三菱オスラム、E17口金とE26口金40WタイプのLED電球

~今秋発売の明るさ100W相当やE11口金用モデルも公開

 三菱電機オスラムは、E17口金のLED電球「PARATHOM(パラトン) 小型電球型 3.9W」を7月21日に、E26口金で明るさが白熱電球40W相当のLED電球「一般電球型 4.9W」を7月30日に、それぞれ発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格はいずれも2500円弱。詳細なスペックは以下の表の通り。
E17口金に取り付けるLED電球「小型電球形3.9W」。ダウンライト器具での使用が想定されている白熱電球40Wとの置き換えられるE26口金のLED電球「一般電球形4.9W」

【新製品のスペック表】
シリーズ名PARATHOM(パラトン)
製品名小型電球形3.9W一般電球形4.9W
品番LDA4L-H-E17LDA4D-H-E17LDA5L-HLDA5D-H
光色電球色昼光色電球色昼光色
口金E17E26
全光束190lm250lm
260lm320lm
白熱電球と比較した
明るさ(全光束)
小型電球25W形相当
(昼光色タイプの場合)
20~30W形程度
(昼光色タイプの場合)
白熱電球と比較した
明るさ(床面/机上面)
小型電球40W形と同等
(昼光色タイプの場合)
40W形と同等
(昼光色タイプの場合)
調光器対応-
密閉器具対応
サイズ40×71mm(直径×高さ)55×102mm(直径×高さ)
消費電力3.9W4.9W
寿命25,000時間40,000時間
店頭予想価格2,500円弱
発売日7月21日7月30日

 白熱電球との交換を狙った同社のLED電球は、白熱電球60W相当の明るさを備えたE26口金の「パラトン A55」が、2009年9月に発売されているが、E17口金のLED電球、および40W相当のLED電球は今回が初となる。

一般電球形4.9Wと白熱電球40W形の比較。試算では、電気代は1年間で約2,100円オトクになり、また13年以上も使用できるという
 E17口金の「小型電球型 3.9W」は、ダウンライト向けのLED電球。定格消費電力は小型電球の約89%減となる3.9Wながら、全光束は小型電球25W相当、床面・机上面は40W相当の明るさを備えている(数値は昼光色タイプ)。また、寿命は小型電球の12.5倍となる25,000時間となる。密閉型器具にも対応する。

 E26口金の「一般電球型 4.9W」は、白熱電球40Wとの交換を狙った商品。本体サイズは55×102mm(直径×高さ)と、一般的な白熱電球に近いコンパクトなサイズが特徴となる。消費電力は白熱電球40W形の約86%減となる4.9Wで、明るさは全光束で白熱電球20~30W程度、床面・机上面は40Wと同等となる(数値は昼光色タイプ)。寿命は白熱電球の40倍となる40,000時間。密閉型器具にも対応する。


秋には白熱電球100W相当タイプなど新製品を投入予定


 同社ではまた、2010年秋以降に発売予定の開発品として、E26口金の白熱電球100W相当タイプ、E26口金でコンパクトサイズの明るさ60Wタイプ、ミニクリプトン電球との交換用の小型電球タイプ、E17口金のレフ電球タイプ、E11口金のハロゲンランプ型の5製品を発売する計画を発表。開発品を公開した。

 なお同社では、当初は2012年3月に白熱電球の製造・販売を終了する計画を、2011年3月に前倒しすると発表している。製造終了後は、LED電球、電球形蛍光灯、電球形のハロゲンランプ「ハロゲンエナジーセーバー」の3製品を展開していくという。

今秋から発売するLED電球の開発品も公開されていた。左から、白熱電球60W相当の「一般電球形6.9W」、100W相当の「一般電球形12W」、ミニクリプトン電球代替用の「小型電球形4.5W」こちらも秋発売予定のLED電球。左はレフ電球に置き換えられるE17口金の「レフ電球形5W」、右はハロゲンランプと交換用のE11口金「ハロゲンランプ形4.5W」。三菱電機オスラムのLED電球のラインナップ。上段が現在発売中で、下段がこれから発売する商品となる
三菱電機オスラムでは、2011年3月までに、白熱電球の製造・販売中止を発表。以降は、写真の通り「LED電球」「電球形蛍光灯」「電球形ハロゲンランプ」を発売していく三菱電機の電球形蛍光灯「スパイラルピカ」シリーズ白熱電球よりもやや消費電力が少なく、寿命も1,000時間長いハロゲンランプ「ハロゲンエナジーセーバー」は、販売を継続する。価格も安く、光も白熱電球とあまり変わらないため、量販店からの引き合いも多いという

この1年でLED電球市場が躍進。日本は“ガラパゴス”ではなく世界的指標に

三菱電機オスラム 津谷公三 取締役社長
 三菱電機オスラムの津谷公三取締役社長は、LED電球の市場動向について「各社とも積極的な価格展開を行なっており、当初は年間で200万本と予想されていたが、最終的に370万本となった。4~5月は、月80~90万本という数字が出ている。年間では1,200万本まで届くのでは」と見通した。さらに、「この1年間で日本の照明市場は大きく変化しており、オスラム側でも、日本はガラパゴスではなく、世界の先行的な指標になるのではと注目している(注:三菱電機オスラムは、ドイツ・オスラム社と三菱電機の合弁会社)」と、世界からも動向が注目されている点を指摘した。

 一方で、三菱オスラムのLED電球については「これまでのラインナップが十分ではなかったため、シェアは5%にも達していない」という。津谷氏はその上で、「今年はラインナップが揃うので、シェアを10%ほどに上げていきたい」と、今後の飛躍へ意気込みを見せた

色温度が自由に変えられる蛍光灯など業務用の新製品も

 このほか業務用のLEDでは、色温度が任意に変えられる店舗用のLED照明「erise(イライズ) 色温度可変タイプ」などが、三菱電機グループの三菱電機照明から6月21日に発売される。業務用の新製品については、以下に写真を中心に紹介する。

ここからは、三菱電機照明から発売される、業務用の新製品を写真で紹介していこう。こちらは、店舗用のLED照明「erise(イライズ) 色温度可変タイプ」。無段階で色温度を変えられる点が特徴だeriseの使用例。昼は白色系の色で、夜になるほど電球色に近づけることで、雰囲気を演出できる。ローソンでの試験導入例もあるという

冷蔵室など、低温の環境でも高い発光性能を備えたLED低温用照明器具オフィスで導入例の多い「グリッド天井システム照明」用のLED既存の蛍光灯照明を、LEDにリニューアルできるキット

 三菱電機では、LED照明事業の強化を発表。オスラム製LED電球の国内導入を加速するほか、施設用のLED照明の開発に注力し、また施設用大口物件の受注拡大のために「LED営業促進センター」を新設する。2015年度には、LED照明事業全体で売上高500億円、国内シェア20%強を目指すとしている。
三菱電機では、LED照明事業の強化を発表。20年来のパートナーシップを結んでいるドイツ・オスラム社との連携をより強化していくというLED照明事業全体で売上高500億円、国内シェア20%強を目指す



(正藤 慶一)

2010年6月18日 15:50