シャープ、窓を閉めたまま掃除できるサイクロン式掃除機

窓を開けて掃除する人が約8割

プラズマクラスターサイクロン掃除機 EC-WX300

 シャープは、窓を閉めたまま掃除できる「プラズマクラスターサイクロン掃除機 EC-WX300」を10月20日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は9万円前後。

 除菌、脱臭効果のあるシャープ独自のプラズマクラスターイオンを搭載したサイクロン式掃除機。同社のラインナップで最上位機種に当たる製品で、吸い込んだゴミをダストカップ内部で押し固めて圧縮する機能を搭載する。

本体側面本体上部本体後部
ダストカップを外したところヘッド部分使用イメージ

 新製品では、窓を締めたまま掃除できる機能として「ダストキャッチユニット」を新たに搭載した。同社の調査によると、約8割の人が掃除機を使用する際に窓を開けると回答。シャープではその際の騒音問題や花粉・黄砂の対策問題、冷暖房の非効率性を問題とする一方で、従来の掃除機では、排気はきれいにしているものの、室内の空気はきれいにできないため、掃除機をかけることで空気中のホコリが増加している事実を指摘した。

 EC-WX300では、これらの問題を踏まえ、空気中に舞う微細なホコリを集じんするための「ダストキャッチユニット」を、本体上部に搭載した。専用の小型モーターを使用した吸引ファンが空気中のホコリを集じんすることで、室内に浮遊するホコリは従来の約半分に低減。床面だけでなく、室内の空気もきれいにできるため、掃除機使用時も窓を開ける必要がないとしている。

掃除をするときに窓を開けると答えた人は全体の約8割。一方、花粉や騒音など窓を開けて掃除する場合の問題点もあった従来の掃除機で掃除した場合、室内に舞うホコリの数は掃除開始前に比べ約35%増えていたという本体上部から室内のホコリを吸い込む「ダストキャッチユニット」を新たに搭載した
ダストキャッチユニットは吸引ファンで室内に舞うホコリを効果的に吸引できるという使用イメージダストキャッチユニット搭載の掃除機を使用した場合、掃除開始後のホコリの数は従来の約半分に低減した
1立方cm当たりのイオン濃度が約7,000個の「高濃度プラズマクラスター」を搭載する

 プラズマクラスターイオン機能では、1立方cm当たりのイオン濃度が約7,000個の「高濃度プラズマクラスター」を搭載。室内にプラズマクラスターイオンを放出することで、ダニのふんや死がいなどの浮遊アレル物質の作用を抑制するほか、ダストカップ内部にイオンを放出することで、静電気を除去し、ダストカップへのゴミやホコリの付着を抑える効果もあるという。そのほか、本体運転終了後に、約15分間イオンを放出する機能も備える。

猫の舌を応用した圧縮機構で、吸引後のゴミを約1/10まで圧縮

 サイクロン機構も見直した。ダストカップ内部のフィルターとして「なめらかステンレスメッシュフィルター」を採用。従来より凹凸の少ないフィルターにすることで、ホコリの付着率が約20%低減したという。

 また、ゴミを圧縮するスクリュー部分を従来より長くし、さらに底面のフィンの裏側に猫の舌を再現した凹凸を設けた。猫が毛づくろいする際には舌で毛をまとめて固め、一度固めた毛は再膨張しにくいという。シャープでは、ゴミの圧縮率を高めるために、猫の舌の凹凸をフィンに応用。これにより、繊維系のゴミの圧縮性能が高まり、吸引後のゴミを約1/10まで圧縮できるようになったという。

従来より凹凸の少ない「なめらかステンレスメッシュフィルター」(左)を新たに採用したスクリュー部分を従来(右)より長くした「ロングスクリュープレス」(左)を搭載した底面のフィンの部分には猫の舌の形状を応用した凹凸を設けた

新たな静音機構の採用で本体重量を約15%低減

 使い勝手の面では、静音システムを改良した。同社によると、掃除機使用時の騒音の原因は1つに絞れるものではなく、吸気の際の風切り音や、モーターの回転音、振動音、ブラシの回転音など様々な要因があるという。新モデルでは、様々な騒音に対応するため、本体の7カ所に音を低減するサイレンサーを搭載した。

 これにより、従来採用していた、音が漏れにくい二重のモーターカバーなどを使う必要がなくなり、運転音は従来機種と同等で、約52dBながら、本体重量は従来より約15%少ない5kgとした。

本体カットモデル。モーターや排気など、場所に応じたサイレンサーを搭載しているゴミ吸引時の音を低減する吸音ドームモーターの周囲には振動を吸収するゴムを採用している

 運転モードでは、吸引口を床から浮かすと自動で運転を停止する「節電アイドリングストップ エコ掃除」を搭載。最大約60%の消費電力をカットできるという。

 操作性では、ハンドル形状を水平にすることで、手首への負担を少なくした「軽・らくフィットハンドル」、手首への負担を少なく操作できるように、吸引口上にローラーを搭載した「こまわり・すみジョーズ自走ヘッド」を新たに採用している。

最大約60%の消費電力を低減できる「節電アイドリングストップ エコ掃除」手首への負担が少ない「軽・らくフィットハンドル」小回りが効くように、吸引口の上にローラーを搭載した「こまわり・すみジョーズ自走ヘッド」

 本体サイズは258×420×271mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は5kg。最大消費電力は1,000W。吸込仕事率は450W。本体カラーはメタリックブラックとシャンパンゴールド。

 そのほかのラインナップとして、ダストキャッチユニットを省略した「EC-VX300」と、ゴミの圧縮機能を省略した本体重量2.7kgの「EC-PX200」を同時発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格はEC-VX300が75,000円前後、EC-PX200が4万円前後。

EC-VX300EC-PX200
シャープ 健康・環境システム事業本部 ランドリーシステム事業部 事業部長 阪本実雄氏

 シャープ 健康・環境システム事業本部 ランドリーシステム事業部 事業部長 阪本実雄氏は、今回新たに搭載したダストキャッチユニットについて「掃除という熟語を考えてみると、掃き除くという意味がある。昔であればホウキで室内を掃いて、外に掃きだすのが当たり前で、窓を開けて掃除するというのは日本人の文化の1つであった。しかし、花粉症や騒音、節電の問題などで昔のやり方が当てはまらなくなっているのも事実。その意味で、プラズマクラスターサイクロン掃除機 EC-WX300は、清潔性と快適性を両立している」と自信を見せた。






(阿部 夏子)

2011年10月12日 16:45