東芝、洗濯9kgを35分で洗濯できるドラム式洗濯乾燥機「ZABOON」

ドラム式洗濯乾燥機「ZABOON」。左から取締役社長 石渡敏郎氏、CMキャラクターを務める女優の天海祐希さん

 東芝ホームアプライアンスは、洗濯9kgを35分で洗濯できるドラム式洗濯乾燥機「ZABOON(ザブーン)」4機種を10月下旬より順次発売する。製品の詳細は以下の表の通り。


製品名ZABOON(ザブーン)
形名TW-Z9100LTW-Z9100RTW-Z8100LTW-Z8100R
扉開き左開き右開き左開き右開き
発売日10月下旬11月下旬10月下旬11月下旬
希望小売価格オープンプライス
店頭予想価格30万円前後27万円前後


 洗濯・脱水容量9kg、乾燥容量6kgのドラム式洗濯乾燥機。同社の最上位機種にあたる「ZABOON」の新モデル。ZABOONは、洗い工程と脱水工程のモーターの駆動力を、磁力の変化によって制御する「ACTIVE S-DDモーター」を搭載する。モーター回転数を最適化することで、無駄な電力消費を抑えるほか、ドラムを効率的に回転、停止させることでたたき洗いなどの効果を高めている点が特徴。
TW-9100L レディッシュゴールド本体側面のカットモデル操作パネル
磁力によってモーターの駆動力を最適化するACTIVE S-DDモーター洗濯時と脱水時の駆動力を制御する

 新モデルでは、ドラムの振動を吸収するサスペンションの柔らかさを、磁力によって変化させる「アクティブサスペンション」を新たに採用した。

 サスペンションとは、ドラムが回転する際の振動を抑えるための緩衝装置。従来のサスペンションは、ドラム内に衣類が偏っている場合などバランスを取り直す動作が必要だったという。そのため、ドラム式洗濯乾燥機では、偏りが生じやすい重量のあるデニムや、バスマットなどを洗濯するのには向いていなかったとする。

 アクティブサスペンションでは、内部に電磁石と磁力を与えると粘性が高まる「MR流体」を内蔵し、磁力の変化によって、サスペンションの柔らかさを工程に応じて変更する。通常運転時はサスペンションを柔らかく、脱水時は硬くすることで、運転時の振動を抑える効果があるほか、バスマットや柔道着など重くて片寄りやすく、かさばる衣類なども洗濯・脱水できるという。また、衣類の片寄りによる振動を抑えることで、運転音も抑えている。運転音は洗い時31dB、脱水時38dB、乾燥時42dB。

従来のドラム式洗濯乾燥機は片寄りやすく、重い衣類やかさばる衣類などには向いていなかった磁力によって硬さを変えるアクティブサスペンションアクティブサスペンションのカットモデル
アクティブサスペンションでは、磁力をかけることで中のオイルの粘性を変えるサスペンションの硬さを運転状況に応じて変化させる。通常運転時は柔らかくドラムの回転数が速くなる脱水運転時は硬くする

 さらに、ACTIVE S-DDモーターとアクティブサスペンションを組み合わせた「アクティブ制御システム」により、ドラムの回転を早め、衣類全体にシャワーを当てる「遠心洗い」を通常の洗濯工程に組み込んだ。これにより、9kgの衣類を洗濯するときにかかる時間は従来より約10分短い約35分とした。

運転上に応じてサスペンションの硬さを変化させることで、運転時の振動を抑えることができるというサスペンションはドラムの下に設置される衣類をしっかり広げて洗う遠心洗いを、洗浄工程中に組み込んだ

 乾燥機能では、乾いた温風を衣類に当てて乾燥する「ヒートポンプ除湿乾燥」を搭載。ヒーター乾燥方式に比べて低温の約60℃で乾燥するため、衣類の縮みや傷みを抑えて仕上げることができるという。新製品では、温風の循環を促すファンユニットの効率を約10%向上させたほか、アクティブ制御システムによる「遠心乾燥」方式を組み込んだ。乾燥途中でドラムを速く回転させ、衣類をドラムに押し広げるようすることで、シワを抑えた仕上がりになるという。

本体に搭載するヒートポンプユニット熱交換器で、水分を飛ばした温風を衣類に当てて乾燥する「ヒートポンプ除湿乾燥」を採用する

 省エネ性では、センサーで布量・布質・温度を感知し、最適な制御を行なう「エコモード」を搭載。

 洗浄機能では、また、洗濯工程中に、ドラム上部から高圧のダブルシャワーを衣類に当てることで、洗剤液の浸透を良くする「高圧ダブルシャワー」を引き続き搭載。また、TW-Z9100L/Rには、同社独自の「ピコイオン」で、衣類の除菌・脱臭を行なう専用コースを設ける。ピコイオンとは、微細な水に包まれたOHラジカルのこと。皮靴やスーツなど水洗いできないものの除菌・消臭を行なうほか、洗濯槽のカビの繁殖を抑えることもできるという。

 使い勝手では、すすぎ1回で済む高濃縮洗剤用にすすぎ回数を簡単に替えられる「すすぎ回数」ボタンを新たに採用している。

 TW-Z9100L/Rの本体サイズは、655×714×1,040mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約80kg。本体カラーはレディッシュゴールドとプラチナベージュ。

東芝ホームアプライアンス取締役社長 石渡敏郎氏

 東芝ホームアプライアンス取締役社長 石渡敏郎氏は、同社の家電製品の基本コンセプトとして掲げている「ママゴコロ」のコンセプトについて「ママに嬉しい家電はママだけでなく、誰にとっても嬉しい家電であると思っている。ユーザーの視点に立ち、そのニーズから製品を生み出すことが基本」と語った。

 会場からは、中国の家電製品メーカーのハイアールやLGなどのメーカーが、最近日本市場に意欲的だが、これについて今後どのような対応を取るのかという質問が出た。これについて石渡氏は「商品の選択肢が増えるという意味で、ユーザーにとっては良いことだと思う。東芝としては、スタンスを変えるわけではなく、これまでやってきたことを続けていくだけ。ただ、家電製品は長く使い続けるものなので、機能だけでなく品質やアフターサービスなどにこれまで以上に注力していきたい」と語った。





(阿部 夏子)

2010年9月22日 00:00