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オムロン、睡眠時間を計測してグラフ化できる睡眠計

〜睡眠習慣を管理するウェブサービスも展開
HSL-001とHSL-101

 オムロンヘルスケアは、センサーで眠りの状態を検知し、ウェブサービスと連携して睡眠状況を改善する卓上型の睡眠計「HSL-101」を5月10日に発売する。価格はオープンプライス、市場想定価格は19,800円前後。

 眠りの状態を測る卓上型の睡眠計。同社によると、日本人の睡眠時間は世界的にもトップクラスの短さで、さらに寝不足や夜間の目覚めといった眠りの質に問題を抱える人は、62.9%にものぼるとしている。

日本人の睡眠時間は韓国に次いで2番目に短い 日本人の睡眠時間は30年前より約40分短くなっている 寝不足や夜間の目覚めといった眠りの質に問題を抱える人は、62.9%にものぼる

 HSL-101では、かすかな胸の動きや寝返りなど睡眠中の動きを検知して、実際に眠っていた睡眠時間を検出。インジケーターで、眠っていた時間帯と、起きていた時間帯を一目で確認できる。睡眠状況を自覚することで、生活改善をサポートするという。使い方は、寝ている人の胸までの距離が50〜100cmになるようにベッドサイトに置き、「おやすみボタン」を押すと、測定が始まる。測定には、人体に影響がない微弱な電波センサーを用いる。

卓上型のHSL-101 横から見ると薄い形で、リモコンのようだ 背面
側面にはパソコンへのデータ移行用のSDカードの挿入口を備える 液晶パネル部には時刻を表示する パソコンとつないでグラフを表示する
「自分の眠りを知り、眠りを積極的に創り、快適な眠りを得る」商品とサービスを提供するというコンセプトを掲げた 電波センサーの技術は、災害時に瓦礫に埋もれた人を探す機器の技術に類似しているという

 さらにHSL-101は、同社の無料ウェブサービス「ウェルネスリンク」と連携し、睡眠データをグラフ化できるサービス「SleepDesign」を開始する。データをグラフ化することで、眠りの状態が確認でき、睡眠状態の自覚を促し、さらに改善策も提案するという。

 具体的には、日々の眠りの深さを3段階の「ぐっすりレベル」で表示するほか、「睡眠時間/ぐっすり睡眠時間/寝つくのにかかった時間/夜中の目覚め時間・回数/朝早く目覚めた時間/就寝・起床時間」を週単位のグラフで表示する。

 さらに、2週間測定を続けると、眠りの傾向を「寝つき時間/夜中の目覚め/朝早い目覚め/睡眠不足/睡眠リズム」の5つの観点から分析・判定。睡眠と生活習慣や、疾病との関連など健康に関する情報を届けるという。

ウェブサービス「ウェルネスリンク」と連携し、睡眠データをグラフ化 眠りの状態をグラフによって可視化する 日々の睡眠時間の変化もわかる
夜中に目覚めることが多いなど、睡眠の傾向も分析する 生活習慣の改善策も提案する

 また、月額315円のウェルネスリンクプレミア会員向けサービスとして、睡眠の悩みを解決する「ぐっすりチャレンジ」プログラムも提供する。

 ぐっすりチャレンジプログラムでは、生活習慣を振り返り、努力すれば改善できそうな課題を3個まで決め、2週間、成否をチェックしていく。2週間後、眠りが変化したかどうかの結果を知らせるという。

月額315円のウェルネスリンクプレミア会員向けサービス「ぐっすりチャレンジ」を展開し、睡眠の悩みをより深く解決していく 生活習慣を振り返り、努力すれば改善できそうな課題を3個まで決め、2週間成否をチェックする 2週間後、眠りが変化したかどうかの結果をレポートにまとめて知らせる

 HSL-101の本体サイズは約130×100×270mm(幅×奥行き×高さ)。本体重量は約420g。電源には専用のACアダプターを使用する。パソコンには、専用のUSBケーブルのほか、SDカードからもデータを移行できる。また、「Felica」通信にも対応する。測定結果は、本体メモリには最大14回分、表示メモリには7回分記憶できる。

目覚まし機能を備えたコンパクトな睡眠計も登場

ねむり時間計 HSL-001

 このほか、目覚まし機能を備えたコンパクトな睡眠計「ねむり時間計 HSL-001」も4月10日に発売する。価格はオープンプライス、市場想定価格は5,980円前後。

 手のひらサイズの睡眠計。本体に加速度センサーを搭載し、体動による寝具の動きを検知することによって、入眠時刻と睡眠時間を計測する。使い方は、本体を枕元に置き「セットボタン」を押し、起床時に再度セットボタンを押すと、睡眠時間を表示する。

