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家電製品ミニレビュー
三菱電機オスラム「ハロゲンエナジーセーバー」

~消費電力が少なく寿命が長い“エコ”な白熱電球
Reported by 藤原 大蔵

三菱オスラム「ハロゲンエナジーセーバー」のパッケージ。ガラス球に白い塗料が塗られたホワイトタイプ(右)と、ガラス球が透明のクリアタイプ(左)がある
 我が家の玄関や洗面所、トイレでは、電球形蛍光灯ではなく白熱電球を使っている。

 ここでは本来なら、省エネに効果的な電球形蛍光灯を使いたいところだが、白熱電球は点灯した瞬間から電球本来の明るさが得られるのに対し、電球形蛍光灯はいくら最新の製品でも、すぐに100%の明るさになるわけではない。また、玄関や洗面所などは一日に何度も点けたり消したりを繰り返すような使い方をする場所ということもあり、点滅回数に限りがある電球型蛍光灯の導入をためらってしまう。

 しかしながら、白熱電球を使っているということは、消費電力は電球形蛍光灯よりも多い。たとえ点灯時間が短くても、その分電気代もかかってしまう。エコという観点からはさすがに電球形蛍光灯に劣る。

 そこで今回は、一般的な白熱電球よりも消費電力が少ない“エコな白熱電球”――三菱電機オスラムの「HALOGEN ENERGY SAVER(ハロゲンエナジーセーバー) 60W形」を紹介しよう。

 この製品、白熱電球60Wタイプと同等の明るさを持ちながら、消費電力は一般的な白熱電球よりも約25%少ない45Wで、寿命も2倍となる2千時間だという。それでいて、白熱電球と同じように点灯した瞬間から本来の明るさが得られ、形状は電球そのもの。白熱電球を用いるほとんどの器具に代替できそうだ。白熱電球をより“エコ”にしたバージョンなのである。

 なお、一般的な白熱電球のようなホワイトタイプ(ガラス球に白色の塗料が塗布されたタイプ)のほか、「きらめき感」があるというクリアタイプ(塗料が塗られておらず、ガラス球が透明)もあり、ここではどちらも紹介する。

メーカー三菱電機オスラム
製品名電球形ハロゲンランプ
HALOGEN ENERGY SAVER
(ハロゲンエナジーセーバー)
品番JD 100V45/P/L(クリアタイプ)
JD 100V45/P/LW(ホワイトタイプ)
希望小売価格いずれも840 円
購入店ヨドバシカメラ
購入価格いずれも398 円


大きさ、形状もほぼ同じ。ハロゲンランプだが直接触ってOK

 まずは大きさや特徴を比較するために、どこにでも手に入りやすいポピュラーな60Wタイプのパナソニックのシリカ電球とクリア電球も用意した。

 実際にこれらの白熱電球とハロゲンエナジーセーバーを並べて見てみると、大きさや、見た目の形状などは、ほとんど変わりがない。クリアタイプでは、内部にハロゲンランプが取り付けられている点が異なるが、単品で見た場合には白熱電球そのものである。


比較のための白熱電球。左がクリアタイプ、右がホワイトタイプ(シリカ球)。いずれもパナソニック製だ 側面から見たところ。高さはほとんど同じで白熱電球の特徴でもある“くびれ”も無理なく再現されている 電球の上から見たところ。径も同じ。ロゴマークもいかにも白熱電球っぽいデザインだ
【サイズ・重量の比較】
メーカー商品名全長 (実測)最大外径 (実測)質量 (実測)
パナソニック白熱電球(ホワイトタイプ)97 mm55 mm30 g
三菱オスラムハロゲンエナジーセーバー ホワイト96 mm55 mm31 g
パナソニック白熱電球(クリアタイプ)97 mm55 mm31 g
三菱オスラムハロゲンエナジーセーバー クリア96 mm55 mm31 g


写真右がハロゲンエナジーセーバーで、左が白熱電球(いずれもクリアタイプ)。電球の中にハロゲンランプが取り付けられている。ハロゲンランプに直接触らない構造なので、電球と同様に扱っても大丈夫
 このハロゲンエナジーセーバーは、一般的な白熱電球と同じように素手で気軽に取り扱う事ができるのも特徴だ。

 というのも、一般的なハロゲンランプは取り扱いに注意が必要になる。ハロゲンランプは、フィラメントに電流を流して発光させる点は白熱電球と同じだが、ガラス球内部にハロゲンガスを封入していることにより、フィラメントの温度が白熱電球よりも高くなる。そのため、ランプ表面の温度が高温になるため、ランプ表面に皮脂などの汚れが残っていたりするだけでも破損する原因となりやすい。水がかかる可能性の高い場所への取り付けも避ける必要がある。

