消費者庁、LED電球の明るさを誇大表示した12社に再発防止命令

消費者庁から措置命令が下された、オーム電機のLED電球

　消費者庁は14日、商品パッケージの説明よりも暗いLED電球を販売していた12社に対し、景品表示法に違反する行為として、再発防止を含む措置命令を下した。

　今回措置命令を受けたのは、アガスタ、エコリカ、エディオン、オーム電機、グリーンハウス、恵安、光波、コーナン商事、スリー・アールシステム、セントレードM.E.、タキオン、リーダーメディアテクノ。この12社は、消費者に販売するLED電球において、商品パッケージに「白熱電球60W形相当の明るさ」など、白熱電球と比較した明るさを表示していたが、実際には白熱電球と同等の明るさは得られなかったという。

　日本工業規格(JIS)では、白熱電球とLED電球の明るさの比較基準を、全光束485lm(ルーメン)以上が「白熱電球40W形」相当、全光束810lm以上が「白熱電球60W形」相当と定めている。だが、コーナン商事のLED電球では、全光束430lmで「60ワット形相当の明るさ」、エディオンのLED電球では、全光束400lmで「60W形相当」という表示を行なっていた。これは基準の約半分の数値で、消費者庁では、比較対象とした白熱電球と同等の明るさを得ることができないとしている。

　なお、12社の全製品における光の総量と表示との比率幅は、最大で基準値の30.9%、最小で86.6%。

ホームセンターのコーナン商事が販売していたLED電球。表示と実際の明るさが異なる。なお、現在では表示は変更されているという	家電量販店のエディオンブランドで販売されたLED電球も、表示と実際の明るさが異なっていた

全光束が基準値以下でも、「ダウンライト使用時」「直下照度で比較した場合」など、パッケージに必要な事項が書かれていた商品は措置命令の対象にならなかった

　消費者庁ではまた、LED電球は水平方向よりも下方向へ光が送られるものが多いため、ダウンライトやスポットライトなど、水平方向へ光りが広がる必要性の低い器具に取り付ける際には、LED電球の全光束が白熱電球の全光束より低くても、下方向の明るさが白熱電球と同等であれば、同じ明るさが得られるとしている。しかし、空間全体を照らす器具に取り付ける場合、使用するLED電球の全光束が白熱電球と同等以上の全光束と同等以上でなければ、同じ明るさが得られないという。

　消費者庁では、この件が景品表示法の「優良誤認」に該当するとして、12社に対し、一般消費者に同方に違反している旨を一般消費者に周知すること、再発防止策を講じて社内に周知すること、今後は同様の表示を行なわないこと、などの措置命令を出した。これ受けて、12社のうち数社は、ホームページで消費者に向けたお詫びを掲載している。

　全光束とは、光源がすべての方向に放出する光の明るさの総和のこと。電球そのものの明るさを表すのに用いられる。単位はルーメン。面の明るさを示す照度(ルクス)や、ある方向への光の強さを表す光度(カンデラ)とは異なる。

明るさを表す単位の違い。全光束は、光源から放出された明るさの総和のこと	白熱電球と比較したLED電球の明るさの基準は、JISで規定されている