手のひらサイズの本体 背面にはボタン電池2個が収まっている 薄型の本体には、加速度センサーを搭載し、体動による寝具の動きを検知する
起きやすいタイミングでアラームが鳴る「スッキリアラーム」を備えた

 一般的な目覚まし時計としての機能に加え、寝具の動きによって体が起きだしたことを検知して、起きやすいタイミングでアラームを鳴らす目覚まし機能「スッキリアラーム」も備えている。設定したアラーム時刻の30分前以降で、タイミングを合わせてアラームを鳴らす。

 さらに、Androidスマートフォンアプリ「ねむり体内時計」と連携し、測定データを管理するサービス「SleepDesign Lite」も用意される。このサービスでは、1日ごとの測定記録、1週間ごとの寝つき時間や睡眠時間の振り返りグラフ、1カ月分の体内時計を表示する。これにより、入眠や起床時間のばらつきを一目で確認でき、体内時計を整えていくという。なお睡眠時間と体内時計のグラフは、twitterとfacebookに投稿できる。

Androidスマートフォンアプリ「ねむり体内時計」と連携 朝、スッキリ起きれたかどうかも記録できる 一週間単位でまとめて、睡眠状況を振り返れる

 HSL-001の本体サイズは約83×16×83mm(幅×奥行き×高さ)。本体重量は約64g。電源は内蔵のボタン電池CR2032が2個。電池寿命は約6カ月。測定結果は、本体メモリには最大14回分、表示メモリには1回分記憶できる。カラーはホワイト、ピンク、ブルー。

血圧や体重と同様に、睡眠を計測することも大切

 睡眠計2機種の発売にともない、会場では睡眠障害の専門家である、熊本大学 発生医学研究所 粂(くめ)和彦准教授による睡眠に関するレクチャーが行なわれた。

 粂准教授は、睡眠について「睡眠は身長と同じくらい個人差があるもの。寝る時間が長ければ良いとか、○時間が良い、と一概に言ってしまうのは間違い」と指摘。また、「睡眠は食事と同じ。食事なら、夜寝る前は控えるのと同じように、睡眠にも、この時間にとれば効率が良い、この時間にとってもあまり効果がない、というタイミングがあります」と語った。

熊本大学 発生医学研究所 粂和彦准教授 世代別の睡眠時間では、若い世代の寝不足を指摘。「15〜19歳が短く、20〜24歳になると少し伸びる。これは、受験勉強で夜更かししていて、大学生になってからよく寝ているのかも」とコメント 睡眠に関する悩みを年代別に挙げると、21〜40歳では日中の眠気、51歳以上では不眠と答える人が目立った
睡眠には個人差があることや、寝た時間の長さではなくタイミングは重要だということを、知らない人が多いと指摘 睡眠は生活習慣病の予防や改善の上で不可欠という

 そもそも睡眠の目的は脳を休めることにあるという。眠らないと、人は注意力や記憶力が低下したり、仕事の効率が落ちる。また、ホルモンバランスが乱れ、過剰な食欲や血圧の上昇を招くこともある。

 昔は長寿の敵といえば、結核菌などのばい菌や、ウィルスだったが、現代では癌、脳卒中、心臓病、糖尿病、動脈硬化性血管病といった五大疾病が挙げられる。睡眠不足には、これらの五大疾病を悪化させる可能性があるという。

ホルモンバランスも乱れ、病気を招きやすい体になる 人間以外の哺乳類では、イルカの場合、24時間動き回って、呼吸をしないと死んでしまうため、脳を左右交互に眠らせる。それだけ脳を眠らせることは大切という ちなみに、クマの冬眠や、手術時の麻酔は睡眠にはならない。クマの場合は、冬眠中も目を覚まし、約1日寝て、体温を上げて休むのだという

 粂准教授は睡眠のメカニズムについて触れた上で、「睡眠不足や、睡眠リズムの乱れ、夜型生活など、睡眠に問題を抱える人は多い。睡眠計を利用して、自分の睡眠の現実を知り、問題があれば改善していくことが重要」と述べ、血圧や体重と同様に、睡眠を計測することが大切だとまとめた。

昼間に活発に活動すると、脳が疲れて眠気を生む 体内時計によっても、眠気の起こる時間がある 体内時計の調節には、朝の光を浴びることが重要
オムロンヘルスケア 宮田喜一郎 代表取締役社長

 オムロンヘルスケア 宮田喜一郎 代表取締役社長は、睡眠計事業に初参入する理由として、「これまでは体重計や血圧計といった家庭用の健康機器を開発してきたが、睡眠は全ての弊社の事業領域の根幹に関わる問題。より健康的な生活を提案するため、今後は睡眠計の開発に力を入れていきたい」と抱負を語った。







(小林 樹)

2012年3月1日 00:00