東芝、エコモードで14%節電するドラム式洗濯乾燥機

ドラム式洗濯乾燥機 TW-Z9500

 東芝は、省エネ運転モード「エコモード」で14%節電するドラム式洗濯乾燥機「TW-Z9500」を10月上旬より発売する。価格はオープンプライス。市場想定価格は300,000円前後。

 洗濯容量9kg、乾燥容量6kgのドラム式洗濯乾燥機。ZABOONシリーズは、省エネ性の高いヒートポンプと、ドラムの振動を吸収する同社独自の「アクティブサスペンション」を採用している点が特徴。アクティブサスペンションでは、磁力によってサスペンションの柔らかさを変化させ、ドラムの振動を吸収する。

本体前面扉を開いた様子本体左上の洗剤投入ケース

4つのセンサーで使用水量、洗剤量、洗濯時間を自動コントロールする「エコモード」

 新製品では、省エネ運転モード「エコモード」を採用。4つのセンサーによって洗濯から乾燥まで、衣類に合わせた使用水量、洗剤量、洗濯時間を自動コントロールする。

 センサーは、洗濯物の量を検知する「布量センサー」、布質を見極める「布質センサー」、水温を予測して洗濯時間をコントロールする「温度センサー」のほか、温風の温度から最適な乾燥時間を制御する「乾燥センサー」を追加。これにより、最大で約14%の節電、約7%の節水ができるようになった。

「布量センサー」「布質センサー」「温度センサー」「乾燥センサー」の4つで検知し、使用水量、洗剤量、洗濯時間を制御する新搭載の「乾燥センサー」は布質に合わせて乾燥時間を見極め、乾燥時間を調節する

 また、同社独自の「ヒートポンプ除湿乾燥ユニット」を改良。ヒートポンプ除湿乾燥ユニットでは、乾いた温風を衣類に当てて乾燥させるが、新製品ではコンプレッサーの振動を抑えるための「防振ゴム脚」を採用し、さらにヒートポンプユニットの冷媒流量を調整する「PMV」制御の最適化、新型乾燥ファンなどの改良を加えた。6kgの洗濯乾燥時の消費電力量は620Whで、これは業界トップクラスの省エネ性能にあたる。

コンプレッサーの振動を抑えるゴム脚を採用した新ヒートポンプユニット従来のヒートポンプユニット省エネ性の高いヒートポンプユニットを搭載している

運転音を抑え、洗濯時間を短縮する「アクティブサスペンション」

 ドラムの振動を吸収するアクティブサスペンションは、脱水立ち上げ時の大きなドラムの揺れを抑えて脱水の立ち上がりを早め、洗濯時間を従来より1分短い29分に短縮した。また、脱水時の振動がないため、洗濯から乾燥工程を表示時間どおりに終えることができる。節電、節水に繋がるほか、忙しい朝に家事をする際にも便利という。

TW-Z9500本体のカットモデル底部にアクティブサスペンションが搭載されているアクティブサスペンションを取り出したところ
脱水を立ち上げたときの揺れを防ぐ、アクティブサスペンションを採用昨年モデルより1分短い、約29分で洗濯を仕上げるアクティブサスペンションを適宜制御することで時間や水のムダを減らした

 東芝では、アクティブサスペンションと、磁力を変化させることで、最適なモーター回転数に制御する可変磁力モーター「アクティブS-DDモーター」を併せて「アクティブ制御システム」と呼称。アクティブS-DDモーターでは、回転力を直接機構に伝えるダイレクトドライブを採用したことで、駆動音を抑えた。また、側板にはドラムの振動を抑制するデザインを採用している。これにより運転音を低騒音化し、洗濯時で31dB、脱水時で38dB、乾燥時で42dBに抑えた。

アクティブS-DDモーター運転音を低騒音化し、夜家事しやすくしたという

衣類の乾きムラやシワを抑える新「上質乾燥」モードも搭載

 機能面ではほかに、乾燥工程で衣類のシワを抑える新「上質乾燥」モードを搭載。乾燥時に、ドラムの回転に動きを加えることで、乾きムラやシワが少ない状態で乾かせるという。

旧モデルではシャツの袖に細かいシワが付いてしまっていた新モデルでは、シャツの細かいシワが付いていない

 衛生面では、本体内の「抗菌水ユニット」から溶け出た洗濯液「抗菌水」で洗うことで、衣類の雑菌の繁殖を抑え、部屋干しのニオイも防ぐという。また、洗濯中に洗濯槽と水槽を除菌することで、黒カビが発生するのを抑える。

 脱水時には、洗濯槽と水槽に付着した洗剤カスなどの汚れを落とす「自動おそうじ機能」を搭載。脱水時の高速回転による水の勢いを利用して、汚れを洗い流すという。

抗菌水とピコイオンで、衣類の除菌や消臭、洗濯槽のカビ抑制や除菌を行なう脱水時に洗濯槽から勢いよく水が出てくる
ピコイオンユニット

 このほか同社独自のイオン技術「ピコイオン」の発生ユニットも搭載。ピコイオンとは微細な水に包まれたOHラジカルで、除菌・消臭の専用コースで衣類に吹きかけ、衣類表面の菌の動きを抑制し、消臭、除菌する。スーツやぬいぐるみ、革靴など水洗いできないものの除菌や消臭に適しているという。さらに、洗濯終了後にピコイオンをドラム内に吹きかけてカビの繁殖を抑える「ピコイオンカビプロテクトモード」も用意している。

 操作面では、コース名や残り時間がひと目でわかる大型液晶パネルと、操作しやすい「フラットダイヤル」を採用した。液晶パネルには時計機能を搭載しているため、タイマー予約時に、実際の時刻から仕上がりの時間を選べる。なお、運転終了時に、運転で使用した電気代と水道代の目安も確認できる。

液晶画面と操作部エコモード時は緑のランプが点灯して知らせる

 TW-Z9500の本体サイズは655×714×1,040mm(幅×奥行き×高さ)。本体重量は約80kg。カラーは左開きタイプがシェルホワイト、シェルピンク。右開きタイプがシェルホワイトのみ。

東芝ホームアプライアンス ランドリー事業部 ランドリー技術部 西村好美 主務

 東芝ホームアプライアンス ランドリー事業部 ランドリー技術部 西村好美 主務は、「新製品では、“節電、節水、節時間”という全ての面でエコにこだわった」と話す。また、働く女性が夜家事をしているという流れを受けて「ZABOONは低騒音なので、夜家事派のライフスタイルにも合う」とコメントした。

 下位モデルとしてピコイオン除菌と上質乾燥機能を省略した、洗濯容量9kg、乾燥容量6kgのドラム式洗濯乾燥機「TW-Z8500シリーズ」も発売する。価格はオープンプライス。市場想定価格は260,000円前後。






(小林 樹)

2012年8月30日 00:00