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ハイアールの戦略発表会、R2-D2型の移動式冷蔵庫など枠にとらわれない家電続々

15年ぶりの黒字化を達成

 ハイアールアジアは、戦略的発表会「Innovation Trip! 2015 feat.AQUA」を開催した。同社の代表取締役社長兼CEOの伊藤嘉明氏が、これまでの同社の取り組み、現在取り組んでいるプロジェクトなどについて、自らプレゼンテーションした。

自らを家電業界の新参者とするハイアールアジア 代表取締役社長兼CEOの伊藤嘉明氏
約1時間にわたるプレゼンテーションを行なった

 ハイアールは、中国資本の大手家電メーカーで、6年連続世界シェアNO.1を獲得している。ハイアールアジアは日本を含むASEAN諸国を管轄する会社で、旧三洋電機の事業体をハイアールが引き継いだ形で2012年1月に設立した。伊藤社長は、2014年3月の就任以来、たびたび「第二の創業」、「革命」を口にしており、2015年1月に行なわれた初めての戦略発表会では、「新参者が業界に革命を起こす」とし、ディスプレイを搭載した冷蔵庫や、世界最小の洗濯機「コトン」などを発表している。

 伊藤社長はこれまでの取り組みについて、「三洋時代から数えると、15年ぶりに赤字をとめて黒字化となった」とし、経営についても一定の成果を挙げたことを明かした。その上で「本当の革命はこれから」として、現時点での家電業界の問題点、これからの方向性などについて話した。

家電は昭和30年代から止まっている

 伊藤社長は冒頭、現在の家電業界の問題点を「昭和30年代から止まっている」と話した。

 「昭和30年代当時、三種の神器と言われたテレビ、洗濯機、冷蔵庫はそれまでのライフスタイルを変えるような斬新なものだった。かつて、日本製の家電製品というのは、世界から注目されるものだった。しかし、現実には日本の家電メーカーはのきなみ業績が苦しい。それは、同じ製品を作り続けているから。だから私は革命を起こす。

 私は、タイで生まれ育って、一生のうちほとんどを海外で過ごしてきた。私が小さいころは日本の家電製品といえば、憧れで、私自身、日本人、ひいてはアジア人であることを誇りに感じていた。しかし、今の若い人たちはそれを知らない。今の日本は昏睡状態にある。AQUAというブランドが革命を起こすことによって、私は日本を再び覚醒させることができると思っている」と話し、従来の家電製品の枠にとらわれない新しいプロジェクトを次々に発表した。

ディスプレイ付き冷蔵庫はラインナップを拡充

 今年1月に発表したディスプレイ付き冷蔵庫「DIGI」では、フルHDモニターを2枚搭載した2ドアの「タイプ1」に加えて、モニター1枚を搭載したエントリーモデルの「タイプ2」、ディスプレイを4面に配置した「タイプ3」を新たにラインナップする。

フルHDモニターを2枚搭載した2ドアの「タイプ1」
モニター1枚を搭載したエントリーモデルの「タイプ2」
ディスプレイを4面に配置した「タイプ3」
上部を開いたところ。中にはワインなどが収納されていた

 いずれもインターネットと接続し、家族の伝言板、レシピ、食材管理、食材購入など、様々な使い方が提案できるという。タイプ1については今年秋に発売を予定しており、タイプ2、タイプ3については2016年以降の発売を目指す。

家族からの伝言メッセージを再生
デジタルチラシなどを表示させることもできる
例えば学校のお知らせなども、家族ごとに分けて保存することも可能

ニオイを気にせず焼き肉屋に行ける衣類エアウォッシャー

 衣類に付着したニオイや、菌などをオゾンで取り除く衣類エアウォッシャー「Racooon(ラクーン)」は6月下旬より発売予定。ジャケットなどを中に入れて電源を入れると、オゾンが中に放出され、衣類に付着したニオイなどを取り除く。価格はオープンプライス。アクアオンラインでの販売価格は84,240円(税込)。

