ダイキン、除加湿清浄機「クリアフォース」で発煙・発火事故。約17万台を無償交換へ

除加湿清浄機「クリアフォース」。品番は本体背面に記載されている

 ダイキン工業は、同社が発売する除加湿清浄機「クリアフォース」について、2件の発煙・発火事故が発生したと発表。約17万4千台の対象製品について回収のうえ、無償で2011年11月から発売している新製品に交換する。

 対象となるのは、空気清浄機能と除湿・加湿機能を1台に搭載した除加湿空気清浄機「クリアフォース」シリーズのうち、2007年9月から2011年8月までの間に製造した14機種。品番は、MCZ659-W/ACZ65J-W/MCZ65JE5-W/MCZ65JJ6-W/MCZ65JKS-W/MCZ65J-W/ACZ65K-W/MCZ65KE6-W/MCZ65KKS-W/MCZ65K-W/ACZ65L-W/MCZ65LE7-W/MCZ65LKS-W/MCZ65L-W。

 事故はこれまでに、発煙・発火が2件発生。原因はいずれも、除湿運転の際に、湿気を吸着する「除湿エレメント」の表面に付着した可燃性物質がヒータで過熱して、機内の樹脂部材に着火し、製品が発煙・発火したというもの。家屋への延焼はないという。

 発火原因の詳細としては、次の3つの条件が重なると、本体の安全装置では発煙・発火が防げなくなる恐れがあるという。

 第1の条件は、除湿エレメントに、可燃性物質と吸熱作用のある物質が一緒に付着した場合、温度の上昇が吸熱作用のある物質によって一時的に抑えられ、安全装置が作動せず、運転が停止しない可能性があること。

 第2の条件は、安全装置が作動せずに運転が継続すると、吸熱作用のある物質が熱に分解されて無くなり、その時、風量が「強」だと、酸素供給量が増加し、可燃性物質の発熱量が増大すること。

 最後の条件は、除湿エレメントが回転すると、発熱量の増大した可燃性物質が付いた部分が、加湿エレメントと重なった位置に来たときに、その輻射熱で加湿エレメントに着火し、周辺樹脂部材に延焼することがあるとしている。

クリアフォースの除湿ユニットの構造と除湿方法

 同社では4日付けの朝刊に社告を掲載。専用フリーダイヤルもしくはホームページでユーザーからの問い合わせを受け付けている。

 なおダイキン工業では、2010年4月にも、クリアフォースなど空気清浄機約87万台について、発煙・発火事故が起きたとして、無償点検を行なうと発表していた。同社によれば、2010年4月の事故原因は「電気集塵部の不具合」のため、今回の不具合とは発生要因が異なるとしている。






(小林 樹)

2012年2月3日 16:49