 しかし本製品では、電球形蛍光灯で使われているようなガラス製のカバーでハロゲンランプが覆う構造になっているため、素手で触ってもまったく問題がないのだ。


光り方もほぼ同じ。消費電力は最大で25%カット

 実際に点灯し、その光の違いを見てみよう。ちなみに画像は同じ露出・シャッタースピードで撮影し、ホワイトタイプ同士、クリアタイプ同士のそれぞれ合成して並べている。

 ホワイトタイプに注目すると、両者に大きな違いは見られなかった。違いといえば、ハロゲンエナジーセーバーのくびれの下の部分が、白熱電球に比べ若干暗い程度かもしれない。

 一方のクリアタイプでは、その構造の違いがはっきりと見える。パナソニックのクリア電球は横方向にフィラメントが輝いているのに対し、ハロゲンエナジーセーバーはフィラメントが逆Uの字の形状で取り付けてあることから、見た目には縦方向に輝いている。


まるで同じ印象のホワイトタイプ。ちなみに左が白熱電球で、右がハロゲンエナジーセーバーだ クリアタイプでは構造の違いがはっきりと伺える。左が白熱電球で、右がハロゲンエナジーセーバー

 次に、光の広がり方、きらめき感について比べたところ、どちらのタイプのハロゲンエナジーセーバーとも、白熱電球と同じような効果を得る事が確認できた。若干の違いはあるが、それについては下の写真にて指摘する。

 ところで、ホワイトタイプとクリアタイプでは光の広がり方、質が違う。ホワイトタイプは、発光したフィラメントの光が電球内部で乱反射を起こしながら光るため、やわらかく影を落とす。落ち着きが求められる室内灯などにはホワイトタイプを利用するのが良いだろう。一方クリアタイプは、電球の存在をあまり目立たせたくない「カットガラスを用いた装飾的な照明」への取り付けや、きらめき感など、雰囲気を演出したり、商品などのものの見え方を重視するような店舗などに用いるのが良いだろう。


ホワイトタイプの白熱電球。電球を中心として同じように光が広がっているのがわかる ホワイトタイプのハロゲンエナジーセーバー。白熱電球とまったく同じように光が広がっているのがわかる

ホワイトタイプの白熱電球。ガラス食器の影の出かたがマイルドで、カットガラスやグラスの湾曲した部分の輝きが抑えられ、落ち着いた印象となる ホワイトタイプのハロゲンエナジーセーバー。ガラス食器の影の出かたがシリカ電球よりもよりマイルド

クリアタイプの白熱電球。フィラメントを支える“導入線”が床面にはっきりと影を落としている クリアタイプのハロゲンエナジーセーバー。逆U字型のフィラメント、内部のハロゲン球のガラスの屈折により若干不規則な影が落ちている

クリアタイプの白熱電球。ガラス食器の影がはっきりと現れ、カットガラスやグラスの湾曲部分にホワイトタイプよりもシャープにきらめき感が伺える クリアタイプのハロゲンエナジーセーバー。ガラス食器の影が若干淡くなるものの、パナソニックのクリア電球と比較してきらめき感に大差はない

消費電力は両タイプともカタログ値と同じ45Wだった
 点灯したついでに、ワットチェッカーで消費電力を計測してみると、消費電力はカタログ値とまったく同じ45Wだった。白熱電球ではホワイトタイプが53W、クリアタイプが59Wで、電球形蛍光灯の消費電力が10~12W程度であることを考えれば、それほど特筆すべき省エネ性能ではないかもしれないが、約15~25%ほどは確実に消費電力は抑えていることになる。寿命が2倍長持ちすることも考慮すれば、買い換えの手間や費用も省けることになる。

メーカー商品名消費電力(実測)寿命点滅寿命全光束
パナソニック白熱電球(ホワイトタイプ)53W1,000時間記載無し810ルーメン
三菱オスラムハロゲンエナジーセーバー ホワイト45W2,000時間
パナソニック白熱電球(クリアタイプ)59W1,000時間820ルーメン
三菱オスラムハロゲンエナジーセーバー クリア45W2,000時間810ルーメン
パナソニック※参考 パルックボール プレミアQ8W(安定時)13,000時間4万回750ルーメン


