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2012年度省エネ大賞はダイキンのエアコン「うるさら7」

~次点には日立の冷蔵庫、アイリスオーヤマのLEDシーリングライトも

ダイキン工業のエアコン「うるさら7」全16機種が省エネ大賞を受賞した

 一般財団法人省エネルギーセンターは、省エネ性能が優れた製品や省エネの推進に貢献した個人や企業を表彰する「省エネ大賞」について、2012年度の受賞機器を発表した。最も優れた機器に贈られる「経済産業大臣賞」の生活家電分野で、ダイキン工業のエアコン「うるさら7シリーズ」が受賞した。

 うるさら7は、2012年11月1日に発売された家庭用のエアコンで、「新冷媒」「省エネ性」「気流」「自然の風」「光速ストリーマ(ダイキン独自の除菌・脱臭技術)」「除湿」「加湿」の7つの機能を持つ。最大の特徴は、エアコンの冷媒を、従来の代替フロン「HFC410A」から「HFC32(R32)」に変更した点で、暖房時のエネルギー効率が高いなど、冷媒としての性能が優れているという。

 ダイキンでは、新冷媒の採用にあたり、内部構造も大きく見直しており、熱交換器や室内器の吸い込み構造、送風ファン、インバーターなどを改良。この結果APF(通年エネルギー消費効率)は業界最高の7.0、省エネ基準達成率142%(4.0kWクラス)を達成している。

 一般財団法人省エネルギーセンターでは、受賞内容として「次世代冷媒R32を世界で初めて採用したルームエアコン」「少量の冷媒をコントロールする技術により、快適性と節電を両立させた新しい除湿方式」などを挙げている。

日立アプライアンスの冷蔵庫「真空チルドSLシリーズ」全11機種が資源エネルギー庁長官賞 製品(家庭)分野した。写真は容量670Lの「R-C6700」

 また、次点の資源エネルギー庁長官賞 製品(家庭)分野では、日立アプライアンスの冷蔵庫「真空チルドSLシリーズ」が受賞。同製品は、冷蔵室のチルドルームの気圧を約0.8気圧の真空状態にすることで、鮮度を保ちながら保存する「真空チルドルーム」を搭載した冷蔵庫。冷却器に付いた霜を庫内の冷却に活かす「フロストリサイクル冷却」や、冷媒流路を切り替えて庫内への熱侵入を低減する「冷媒バルブ制御」など独自の省エネ技術を搭載している。

 同センターでは、受賞理由として「シリーズ全般で省エネ基準達成率278%以上を実現」したことを挙げている。

アイリスオーヤマのLEDシーリングライト「ECOHiLUX」

 資源エネルギー庁長官賞 節電賞には、アイリスオーヤマのLEDシーリングライト「ECOHiLUX(エコハイルクス)」が選ばれた。同製品は、発光効率に優れたLEDチップと、チップの効率を最大限に引き出す電源・設計技術、光を効率良く拡散するカバーによって、エネルギー消費効率120.5lm/Wを実現している。受賞内容としては、「価格訴求力の向上にも努めており、家庭の主照明であるシーリングライトへのLEDの普及促進に貢献している」としている。

 そのほか、省エネルギーセンター会長賞には、三菱電機の衣類乾燥除湿機「MJ-120GX」、シャープのドラム式洗濯乾燥機「プラズマクラスター洗濯乾燥機 ES-Z100」、東芝ホームアプライアンスのドラム式洗濯乾燥機「ZABOON」などが選出された。

三菱電機の衣類乾燥除湿機「MJ-120GX」
シャープのドラム式洗濯乾燥機「プラズマクラスター洗濯乾燥機 ES-Z100」
東芝ホームアプライアンスのドラム式洗濯乾燥機「ZABOON」

 三菱電機の衣類乾燥除湿機「MJ-120GX」は、独自の可動式赤外線センサー「部屋干し3Dムーブアイ」を搭載した製品で、受賞理由は「余分な送風領域を極限まで削除した点」などが挙げられた。

 シャープのドラム式洗濯乾燥機「プラズマクラスター洗濯乾燥機 ES-Z100」は、シャープのドラム式洗濯乾燥機として初めてヒートポンプが搭載された製品。受賞理由は、「熱エネルギーをロスなく循環させるヒートポンプ乾燥システムを搭載した洗濯乾燥機で、6kgの洗濯乾燥時の消費電力量610Whを実現した」としている。

 東芝ホームアプライアンスのドラム式洗濯乾燥機「ZABOON」は、省エネ性の高いヒートポンプと、ドラムの振動を吸収する同社独自の「アクティブサスペンション」を採用している。受賞理由は、「『エコモード』運転を行なうと、最大で使用水量を7%、消費電力量を約14%削減することができる」としている。

 なお、省エネ大賞では家庭用家電製品のほかにも、車や燃料電池などの製品や省エネ関連のサービスや取り組みも受賞している。

阿部 夏子