セールス・オンデマンド、新技術で処理能力が速くなった新型ルンバ
「ロボット掃除機アイロボット ルンバ700シリーズ」、左からエントリーモデル760、スタンダードモデル770、ハイエンドモデル780 |
セールス・オンデマンドは、米国アイロボット社の「ロボット掃除機アイロボット ルンバ700シリーズ」を10月7日より発売する。本体機能やメンテナンス付属品が異なる3機種を用意する。価格は全てオープンプライス。ハイエンドモデルの「ルンバ780」の直販サイト販売価格は79,800円。
アイロボット社独自の「人工知能 AWARE」と数十のセンサー(センサーの数は未公開)により、室内を検知、自動で掃除を行なうロボット掃除機。700シリーズでは、さまざまな環境下での掃除に素早く対応できるよう「高速応答プロセス iAdapt(アイ・アダプト)」を新たに搭載した。
ハイエンドモデルの「ルンバ780」 | 本体裏面 | 充電器にセットしているところ |
壁際などのゴミをかきだす「エッジクリーニングブラシ」 | メインブラシ |
セールス・オンデマンド 製品企画室 室長 中西良成氏 |
セールス・オンデマンド 製品企画室 室長 中西良成氏によると、「ルンバを使ったことのない人の多くは、うちは部屋が狭いから、家具が多いからルンバは使えないんじゃないか、ルンバを使って部屋を本当にきれいにできるのか不安に思っている」とし、「iAdaptを搭載した700シリーズは、従来のユーザーが不安に思っていたロボット掃除機への不安を全てクリアできる」と語った。
ルンバ700シリーズでは、人工知能 AWAREが毎秒60回以上行なう状況判断と、数十のセンサーによる検知結果を、高速応答プロセス iAdaptで高速で処理し、本体に搭載されている40以上の行動パターンから最適な動作を選択。これにより、部屋の環境や家具の配置なども考慮して、常に最適な掃除をできるほか、ゴミを残さず除去するために同じところを平均4回掃除するという。掃除時間は6畳程度の部屋で約20分、12畳の約40分、満充電時で最大1時間、約25畳の掃除まで対応する。充電時間は約3時間。
中西氏は700シリーズの進化を「従来のロボットが動きの遅いロボコップだとしたら、700シリーズは鉄腕アトム。まるで人間のように、考えたらそのまま行動に移すことができる」と説明する。なお、ゴミの除去率は、従来機種と同様の99.1%だとする。
これについては、「ゴミの除去率は、ルンバの核となる基本機能でもあるため、従来機種から追求している。そのため、決められたスペースで行なう実験においてのゴミの除去率は、以前と同じ数字となった。700シリーズでは、基本的なゴミの除去率よりもさまざまな環境においても、同様の機能を発揮できるという点を重視した」と、語った。
■新・吸引システムで、より微細なゴミにも対応
ゴミの吸引システムも改善した。従来のルンバでは、吸引したゴミとブラシでかき出したゴミを別々に処理していた。そのため、ダスト容器も2重構造となっており、ゴミ捨てにも手間がかかっていたという。700シリーズでは、ゴミをブラシでかき込みながら吸引する「NEW3段階クリーニングシステム」を採用。これにより、微細なホコリや、ダニの除去効率が高くなったほか、ダストボックスの構造が単純化され、容量も増えたという。
排気対策としては、0.3μmの微細なゴミを99%以上除去する「ダストカットフィルター」を採用する。
新たなゴミの吸引システム「NEW3段階クリーニングシステム」を採用 | 本体からダスト容器を外したところ | ダスト容器には0.3μmの微細なゴミを99%以上除去する「ダストカットフィルター」が採用されている |
軽く触れるだけで簡単に操作できる「タッチパネル」を本体表面に備える |
また、より微細なゴミを除去するため、赤外線を使った「ヒカリセンサー」を新たに搭載。綿ボコリのような軽くて、細かいゴミも残さず除去できるという。