明るさもほぼ同じ。光のムラも特に気にならない

 次に明るさを見てみよう。テーブル面の垂直上60cmの位置に光源、その真下に照度計を配置し、明るさを測定した。撮影の際、同じシャッタースピードと露出で撮影している。

 下の画像を比較してもわかる通り、テーブル面の明るさは4つともほとんど同じような印象に映り、実際に目にしても大きな差は感じられなかった。

 細かいことを指摘すると、全光束(電球自体の明るさ)のカタログ値はほぼ同じでありながら、ハロゲンエナジーセーバーでは白熱電球よりも、ホワイトタイプで28ルクス、クリアタイプでは88ルクスも暗い数値が出た。この一番の理由は、ハロゲンエナジーセーバーは、電球の中にさらに石英ガラスで覆われたハロゲンランプが入っているため、光のムラが起こりやすいことが考えられる。

 とはいっても、実用レベルでは、その差はほとんど気にしなくても良いというレベルだ。白熱電球と取り替えて「暗くなった」とういう印象は感じられない程度であろう。


白熱電球のホワイトタイプは、545ルクスだった。十分に明るくマイルドに光が広がっている ハロゲンエナジーセーバーのホワイトタイプは517ルクス。白熱電球と同じようにマイルドに光が広がっている

白熱電球のクリアタイプは500ルクス。電球自身の乱反射が無いため、壁に器具の影がはっきりと現れている ハロゲンエナジーセーバーのクリアタイプは、412ルクスと低めの数値が出た。フィラメントの構造から、若干壁への影の出かたがやわらかくなっている

ホワイトタイプでは、左側の白熱電球は滑らかに光っているが、ハロゲンエナジーセーバーでは電球表面に、内部のハロゲンランプ自体のガラスの屈折が映りこんでいる こちらはクリアタイプ。右のハロゲンエナジーセーバーでは、石英ガラスに歪みがあるため、照度計の位置で数値が多く変わる(左は白熱電球)

 ちなみに、白熱電球と比べた電球形蛍光灯の弱点としては、調光器に対応したタイプが少ない点もある。その点、ハロゲンエナジーセーバーなら調光器にも使用可能。電球形蛍光灯ほど劇的な電力の節約にはならないが、少しだけなら電気代が安くなる。以下の写真は、調光器にハロゲンエナジーセーバーを接続して、明かりのパーセンテージを変えていったものだ。


ハロゲンエナジーセーバーを調光器で使用したところ。写真は100%の状態。(右がハロゲンエナジーセーバー、左が白熱電球)
こちらは25%の状態
1%に設定したところ

価格は一般的な白熱電球より高め。開封時に「ポロリ」をしないように注意

 気になった点としては、まずは価格だ。“白熱電球同様に使える”とはいえ、販売価格は398円と、パナソニックの白熱電球の115円程度を比べると、さすがに高い(ヨドバシカメラの通販サイトでの価格。1/28現在)。千円以上する高級な電球形蛍光灯と比べれば手は出しやすいかもしれないが……。

 また、注意したいのがパッケージだ。プラスチック素材なのだが、空中で力任せに開けようものなら、パッケージからポロっと落ちてしまうことも考えられる。開封する際には、テーブルの上などで、落とさないように気をつけて開封しよう。


高く持ち上げて開封すると、ライトをポロリと落として割ってしまう危険性も。動画後半のようにテーブルの上などで開封するようにしたい

白熱電球にこだわりたい人に

 光色も含め白熱電球との差はほとんど感じられず、なんの違和感も無く生活に馴染むことができた。しかも電気代を少しながらでも節約できるという点はとても嬉しい事だ。我が家ではすべての白熱電球をハロゲンエナジーセーバーに取り替えてしまった。

 また、電球形蛍光灯では使えないことも多い密閉型器具も可能と、使用環境の幅の広さもありがたい(パッケージには開放型器具で、と記載されているが、三菱オスラムに問い合わせたところ密閉型でも大丈夫とのことだった)。防水を施した風呂や玄関用の白熱電球器具、クリアタイプの電球を使用する「ガス灯」のような外灯にも問題なく使用できるのだ。

 なお、今回は白熱電球の60W形タイプのものを紹介したが、ホワイトタイプ、クリアタイプとも、40W形タイプが用意されていることも付け加えておく。

 電球形蛍光灯よりも白熱電球にこだわって使いたいけれど、消費電力が気になる……という人には、まさにうってつけの製品だ。





URL
  三菱電機オスラム
  http://www.mol-oml.co.jp/
  製品情報
  http://www.mol-oml.co.jp/news/frame_news08_0807.htm

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2009/01/29 00:01

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