パナソニック、中国市場でLEDなど省エネ照明事業を強化

パナソニックの中国照明事業の展望。2015年度の売上目標として、2009年度の中国における売上高5.88億元(約80億円)の約5倍となる30億元を目指す

 パナソニックは9日、中国における照明事業を強化すると発表。LEDや蛍光灯など省エネ照明を展開することで、2015年度の照明事業の売上高を、2009年度の約5倍となる30億元(約380億円)以上とし、さらに中国における照明事業のLED照明の比率を60%以上とする目標を発表した。

 具体的な強化内容としては、住宅事業については、照明器具の専門販売店のネットワークを2015年度までに5,000店まで拡大。内陸部への店舗展開も強化するという。また、エンドユーザーに対して、直接的にパナソニックグループの総合力を活かした「家まるごとソリューション」の提案も強化するという。さらに、百貨店や量販店などの流通チャネルも拡大する。

 また、一般家庭向けには、白熱電球から電球型蛍光灯「パルックボール」のグローバルモデルへの取り替えを推進する。現在のところ、300万本の交換実績があるという。LED電球については、政府によるLED化推進政策に合わせて、企画開発を推進しているという。

住宅事業の拡大として、照明器具の専門販売店のネットワークを拡大するという。写真は上海の照明専門店一般家庭向けには、白熱電球から電球型蛍光灯の取り替えを推進

 非住宅用の照明では、既存建物の照明を、高効率照明に取り替えるリノベーション事業を、中国政府と協力し、中国全土に“快適&エコな街づくり”を展開するという。2011年度以降は、LED照明のラインナップも強化し、オフィスや店舗、道路など、「ビルまるごと」「街まるごと」の省エネ提案も拡大するという。

 パナソニックグループはまた、中国の広州市で9日から12日まで行なわれる国際照明展「2011広州国際照明展覧会」にブースを出展。今後中国で発売予定の蛍光灯など省エネ照明や、日本で発売中のLED照明を展示するという。また、4月にイタリアで開催された世界最大級の国際家具見本市「ミラノサローネ」で披露した、LED照明を使った空間展示が一部再現される。

国際照明展「2011広州国際照明展覧会」に出展するパナソニックのブースミラノサローネで披露された空間展示が再現されるという

 中国での照明事業の責任者である、パナソニック役員兼パナソニック電工専務の松蔭邦彰氏は、パナソニックの照明の特徴について、「様々なメーカーからLED照明は出ているが、照明は光れば良いというものではなく、良質な空間づくりが重要。長年、ランプから器具まで手がけてきたパナソニックだから、空間作りに必要な“光の使いこなし方”のノウハウがある」と語った。






(正藤 慶一)

2011年6月10日 00:00