北陸電力、節電の夏が終了。でんき予報も今日まで

~節電による効果は30万kWと報告
9月6日に掲載された、最後のでんき予報

 北陸電力は9日、『今後は気温の低下に伴い、需給状況の緩和も予想されることから、今夏の需給対策としてのお客さまへの節電のお願い、および当社ホームページにて公開しておりました「でんき予報」につきまして、本日をもって終了させていただきます。』と発表し、節電期間の終わりを告げるとともに、7月14日に開始されたでんき予報を終了した。

 北陸電力では、電力の需給で大きな問題が発生しなかった理由をいくつか挙げている。

 まず、需要面では顧客による節電が約30万kWあったこと、今年は夏の暑さ控えめで約10万kW需要が低下したことの2つを挙げている。

縦軸に電力、横軸に気温を取ったグラフ。気温の影響は10万kW、節電の効果は30万kWとみられる最大電力が発生した日の、時間ごとの推移。ほぼ相似形だが、今年を示す赤い線は一段低い位置にある日々の推移。下の方にある気温のグラフとの相関性が高く、暑い日は需要が高くなる

 供給面では、水力/火力発電所の補修時期の調整、降水量の増加による水力発電量の増加、他の電力会社への融通送電の抑制の3つが挙げられている。北陸電力では、当初は20万kWの融通送電を予定していたが、志賀原子力発電所1号機/2号機、日本原子力発電敦賀2号機が運転を停止していたため、自社管内の供給を優先して融通を取りやめた。

今夏の供給力。左が当初計画だったが、原発が止まったので足りなくなった。しかし、度重なる対策でかなり上積みできており、昨年の最大値でもクリアできていたことがわかる
今夏の需給バランス。最大電力を554万kWと見込んでいたが、節電などで533万kWに抑えられた。右端にある敦賀火力2号機(70万kW)のトラブルは一部では報道されていたが、ニュースリリースでは初公開。このトラブルが8月初旬~中旬だったら、切迫した事態になったことがわかる

 また、今後については『なお、原子力発電所の運転停止が継続した場合、今冬も厳しい需給状況となること が予想されます。今夏と同様に、水力・火力発電所の補修時期を調整するなど供給力の確保に努めてまいります。』としている。






(伊達 浩二)

2011年9月9日 20:44