日立、ホースが軽くて使いやすくなったサイクロン式掃除機

~紙パックや小型・軽量タイプなど全12機種をラインナップ
「2段ブーストサイクロン CV-SW7000」

 日立アプライアンスは、ホース部分を改良し、使い勝手が向上したサイクロン式掃除機「2段ブーストサイクロン CV-SW7000」をはじめとする掃除機の2012年モデルを発表した。ラインナップは、想定売価6万円以上の「プレミアム」クラスのサイクロン式掃除機のほか、今期より初めて投入する重量3.5kgの小型・軽量タイプ、紙パック式掃除機全12機種で、7月21日より順次発売する。

 発表会では、ハイエンドモデルに当たる「2段ブーストサイクロン CV-SW7000」が中心に紹介された。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は8万円前後。日立のサイクロン式掃除機は、集塵部を上下2段階に分けた「2段ブーストサイクロン」機構が特徴。吸い込んだゴミをサイクロン室で空気と遠心分離し、ダストケースで圧縮することで、より多くのゴミを溜めてごみ捨ての手間を減らせるという。

 同モデルは、昨年よりバイプとヘッド部分の素材にカーボン繊維強化プラスチックを使った「カーボンライト」を採用するなどして、本体の軽量化を進めてきた。その結果、販売台数は前年の3.4倍に当たる16万4千台を記録するなど、好調だったという。2012年モデルでは、基本機能はそのままに、本体の軽量化と使い勝手を向上させるため、ホース部分の形状や素材を改良したほか、モーターも新たに開発した。

本体。ルビーレッドグリップ部分ヘッド部
製品全体日立では昨年モデルより、カーボンライトを使ってヘッドやホースの軽量化を進めてきた。それがユーザーに好調だったという日立の掃除機購入者を対象に行なったアンケート。購入動機の上位に使い勝手や軽さが入っている

軽くて滑りの良いホースで掃除が楽に

 ホース部分は、細くてしなやかな「スマートホース」を新たに採用した。スマートホースは、内径が従来より10mm小さい36mmで、重量は約17%軽い約345gを実現。表面の滑りがよくなるように、パイプ表面の凸部に、潤滑剤配合の硬質樹脂を採用している。掃除機本体を取り回す際の摩擦抵抗が少なく、家具や床、衣服などにも引っかかりにくいため、作業が楽に行なえるという。

右がスマートホース、左が従来のホース。内径は従来より10mm小さい36mmで、手触りもなめらか内径を細くしたことで、重量も従来より約17%も軽くなっている表面をなめらかにしたことで、操作性もアップ。家具などへの引っかかりが少なく、作業がスムーズに行なえるという

 また、ホースが細くなったことによるパワーダウンを防ぐため、サイクロン室内の流路構造やモーターを見直した。モーターについては、ディフューザー(固定翼)を新たに設計し、吸込仕事率は従来より10W高い470Wとした。サイクロン室内の流路構造を見直したことにより、高温の風切り音を抑え、ホースを細くしたのにも関わらず、運転音は従来機種と同様、53dBを維持している。

新たに開発した高性能ファンファンモーターを採用するモーター断面図

 さらに、本体部分にもカーボンライトを採用したことで、重量は従来の5.1kgから4.9kgに軽くなっている。

 排気に関しては、気密性の高いモーターケースと、高集じんフィルターを組み合わせた独自の排気構造を従来機より継承。粒子径0.3~10μmの捕集率99.999%を実現している。

 省エネ機能では、床質を感知して自動でブラシ回転数をコントロールする「[eco]これっきり」運転を搭載。掃除の途中でヘッドを止めると自動でパワーを抑制するなどの機能も備えており、最大約75%の消費電力量を節電できるという。

 使い勝手の面では、ダストケースにティッシュペーパーをあらかじめセットしておくことで、ゴミ捨てがスムーズに行なえる「ゴミダッシュ」機構を搭載。ゴミに手を触れることなくゴミを捨てられるほか、フィルターの目詰まりを防ぐ効果もあるという。なお、電動のフィルターお手入れ機構も搭載する。

粒子径0.3~10μmの捕集率99.999%と高い排気性能を持つダストボックスからゴミを出したところ。ダストボックスにあらかじめ、ティッシュペーパーをセットしておくことで、ゴミがまとまり、フィルターの目詰まりも防ぐという

 ヘッド部は自走式の「ワイドごみハンターヘッド」を採用。カーボン繊維強化プラスチックを使っているため、軽くて扱いやすいほか、ヘッド幅30cmと広く、1回の操作で幅広く吸引できる点が特徴。ヘッド上部には運転状況を表示するパワーモニターが備えられている。

