白物家電をベースにしながらオール電化と海外向け白物家電も強化し、さらなる事業拡大を目指す」と話した。

 また照明事業を主とする「環境ビジネス機器事業部」を4月に新設したことも発表した。同社ではこれまでエアコンなどの空調機器を扱う空調事業部と、白物家電を扱う家電事業部の2つの事業部で構成されていたが、家電事業部から照明事業を取り出す形で環境ビジネス機器事業部が新設された。新事業部を設立したことにより、LED関連事業などの照明分野にもより一層注力していく構えだ。

この5年で白物家電における日立アプライアンスのシェアは確実に伸長している国内白物家電事業をベースとしながらオール電化、海外製品にも力をいれていくという4月には照明事業を扱う「環境ビジネス機器事業部」を新設した





(阿部 夏子)

2012年4月26日 14:28