東京電力、鹿島火力発電所のガスタービン発電設備を強化

 東京電力は6日、鹿島火力発電所に設置するガスタービン発電設備を、将来的にコンバインドサイクル化すると発表した。緊急設置電源であるガスタービン発電設備の発電効率を改善して環境負荷を低減することで、恒常的な電源として活用する。

 ガスタービン発電設備のコンバインドサイクル化は、千葉火力発電所に続いて2カ所目となる。

鹿島火力発電所ガスタービン発電設備の配置

 鹿島火力発電所のガスタービン発電設備は、東日本大震災による電力不足対策として計画された。燃料は都市ガスを使用する。2012年7月に3基目が稼働する。1基当たりの発電量は26.8万kWで、合計出力は80.4万kWを予定している。その後、2014年7月までにコンバインドサイクル化を終える予定。

 コンバインドサイクル化により、発電設備1基当たりの発電量は41.6万kWに増加し、合計出力は124.8万kWに増加する。また、ガスタービン単体では37.1%だった熱効率が、コンバインドサイクル化により約57%に改善される。

 コンバインドサイクルは、ガスタービンと蒸気タービンの複合による発電機で、ガスタービンで発生した熱を利用して、蒸気タービンを回すことで、さらに発電を行なう。今回のコンバインドサイクル化では、熱を回収する機構と、その蒸気で回す発電機が増設される。

ガスタービン発電設備のコンバインドサイクル化の仕組み





(伊達 浩二)

2012年2月10日 00:00