LED電球の普及には実売2千円以下が理想――富士経済
~有機LED照明は2012年頃に本格化
LEDをより普及させるには、実売で2千円を下回る価格が必要だという(写真は東芝ライテックのLED電球「一般電球形8.7W」) |
富士経済は、現在省エネ化が進む光源・照明市場の調査結果を発表。LED電球の普及には実売で2千円を下回る価格が必要とした。
同社ホームページで公開されている調査概要では、今後も白熱電球からの代替が進むと予想。2015年のLED電球市場について、2009年の35億円(200万本)から、200億円(2,000万本)になると見込んでいる。
その一方で、同じく省エネタイプの電球とされる電球形蛍光灯との競合があるとして、スペックや価格を比較すると、ユーザーに受け入れられやすくするためには店頭価格で2,000円を下回る価格が求められるとした。
なお、2015年の照明市場については、LEDが2009年の422%となる1,342億円と予測。一方、白熱電球や蛍光灯を含む「電熱/放電照明」については、2009年の89.6%となる5,449億円と縮小する見通し。
●有機EL照明の市場形成は2012年、店舗や施設の普及後に住宅市場へ
有機EL照明の市場形成は2012年との予測(写真は有機エレクトロニクス研究所の天吊り形照明の試作品) |
有機EL照明は、有機物に電気を通すことで発光する光源で、薄型で面発光できる点や、高い発光効率が特徴となる。現在のところ、製品の販売実績があるのは東北デバイスの1社のみとのことだが、2010年にはLumiotec、コニカミノルタ、昭和電工といったメーカーががサンプル供給を予定しているという。
市場形成当初は、ホテルやショッピングモールなど、店舗における演出照明やアクセント照明などでの利用シーンが多くなると見ているが、発光技術の改善により低価格化が進むことで、天井照明として使用され、その後、住宅分野へ広がるという。
調査概要では、有機EL照明市場は2015年に285億円の市場になるとしている。
この調査資料は、富士経済より「Special Appli. 光源/照明市場 実態・技術・予測 2010年度版」というタイトルで販売されている。価格は101,850円。
(正藤 慶一)
2010年3月5日 18:58
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