自走式の「ワイドごみハンターヘッド」カットモデルヘッドブラシはから拭き効果も期待できる「かるふきブラシ」を搭載ヘッド上部には運転状況を表示するパワーモニターを備える

 本体サイズは268×405×313mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は4.9kg。本体カラーはルビーレッドとシャンパン。

 プレミアムモデルとして、フィルターのお手入れ機構が電動でなくコード式の「CV-SW5000」と、粒子径0.3~10μmの捕集率が99.9%の「CV-SW3000」も同時発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は順に7万円前後、6万円前後。

重量3.5kgの小型・軽量タイプを新投入

小型・軽量タイプの「2段ブーストサイクロン CV-SW200」

 重量3.5kgの小型・軽量タイプのサイクロン式掃除機「2段ブーストサイクロン CV-SW200」も8月25日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は6万円前後。

 日立アプライアンスとしては、初投入となる小型・軽量タイプのサイクロン式掃除機。カーボンライトを本体、ホース、ヘッド部分に使っているほか、ホース部分はプレミアム機種と同様「スマートホース」を採用している。

 また、吸引力を維持するために、小型の高効率専用モーターを新たに設計した。

 サイクロン方式は日立独自の2段ブーストサイクロンを採用。小型サイズに合わせて、新たに設計し直したものだという。また、ダストケースにティッシュペーパーをあらかじめセットしておくことで、ゴミ捨てがスムーズに行なえる「ゴミダッシュ」機構も搭載する。排気にも性能も備えており、粒子径0.3~10μmの捕集率は約99%。

カットモデル小型のファンモデルを新たに開発した上位機種のSW3000(奥)とサイズを比べたところ。一回り小さい印象だ

 本体サイズは230×358×275mm(同)で、重量は3.5kg。本体カラーはルビーレッドとシャンパン。

 排気性能などが異なる「CV-SW100」も同時発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は45,000円前後。

スマートホース採用で使いやすくなった紙パック式掃除機

「かるパック CV-PW300」ルビーレッド

 紙パック式掃除機では、カーボンライトとスマートホースを新たに採用した「かるパック CV-PW300」を7月21日より発売する。カーボンライトとスマートホース採用により、操作性が向上した点が特徴。

 また、質量3.8kgの小型・軽量モデルでありながら、パワーと低騒音性を維持するため、モーターを改良。ファンモーターの羽根音や振動音を抑制することで、運転音は従来より約4dB小さい59dBを実現している。吸込仕事率は約500W。

 粒子径0.3~10μmの捕集率は約99.999%で、排気性能も優れている。

 本体サイズは226×330×224mm(同)で、重量は3.8kg。本体カラーはルビーレッド、シャンパン。

製品本体カットモデルシャンパン

 ラインナップとして、パワーを重視した2モデルを同時発売する。「CV-PW20」と「CV-PW10」で、吸込仕事率はいずれも660W。運転音は最大65dB。CV-PW20の捕集性能は、粒子径0.3~10μmの捕集率が約99%、CV-PW10では計測されていない。価格はオープンプライス。店頭予想価格は5万円前後、4万円前後。

カーボンライト採用の普及モデル

 本体にカーボンライトを採用した普及モデルのサイクロン式掃除機「ごみダッシュサイクロン CV-SW20」は、8月21日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は5万円前後。

 サイクロン機構が上位モデルとは異なる普及クラスのサイクロン式掃除機。ヘッドとパイプにカーボンライトを採用したことで、重量が従来に比べ約13%軽量化した点が特徴。また、新たに開発した「高性能ファンモーター」を搭載しており、吸引力にも優れているという。

 また、ダストケースにティッシュペーパーをあらかじめセットしておくことで、ゴミ捨てがスムーズに行なえる「ゴミダッシュ」機構も搭載する。排気性能は、粒子径0.3~10μmの捕集率約99%。

 省エネ性能では、床質を感知して自動でブラシ回転数をコントロールする「[eco]これっきり」運転を搭載する。

 本体サイズは255×330×219mm(同)で、重量は4kg。本体カラーはシャンパンとフレッシュピンク。

 カーボンライトを使っていない「CV-SW10」、「[eco]これっきり」運転を省略した「CV-SW9」、ヘッドにモーターを搭載していない「CV-SW8」の3機種も同時発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は順に4万円前後、3万円前後、25,000円前後。






(阿部 夏子)

2012年7月3日 17:22