関西電力、昼のピーク時は高く、夜間が安くなる新料金体系「季時別電灯PS」
関西電力は21日、夏の節電対策として、新料金体系「季時別電灯PS」を発表した。一般家庭で利用されている「従量電灯」の範囲をカバーした料金体系で、夏期の昼間は料金が高くなる代わりに、夜間の料金が大幅に安くなる。
「季時別電灯PS」の料金体系 |
季時別電灯PSの料金体系は、基本料金が最初の10kVAまで1,155円00銭、10kVAを越えた場合は1kVAごとに378円00銭。
「ピーク時」(7月1日~9月30日、平日の13時~16時)は、1kWh当たり52円82銭。「オフピーク時」(同期間の毎日7時~23時で、ピーク時に該当しない時間)は90kWhまでが20円62銭、90~230kWhまでが26円41銭、230kWh以上が27円94銭と使用量によって段階的に変更される。「夜間」は8円19銭。
つまり季時別電灯PS契約では、夏の平日昼間と夜間とでは、電気の単価が6倍以上も異なる。
「従量電灯A」の料金体系 |
一般家庭に多い「従量電灯A」契約の場合、最低料金が最初の15kWhまで320円25銭、使用量が120kWhまでが19銭25銭、120~300kWhまでが24円21銭、300kWh以上が25円55銭となっている。
基本契約の規定が異なる上、段階的に上がる従量分の区切りが異なるため、単純に比較することは難しい。しかし、季時別電灯PSは、夜間の割引率が高いため、昼間に電気を使わず、夜間に使うようにピークシフトすることで、電気料金が下がる可能性は高い。一方、契約だけ変更して、これまでどおり昼間に電気を使うパターンを変えないでいると、電気料金が高くなる可能性が高い。
つまり、季時別電灯PSは、使用者をピークシフトに誘導するように設計された料金体系となっている。
「従量電灯B」の料金体系 |
なお、従量電灯Aよりも、使用する電気量が多い「従量電灯B」契約の場合、基本料金が1kVA当たり378円00銭。電気料金が120kWhまで16円76銭、120~300kWhまでが19円83銭、300kWh以上が20円70銭となっている。
従量電灯Bで最大使用量が10kVAの場合、基本料金が3,780円に達するが、季時別電灯PSの場合は1,155円で済む。ただし、使用量当たりの単価は夜間を除くと従量電灯Bの方が安い。つまり、使用する電気の量と時間帯によって、どちらが有利になるかが別れてしまう。
季時別電灯PSを導入する場合は、現在の契約体系が従量電灯Aの場合も従量電灯Bの場合も、自分の電力使用量と時間帯を把握した上で、関西電力の窓口に相談した方が良いだろう。
なお、関西電力では、「はぴeポイントクラブ」の新規契約とポイント加算を一時中止する。「はぴeポイントクラブ」は、主にオール電化向けの料金体系「はぴeプラン」のユーザーを対象とした組織。電気を使用すればするほどポイントが加算される仕組みになっているため、15%の節電を目標としている現在の動向にそぐわないためとしている。「はぴeプラン」自身の新規契約は継続して受け付けている。
【お詫びと訂正】初出時に、「はぴeポイントクラブ」と「はぴeプラン」を混同した記述となっており、「はぴeプラン」の新規受付が停止されたという誤解を与える文面となっていました。お詫びして訂正させていただきます。(5月25日)
(伊達 浩二)
2012年5月22日 00:00