使い勝手の面では、家具や障害物へのショックを少なくするために、ルンバ周囲に配置されている「ソフトタッチバンパー」の素材を柔らかいものに変更したほか、赤外線でルンバの動きを制御し、複数の部屋を効率良く掃除できる「ライトハウスモード」機能、ダスト容器がゴミで一杯になるとランプで知らせる「ゴミフルサイン」機能、軽く触れるだけで簡単に操作できる「タッチパネル」機能などを搭載する。
■スケジュール機能を全機種に搭載
今回、発売する3機種は本体の基本機能は同等で、従来は上位機種だけに搭載されていたスケジュール機能も全機種に搭載する。スケジュール機能とは、ルンバに掃除してほしい時間と曜日をあらかじめ本体に登録しておくことで、決められた時間に自動で掃除を行なうというもの。また、掃除終了後、自動で充電器に戻ってくる「自動充電機能」も全機種に搭載する。
スタンダードモデルの「770」、直販サイトでの販売価格は69,800円 | エントリーモデルの「760」、直販サイトでの販売価格は64,800円 |
ハイエンドモデルにあたるルンバ780には、ライトハウスモード、タッチパネル操作を搭載するほか、交換用のフィルターやブラシなどのメンテナンス部品が全種類付属するほか、エントリーモデルの「ルンバ760」はゴミの量を知らせる「ゴミフルサイン」が省略されている点などが、機種間の違いとなる。価格は全てオープンプライス。直販サイトでの販売価格は、スタンダードモデルの「770」が69,800円、エントリーモデルの「760」が64,800円。
モデル間の機能の違いをまとめた表 | ルンバの本体付属品。写真は標準タイプ。ハイエンドモデルのルンバ780にには交換用ブラシやフィルターなどがフルセットで付属する |
■販売台数は前年比237%増
セールス・オンデマンド 取締役 徳丸順一氏 |
セールス・オンデマンド 取締役 徳丸順一氏は、日本におけるルンバの販売台数は前年比237%増で、累計出荷台数35万台を突破したことを発表。背景には、共働き夫婦の増加、高齢化などがあることを指摘した。
最近では、各社から同様の製品が投入されるなど、ロボット掃除機全体の市場もさらに活性化している。会場からはこれら他社製品についての質問が出た。これについて徳丸氏は「他社製品を見るにつけ、ルンバの機能美の素晴らしさを改めて実感している。そもそも、アイロボットのロボットはシングルファンクションを基本としている。ある1つの目的のための最適な形を追求し、その形でこそ、最高の性能を発揮するという信念がある」と語った。
日本国内のロボット掃除機市場は2008年から約5倍に伸びているという | 急成長の要因として共働きの夫婦の増加などを挙げた |
■ルンバは「家族みたいな存在」
左から家電&インテリアコーディネーターの戸井田園子さん、家電コンシェルジュの神原サリーさん |
会場では家電&インテリアコーディネーターの戸井田園子さんと、家電コンシェルジュの神原サリーさんによるトークショーも行われた。お2人は、かねてからのルンバユーザーであるとし、普段の使い方や新シリーズの印象などがテーマとなった。
戸井田さんは、ルンバを選んだ理由について「掃除が大嫌いだから。仕事をしていることもあって、掃除にかける時間がない。忙しいときやそうでない時でもルンバに頼ってしまう」と話した。
神原さんは、ルンバを「家族みたいな存在」とし、「確かに掃除する前には、室内をある程度片づけなくてはいけないが、私の代わりにルンバがやってくれるんだと思うと、自然にそれくらいはやらなきゃ、という気持ちになる」と語った。
また、新シリーズについては「テーブルの足周りや壁際など、その時掃除している場所によって、素早く動きを変えて掃除してくれる」(戸井田さん)、「前モデルからの進化をはっきり感じる。ブラシの毛質も良くなって、ゴミもより取れるようになった」(神原さん)と語った。
(阿部 夏子)
2011年9月14日 18:11