衣類エアウォッシャー「Racooon(ラクーン)」
中にジャケットなどを入れて、付着したニオイなどを取り除く
操作部

 コットンに香水などを含ませ本体の中におくことで、好みの香りを衣類に付けられる「フレグランスモード」なども用意する。

専用ケースに市販のコットンを入れ、香水を適量吹き付ける
本体の底部に置き、約10分ほど運転させるとほんのりとした香りを衣類に付けることができる

 「焼き肉大好きだが、おろしたてのスーツやお気に入りのセーターを着ている時などは行くのを控えていた。ラクーンがあれば、躊躇せずにいける。洗いたくない、洗えない衣類も清潔に保つことができる。また、洗剤や水を使わないで洗濯できるので、敏感肌で洗剤負けしてしまうという人にも便利に使えるだろう」(伊藤社長)

 本体サイズは700×375×1,670mm(幅×奥行き×高さ)で、カバーや台座部分を含んだ本体重量は約8kg。

ミルク作りの全自動化で少子化に歯止め

 高齢化社会、少子化対策になるとして打ち出したのはミルク自動調合機「Auto milk」。ボタンを押すだけで、月齢にあった適量、適温のミルクを自動調合するというもので、母乳派には冷凍保存した母乳をセットすることで、自動で解凍、適温にする機能も備える。

 タイマー機能も備えており、夜間の飲ませ忘れなども防ぐことができるという。2016年に発売予定。

ミルク自動調合機「Auto milk」。2016年に発売予定

 「WHOでは、母乳を推奨しているが、様々な理由でそうできない人も多い。誰でも簡単に使える全自動でミルクを作るマシーンがあれば、みんなで子育てに参加できる」(伊藤社長)

測った食材を認識してカロリーを割り出すデジタルスケール

 健康志向の高まりを受けて開発しているのは、カメラ付きのデジタルスケール「CAL(カル)」。カメラで撮影した画像を認識し、栄養成分やカロリーなどをスマートフォンやパソコンで確認できる。一度認識した食材の数値やレシピ情報をアプリが学習する機能を備えており、データを簡単に蓄積、登録できるという。

 デザインは現在開発中。ポップなデザインや持ち運びを想定した携帯電話のようなデザインなどを考えているという。

カメラ付きのデジタルスケール「CAL(カル)」
カメラで食材を撮影する
スマートフォンやパソコンで、食材の栄養分などを確認できる

伊藤社長が欲しいものシリーズ

 発表会ではさらに、伊藤社長が欲しいから作ったという、冷蔵庫用の着せ替えパネル「Colo-mo(コローモ)」などを紹介。前職は映画コンテンツに関わっていたという同氏は、映画やアメリカンコミックが大好きとして、ディズニーとエクスクルーシブの提携を結んだほか、スター・ウォーズやアベンジャーズもラインナップに加える。

伊藤社長が大好きだというアベンジャーズやスター・ウォーズもラインナップに追加
冷蔵庫用の着せ替えパネル。スター・ウォーズはエピソード1からエピソード6まで網羅する
スパイダーマンなどアメコミ系のキャラクターも充実

 また、完全に自分が欲しいから作ったというのが、スター・ウォーズのR2-D2をモチーフにした移動式冷蔵庫。胴体部分に冷蔵機能を取り入れ、ペットボトルなどの飲料を保冷する。本物と同じような音声、動き、点滅など細部に渡って忠実に再現する。

 「決して悪ふざけではない、自分が欲しいから作っただけ。これも決してコンセプトモデルではない。本当に発売する」(伊藤社長)という。

スター・ウォーズのR2-D2をモチーフにした移動式冷蔵庫
胴体部分に冷蔵機能を取り入れ、ペットボトルなどの飲料を保冷する
本体側面。リモコンで操作する

 そのほか、カートのように移動させて使える移動式冷蔵庫「Carry(キャリー)」、食材の酸化を抑える冷やさない食品保存庫「Non-Ref(ノンレフ)」、洗濯槽を透明にしたスケルトン洗濯機「Clear(クリアー)」など現在開発中の製品が多数展示されていた。

カートのように移動させて使える移動式冷蔵庫「Carry(キャリー)」
食材の酸化を抑える冷やさない食品保存庫「Non-Ref(ノンレフ)」
洗濯槽を透明にしたスケルトン洗濯機「Clear(クリアー)」
今年2月に発売したハンディ洗濯機「コトン HCW-HW1」は全24色を新たに展開

 また、今年2月に発売したハンディ洗濯機「コトン HCW-HW1」については、期間限定カラー13色と、ディズニーキャラクター、スター・ウォーズキャラクター、マーベルキャラクターをデザインした新たな11色シリーズの全24色を6月下旬より順次発売する。

(阿部 夏子)