ダイソン、炭素繊維で床面のホコリを取り除く掃除機「カーボンファイバー DC26」

ダイソン「カーボンファイバー DC26」

 ダイソンは、カーボンファイバーで床面のホコリを取り除くサイクロン式掃除機「carbon fibre(カーボンファイバー) DC26」シリーズを、9月下旬に発売する。ダイソンのオンラインストアでは9月6日に発売される。

 ラインナップは全3タイプで、価格はすべてオープンプライス。


※ソフトブラシツール、フトンツール、フレキシブル隙間ノズルの3点
シリーズ名ダイソン カーボンファイバー
製品名DC26
moterhead complete
(モーターヘッド
コンプリート)
DC26
turbinehead complete
(タービンヘッド
コンプリート)
DC26
turbinehead entry
(タービンヘッド
エントリー)
カラーピンク
ブルー
オレンジ
カーボンファイバー
モーターヘッド
(パワーブラシ)
--
クリーンエアタービンヘッド
(エアーブラシ)
-
オプションパーツ※-
本体サイズ205×320×266mm(幅×奥行き×高さ)
収納時サイズ305×388×898mm(同)284×409×953mm(同)
重量(ホース・パイプ
など接続した場合)
5.88kg5.62kg
型式DC26 CF MH COMDC26 CF TH COMDC26 CF TH ENT
店頭予想価格89,800円前後84,800円前後74,800円前後

全機種にカーボンファイバーを搭載する。写真はヘッドにモーターを搭載した、最上位モデルの「DC26 moterhead complete」ヘッドのブラシは気流で動く「DC26 turbinhead complete」。布団掃除用のツールなどオプション品も標準で付いているエントリーモデルの「DC26 turbinhead entry」。オプションパーツは省かれている
ブラシ部分に、カーボンファイバー(黒い毛)を新搭載した点が特徴

 “吸引力が変わらない”をテーマとするサイクロン式掃除機の新製品で、従来モデルと比べ、ヘッドのブラシ部分にフローリングのホコリを取り除くための「カーボンファイバー(炭素繊維)ブラシ」を新たに採用した点が特徴となる。

 同社によると、フローリングに掃除機をかけると、床面に静電気が発生しホコリが床に付着するため、1回では吸い取れず、同じ箇所に何度もくりかえして掃除機をかける必要があったという。新製品の製造・デザインを担当した、シニアデザインエンジニアのエイドリアーノ・ニロ氏は「従来の掃除機のヘッドは、ブラシがグルグル回転してるために静電気が発生していた。例えば、風船を手に取り服でこすった後、頭に持っていくと髪の毛が風船の方へ引っ張られます。つまり、静電気が発生すると、床の方にゴミがくっついてしまうわけです」と説明する。

従来モデルのヘッド。ブラシはカーペット用のナイロンブラシのみカーボンファイバーのアップ写真。ナイロンブラシに沿うように、黒いカーボンファイバーが配されているダイソンのシニアデザインエンジニアのエイドリアーノ・ニロ氏。“羽根のない扇風機”エアマルチプライアーでは、プロジェクトリーダーを務めたという

 しかし、カーボンファイバーには床面の帯電を抑える効果があり、微細なホコリが床に付着するのを抑え、ゴミが簡単に取り除けるという。

 「空気圧を利用しようとか、ゴムべらを使うなど、ほかの手段も考えましたが、良い結果は出なかった。やはりカーボンファイバーが良い結果が出た。カーボンファイバーの細い繊維――我々はこれをフィラメントと呼んでいますが――を使うことにより、床表面にある静電気の発生がかなり抑えられます」(ニロ氏)

 カーボンファイバーの採用により、ゴミの集塵率が向上。英国の第三者機関が行なった性能テストによると、日本の掃除機メーカー上位6社における、5万円以上の高価格帯掃除機と比較して、ゴミを少なくとも15%多く取り除けるという。


カーボンファイバーDC26(右端)と、他社の掃除機との比較。床面のゴミの残り具合に差が出ている。なお、他社の掃除機にはモザイクが掛けられている(2分9秒)

モーターヘッド(左)にも、タービンヘッド(右)にも、カーボンファイバーが搭載されているカーボンファイバーのプロトタイプ

 このほか、操作性を向上。ハンドルとホースの接合部分が左右に曲がる仕様とした。また「モーターヘッド」では、パイプ部が従来のアルミ素材だったが、「タービンヘッド」と同じプラスチックとなり、軽く、長さが調節しやすくなっている。

 掃除機本体は、従来のDC26と同じ。強力な遠心力でゴミを取り除き、吸引力を維持して高い集塵性持つという「ルートサイクロンテクノロジー」を備える。ニロ氏は吸引力について「ダイソンのサイクロン技術は変わっていません。このすばらしい技術を使うことにより、我々が一番こだわっている機能、吸引力がまったく低下しないということが実現できました」と語った。


ハンドルとパイプの接合部分は約90度に曲がる

モーターヘッドのパイプ部は、アルミ素材からプラスチック素材に変更。軽く、長さも調節しやすいというタービンヘッドのパイプ部長さを調節することで、背が高い人でも低い人でも使いやすい仕様となっている
掃除機本体自体の機能に変更はなし“吸引力が変わらない”ルートサイクロンテクノロジーも引き続き搭載する


モーターヘッドで運転しているところ。強→弱と運転を切り替えているタービンヘッドで畳の上のゴミを吸い込んでいるところ





(正藤 慶一)

2010年9月3日 00:00