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図書館並みに静かな浅井戸用ポンプ「スマート強(つよし)くん」

日立アプライアンス「スマート強くん WM-P250X」

 日立アプライアンスは、省エネと低騒音性に優れたミニタンク式の浅井戸・加圧給水用インバーターポンプ「スマート強(つよし)くん WM-P250X」を10月1日から発売する。価格110,000円(税抜)。

 高効率ポンプヘッドや高性能IPMモーターなどを搭載し、消費電力350Wの省エネ性と、図書館並みに静かな40dBの低騒音性を達成する浅井戸・加圧給水用インバーターポンプ(井戸用のポンプ)。

ポンプの構造図
ポンプのカットモデル
従来モデルで必要だったセンサーを廃止したセンサーレス制御方式のモーターを採用。サマリウム鉄磁石や埋め込み磁石型ローターに変更することで、高効率化と軽量化を両立
高性能IPMモーター

 新製品は電力消費を抑えつつ、安定した給水が行なえるのが特徴。特にカルマン渦式超音波流量センサーを搭載することで、水の流れを正確に把握可能にした。そのことで、モーターの回転数を最適に制御。無駄な電力消費を抑えつつ、水量の変動をなくし、安定した給水を実現したという。

発生させたカルマン渦を超音波流量センサーで計測。水量を正確に把握できるようにした
管の真ん中に逆三角形の突起を付けることで、カルマン渦を発生。水量を測定する超音波センサーを、管の外に設置できるため、故障が少ないのも特徴

 さらに、渇水時に井戸底の砂を巻き上げやすくなり、ポンプヘッド内の素材が摩耗しやすくなる問題を改善。従来製品では砲金(青銅)製を用いたライナー材質に、柔らかい素材、エラストマーを使うことで、砂による摩耗を軽減したという。この変更により、給水時の圧力低下を従来品の約半分に抑え、長期間にわたり安定した給水を可能にした。

ポンプヘッド内で、水の流れを作り出す羽根車の奥にあるのがライナー。このライナーを、エラストマー製にした
従来の砲金製ライナー。砲金(青銅)製の部品では、砂を巻き上げた場合に、部品の摩耗を抑えられなかった
今回新たなに、柔らかいエラストマー樹脂を採用。砂の衝撃エネルギーを吸収し、摩耗量を大幅に低減。そのため給水時の圧力低下を従来品の約半分に抑えられる
会場では砲金製とエラストマー製の素材を並べ、砂を勢いよくぶつけることで、摩耗性の比較実験を行なった
左の砲金素材では砂が当たった部分と当たっていない部分との差がはっきりと現れた。一方、右のエラストマー素材では、砂が当てられた部分も変化はほとんど見られなかった

 本体サイズは、275×252×310mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは10kg。配管口径は吸込み側、吐き出し側ともに25mm(直径)。全揚程が12mの場合の揚水量は28〜35L/分。

モーター出力の違う機種もラインナップ

 「スマート強くん」は、前述した250Wのほか、モーター出力が異なる4モデルがラインナップされる。それぞれの出力は、150/400/750Wで、型番は「WM-P150X」「WM-P400X」「WM-P750X」。価格は順に89,200円、165,000円、178,000円(いずれも税抜)。

河原塚 英信